第41話 6月23日 続・雨の日

珠弓ずぶ濡れ事件から数日。今日もまた雨だった。雨が最近多い。


まあ、今日は雨が降っていても問題はない。傘が壊れたからとか言って、また呼び出される。とか言うことはない。だって今日は大学が休み。珠弓と俺、光一ともに自宅に居る。


、、、。おかしいな。なんで光一も居るのだろうか。光一が居る時点で平和はありえない。だって、、、。


「なあなあ、珠弓ちゃん。今度キャンプ、キャンプ行こう!」

「、、、」


珠弓は先ほど、、、。訂正。結構前からこちらを見てヘルプをしてきているが。まあ、部屋の中に光一が居る時点で俺がなんか言おうと、、、。


「、、、。なあ、光一。同じことをもう5回は言ってるぞ?」

「珠弓ちゃんが来てくれる。って言うまで言う!問題ない」

「、、、。だとよ。珠弓」


同じやりとりを何回しているのだろうか、、、。ほんと何してるんだか。俺もはじめは珠弓の隣に座っていたが。無駄な時間を過ごすより家事するか。と部屋を移動している。


外は雨、これでは洗濯が乾かないので、今日は浴室に干してある洗濯物の様子を見に行ったり。お昼どきには何故か光一まで俺が作ったラーメンを食べていたため。その片付けもあるので、今はキッチンの片付けをしたりしている。


その間ずっと珠弓と光一はテーブルのところでにらめっこ、、、。というか。うん。何してるんでしょうか。珠弓も早くびしっと言うことを言えばいいのに、、、。とか俺は思ったりしつつ。あと「光一よ。早く帰れ」とか思いつつ2人を見ている。


、、、。もうヤダ。


ちなみに珠弓は、、、「はっ?行きませんよ?なんで行かないといけないんですか?っか、早く帰ってください」みたいなことを言いだしそうな雰囲気。いや、言ったら言ったで、、、。何か嫌だな。珠弓の暗い部分を見たくない。うん。でも、珠弓の周りの雰囲気が、、、。嵐です。怖い怖い。


「なあ、弥彦!」

「、、、。なんだ」

「なんかおやつないのか?」

「ここは喫茶店か?」

「そうだろ?」

「違うからな?」

「とりあえず、メロンソーダ」

「、、、。聞けよ。っか、そんなものないからな」

「あー、アイスあるなら上に」

「話を聞け!」

「仕方ねーな。金出してやるから。ちょっと買ってきてくれよ弥彦」

「ヤダよ。なんで雨の中。光一の飲みたいものを探しに行かないといけないんだよ」

「弥彦が居ると珠弓ちゃんと2人きりになれないからな!」

「多分珠弓は俺に付いてくる。を選ぶと思うな、、、。っか。光一。珠弓が、、、」


俺が光一に話しかけたころには遅かった。というのだろうか。光一の方を見ないで片付けをしながら話していたので珠弓の行動に気が付かなかった。


俺がたまたまふと光一の方を見てみた時には、、、。


、、、。パリーン!


「なんだ!?」

「、、、。はぁ、、、」

「、、、」


もしかしたら今。この部屋では、、、。


、、、。殺人未遂?みたいなことが起こっていたのかもしれないが。まあ、証人は居ないから大丈夫だろう。マグカップは奇跡的になのか。珠弓のコントロールの問題か床に一直線だったから、、、。って、とりあえず、、、。


「珠弓」

「、、、」


俺が声をかけると。珠弓はビクっと。肩をして?というのかな「やってしまった、、、」みたいな表情をしつつ俺の方を見てしゅんと小さくなった。


とりあえず俺が見た光景は「弥彦が居ると珠弓ちゃんと2人きりになれないからな!」みたいなことを光一が言った後「多分珠弓は俺に付いてくるを、、、」と話しながら2人の方を見てみたら。珠弓が手元のマグカップを光一に向かって投げたところだった。いやいや、珠弓。マジでそれはやめろ。もう事後だが一応言っておこう。でも、光一と2人きり。になるのがそんなに嫌だったのか、、、。珠弓。


「光一が余計なこと言うから。珠弓怒らせて」

「やべー。珠弓ちゃんに怒られるとかめっちゃうれしいんだけど」


馬鹿は、、、。大丈夫そうだ。ホント馬鹿。


「、、、。光一、実は頭に当たったか?病院行くか?って。あっ、もともとか」

「っか何があった?」

「まあ、珠弓が殺人未遂か?」

「、、、」

「やべー!なんだこれ!?」


やっと自分の後ろの床の状況に気が付いた光一。まあ、、、。綺麗に割れて、綺麗に床全体に破片が飛び散っていた。まあ、窓ガラスまで届かなかったのが幸いか。床も、、、。ちょっと傷ある?いや、、、。セーフか。


とりあえず、床の掃除が必要になったため。


「光一。とりあえず緊急事態のため自分の部屋に帰れ」

「大丈夫だ。見ている」

「大丈夫じゃない。また珠弓がもの投げたら大変だから、あと珠弓。そこから動かないこと」

「、、、」


珠弓は椅子に座ったまま。小さく頷いた。


よし。とりあえず珠弓の周りに投げれるものはない。珠弓が動かない限り。新たな被害は生まれないだろう、、、。多分。


「っか、帰らなくていいだろ?弥彦が片付け。俺が珠弓ちゃん誘う、完璧だろ」

「、、、。やっぱり頭に当たったか?」

「で、珠弓ちゃんキャンプ、、、」


結局俺は強制的に光一を部屋から追い出すのに28分もの時間を要した。


なんで28分ってわかるかって?


、、、。なんとなく。それくらいかかったかなとか思ってでたらめに言っただけさ。





お人形さんはノーコンでした。

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