第33話 5月20日 珠弓と光一
朝。いつものように大学へ行く準備をして、準備が出来たら玄関へ。
「じゃ、行ってくるな」
「、、、。行ってらっしゃい」
俺は現在とっても平和な生活をしている。ホントこんなかわいい子に朝送り出してもらうとは、、、。って、珠弓。本当に最近よくしゃべってくれるようになったな。うんうん。まあ、ペラペラは風邪ひいたときだけだったが。それでも、こうやって送り出してもらえるのは嬉しい。めっちゃ嬉しい。
ちなみに今日は珠弓はお休みらしい。講義が休校になったらしく。1日留守番。まあ「誰も居ないんだからくつろいで。自由に過ごしていればいい」と言ったのだが、、、。どうなるか。まあ俺は普通に講義があるため大学へ。
珠弓に見送られて出発。うん、何か朝から気分が良い。
それからしばらくして、大学の敷地に入った頃の事。
「おー、弥彦!珠弓ちゃんと一緒じゃないのか?またあの桃園のところか?」
「朝から元気なことで」
「そんなことは良いから。珠弓ちゃんは?」
「自分で聞けよ」
「連絡先絶対教えてくれないんだよ!照れすぎだな珠弓ちゃんは」
「、、、。だろな」
「で、どこだよ?」
「、、、。知らん」
多分ここで今日は家に居ると言ったら珠弓ところに光一が行きそうなので「知らない」で良いだろうと。考えて俺は歩いて行く。
「ちょ、弥彦!珠弓ちゃんどこだよ!」
しばらく光一にそんな感じで付きまとわられた。まあ珠弓が休みということは、ほぼ同じ講義をとっているという桃園さんも今は大学に居ないので、、、。うん。追い払ってくれる人が居ない為、、、。光一がウザい。
結局講義が始まるまで光一に付きまとわられたが俺は「知らない」で通した。
そして2限ほど講義を受けてお昼。そういえば久しぶりに1人でお昼食べるな。と思いつつ「いただきます」ここのところお昼になると珠弓と桃園さんがいつもやってきていたので1人でスマホ見ながら食べるのはちょっと久しぶり。そんなことを思っていると。
♪♪
「うん?、、、。珠弓か」
サイトなどを見ていたら急にメッセージが来た。中身を見てみると、、、。
「黄金先輩が押し掛けてきました」
一瞬口に入れたプチトマトを吹き飛ばすところだった。
「、、、。なんでだよ。あいつ大学に居たんじゃないのか?」
確か1限の時には、光一は大学に居たはず。なのにお昼の今。なぜマンションに光一が居るのかが不明。っか、押し掛けてきたというのは、、、。どういうことだ?ついにバルコニー飛び越えた?いや、それは無理だろう。バルコニーは離れてるし。ミスったら、、、。まあ、地面まで落ちるしかないので、生きていないだろう。うん。さすがに光一もそんなことはしないだろう、、、。多分。馬鹿だからするかもしれないが、、、。
とりあえず、光一に電話してみた。
♪♪~
「、、、。おー、弥彦!なんだ?」
「光一なんでお前マンションに居るんだ?」
「なんでもう伝わってるんだよ!あ!珠弓ちゃんか」
「何してるんだよ」
「珠弓ちゃんの警護さ!」
何を高らかに言っているのだろうか。多分珠弓からしたらお前が危険人物。不審者だよ。そんなことを思いつつ。
「いらないから帰れ」
「っか、珠弓ちゃんが何回呼んでも中に入れてくれないんだけど!」
「そりゃそうだろな」
「弥彦から言ってくれよ!警護に来たって」
「今すぐ帰ることをお勧めする」
「なんでだよ!警護が居なかったら危険だろ?」
「お前が危険だ」
しばらく馬鹿と話したが。何を言っても帰るという選択肢はないらしく。こちらも大学の講義が始まってしまったため光一との電話を切り。机の下でスマホをポチポチ。いじる。
「珠弓。とりあえず無視っとけ。ウザかったらバルコニーにでもいたら。ちょっとはマシだと思う」
とりあえずメッセージを送っておいたが、、、。どうなるか。
結局その後は珠弓から返事はなかったので、光一もあきらめたか?と思っていたのだが、、、。講義を終えて俺が帰ってみると、、、。
「、、、。修羅場?」
「、、、。やべ、、、。あいつは、、、。やべえ」
うーん。普通なら今の状況を見たら救急車。警察?に連絡かもしれないが、、、。まあ、相手が光一だから。何もしなくてもいいか。何か知らないが。俺の部屋と光一の部屋の間でボロボロというのか。床に転がっている光一が居た。何かこんな姿大学でも見た気がするのだが、、、。うーん。喧嘩でも起こったのかな?桃何とかさんと。
「何してるんだ?お前」
「、、、。弥彦。なんで。あの女がここに来るんだよ!」
そんな感じに光一が騒いでいたのでとりあえず大丈夫そうなので「おつかれ」とだけ言って俺は自分の部屋に入り鍵を閉める。玄関を見ると、誰か来ているらしい。珠弓の靴以外にもう1つ置いてあった。まあ誰かはわかっているのだが。先ほどの光一の雰囲気からもその人を言っているみたいだったし。桃何とかさんでしょ?もしかしたら、珠弓が、、、。という可能性もあるが、、、。まあ今はまだ確認がとれていない為。もしかしたら違った場合迷惑をかけることになるので、桃何とかさんと言っている。うん。
「ただいま」
俺がリビングに入っていくと。誰も居なかった、、、。ではなく。バルコニーに机を出して女の子2人が飲み物飲んでくつろいでいた。どうやら外にいるから俺が帰って来たことに気が付いていないらしい。
「ただいま。そして、いらっしゃい。桃園さん」
「、、、」
珠弓はびっくりした感じでこちらを向いた。本当に気が付いてなかったのか。めっちゃ慌ててこちらを見る珠弓が居た。
「あっ、先輩お邪魔してます!」
「ああ、っか桃園さん悪いな。光一の相手してくれたみたいで。あと珠弓の相手も」
「いえいえ。珠弓ちゃんからヘルプがありましたから。先輩は講義中だから、来てほしいと。とっても私としては嬉しかったです!」
「なるほど。珠弓大丈夫だったか?」
「、、、」
2回ほど頷く珠弓。まあ、部屋には乗り込んできてないので、、、。まあ外がうるさかっただけだろう。
「にしても光一には珠弓が休みなの言わなかったんだがな。どこで聞いてきたんだか。あの馬鹿野郎」
それからしばらくは桃園さんが家に居て。晩御飯を一緒に食べた。
ちなみに、俺が帰って来た時に、玄関付近で転がっていた光一は桃園さんが帰る時には居なくなっていたが。桃園さんが帰っていったあと。夜にやってくるという、まあ迷惑な奴だった。復活早すぎるわ。
今日のお人形さんは留守番をしていました。
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