第38話 6月10日 夜

珠弓とケーキバイキングに行ってから数日。ちょっと気になることがあった。


ここ数日珠弓の元気がない。


先程夕食を食べている時もなんか。申し訳なさそうというのか。なんというのかわからなかったが。とりあえず珠弓を見ていると元気がない気がした。


一応大学に居るときに桃園さんに頼ったのだが、、、。


「柳先輩。これは教えられません」


と言われてしまった。桃園さんはまあやっぱりわかっているようだが、、、。うーん。俺はわからん。


さすがに数日元気がない珠弓が気になったので、俺は風呂上がり珠弓に聞いてみた。


「珠弓」

「、、、」


呼びかけるといつも通りと言えばいつも通りなのだが。なんか、ありそうなんだよ。今も何かを気にしているように見える珠弓がこちらを向く。


俺はソファーに座っていた珠弓の横に座る。


「珠弓なんかあったか?最近変な気がするんだが、、、」

「、、、」

「まあ、言いたくないならいいが。ここ数日の珠弓。元気ない気がしてな」

「、、、」


珠弓は無言というか。今は頷きもなかった。もしかしたら、気にして欲しくない事なのかもしれないが。一応一緒に住んでいるのでね。すると珠弓はスマホを手に取りポチポチ。


♪♪


少しして机にあった俺のスマホが鳴る。画面を確認してみると。


「笑いませんか?」

「うん?笑う?なんで?」


珠弓の方を見つつ聞くと。また珠弓はスマホをポチポチ。


♪♪


「笑いませんか?」

「同じのを2回も送ってこないように」


俺が言うとなにか考え出した珠弓。そして少し間があってから、何か決心したように珠弓はまたスマホをポチポチと。


♪♪


「私太ったと思いまして」

「、、、。は?」


珠弓が次に送ってきたメッセージを見てから珠弓を見る。うん。全く変わっていない。今もお風呂上がりのかわいいお人形さん。いつも通りである。見ているだけで癒される感じである。


「珠弓。何行ってるんだ?」


♪♪


「嬉しくてケーキ食べ過ぎましたから」

「いやいや珠弓。なんもかわってないからな?ホントだぞ?」


まあ、俺がいろいろ言ったところで珠弓がそうですか。とはいうことなく。


♪♪


「太りました。だから恥ずかしいです」

「だからな、珠弓。ホントに変わってないぞ?」


俺は事実を言うが横にいる珠弓は、、、。ダメらしい。


「、、、」


そして、、、。なんか涙目に珠弓はなっていた。うん。これは、、、ヤバイ?かな、、、。今光一にこの場面を見られたら。うん。


「珠弓ちゃん泣かせた!許さん!弥彦!外に出ろ!」みたいになりそうなきがするが、、、。いや、まだ涙目。って、なんで涙目になったか、、、。


「珠弓。もう一回言うが。マジでなにも変わってないからな?」

「、、、」


珠弓はジーっとこちらを見てくるが。いや変わってないものは変わってない。これ以上俺が言えることがないんだが、、、。


「、、、」

「いや、な。ジーっと見られても、、、。変わってないし。むしろ俺的には珠弓軽すぎると思うんだが、、、」


俺がそういうと。珠弓はなぜかハッとした顔?驚いた顔?をして俺から目をそらした。そしてスマホを触り、、、。


♪♪



「先輩。なんで私の重さを知ってるんですか」


そのメッセージを見て、、、。珠弓さん。もう忘れましたか?あなた、飛びついてきた事ありますよね?と、俺は思いつつ。


「、、、。いや、誰だよ。入学式の日にハンバーガー屋で光一に捕まって、俺が店に行ったらみんなの前で抱き、、、。っちょ、珠弓。なに、、、。ちょ」


過去の説明をしようとしたら、珠弓が俺の顔にクッションを押し付けてきた。ちょ、やめなさい。そして押し倒さない。ちょっと!乗っからない。って、やっぱ軽いじゃん。珠弓さん。


しばらくして珠弓は落ち着いてくれた。あのままだったら、本当に窒息の危険も少しあった。うん。間違いなく。めっちゃ必死にピンポイントでクッションを口に押し付けてくるから。鼻もほぼ埋められた感じだった、、、。うん。危険。


「、、、」

「とりあえず。事故により。珠弓が乗りかかってきたからはっきりいう。絶対変わってない。軽すぎる。わかったか?」

「、、、」


顔を赤くしている珠弓が小さく頷く。いやね、このお人形さん。俺を窒息させるのに必死すぎてですね。普通にソファ上で俺はお人形さんに押し倒されて、馬乗りいうか。のしかかりいうのか。まあ上に乗られました。


なんとか暴走お人形さんを止めて、現状確認させたらいつも以上に大人しくなったた。はい。現在。


まあ、俺に跨って乗っている事に気がついた時の珠弓は沸騰したみたいになり。少し前まで俺を窒息させようとしたクッションを再度手に取り。自分の顔を隠していたが、、、。まあ今は落ち着いたらしい。言うと怒られると思うが。あの時の珠弓の姿は、、、。なかなかかわいかったが。


「はい、じゃこの話終わり終わり」

「、、、」

「、、、。なんで俺はまだ見られてるんだ?」


珠弓はジーっと俺をみているが、、、。何故だろうか。っか。ちょっとほっぺが赤いと、ホントお人形さんみたいだな。と、思い。俺も珠弓を見ていたら、、、。また珠弓の顔が赤くなり。


「、、、。バカ」

「いきなりバカ言われたよ」

「、、、」


なんか。小さな声で珠弓は俺にバカ。というと、足早に寝室へと消えていった。そしてすぐに、、、。


♪♪


「お騒がせしました」


そんなメッセージが珠弓から来た。今日は光一が静かだったが。お人形さんがバタバタしていましたとさ。





今日はお人形さんにバカと言われました。 

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