おかわり第3話「焼き鮭とキノコソース冷奴&モヤシナムル」

コンテ

https://www.pixiv.net/artworks/87179880


(擬音・吹き出し外文字)

「セリフ」

{人物モノローグ}

<ナレーション・モノローグ・解説>



・ケント

 忍の隣のクラス5年2組のわりと乱暴な少年。身体大きい。




●1

■大

 グラウンド。

 休み時間サッカー。

中津「まかせろ!」

 中津と高いボールの競り合いをしている忍。ジャンプ!

忍「あっ」

 中津に競り負ける忍。

忍「……!」

 着地で転ぶ忍。

 中津はクリアしてドリブルキープ。

 立ち上がりかける忍に声がかかる。

ロングキスグッドナイト「忍!」「だいじょうぶか?」


●2

■大

 ロングキスグッドナイトが忍の手を引いて助け起こす。

ロングキスグッドナイト「ほら、立って!」

忍「う、うん」

ロングキスグッドナイト「よし! 行くぞ」

 と走り出す。

男子A「中津、ロングキスグッドナイトが来てるぞ!」「パス、パス!」

中津「!」

 と声に振り返る。

(すぱっ)

中津「わっ」

 中津の死角から華麗にボールを奪うロングキスグッドナイト。


●3

■ タイトル

(ばしっ)

ロングキスグッドナイト「!」

 とシュート。サッカー漫画が始まったのかと思うくらいかっこよく。ポーズとか構図とかおまかせします。


●4

(ボッ)

 ゴールネットに突き刺さるボール。

 わっと沸き立つロングキスグッドナイトの味方。忍も。

忍{ロングキスグッドナイトはかっこいいなあ……}

 ゴールを決めてパフォーマンスするロングキスグッドナイト。なんかカズダンス的な。楽しそうに。周りもノリノリ。

忍{脚は速いし}{サッカーも上手い}

 駆け寄る忍。

忍{背だってクラスで一番高い}

 ロングキスグッドナイトが嬉しそうに忍にハイタッチする。

 身長差だしてください。


●5

 理科の時間。理科室。ジャージの子安純子先生。

コヤジュン「じゃあアルコールランプに火をつけてみましょう」

コヤジュン「マッチのあつかいには気をつけてねー」

 班ごとに理科机に座っている。ワイワイしている。

 マッチがうまくすれない忍。

 同じ机で、忍に気がつくロングキスグッドナイト。

ロングキスグッドナイト「忍、うまくマッチ擦れない?」

忍「ううん」

忍「だいじょうぶだよ」

 忍を心配そうに見るロングキスグッドナイト


●6

ロングキスグッドナイト「やっぱやってあげようか?」

 ちょっとハラハラしてる。

忍「いいよ、できるってば」

ロングキスグッドナイト「危ない危ない」

 しつこく。

忍「危なくないよ」

■大

忍{なんかロングキスグッドナイトには弟あつかいされてるみたいだな……}

 ちょっと困惑。

 休み時間。廊下ですれ違う二人。

ロングキスグッドナイト「忍、休み時間中にちゃんとトイレ行っとけよ」

忍「え、うん」

 給食の時間。配ぜん中に。

ロングキスグッドナイト「忍のパンと牛乳とってきてやるよ」

忍「え、いいよ」

ロングキスグッドナイト「いいからいいから」

 食べている最中。

ロングキスグッドナイト「嫌いなものあったら食べてやるよ」

忍「べ、別にないよ……」

 と苦笑い。


●7

 給食後の昼休み

 昇降口から出たところで立ち止まって、

ゆみみ「あれ?」

 とグラウンドを見て。

ゆみみ「いつも6年生と交代で使ってる場所で2組の子たちがサッカーしてるよ」

 あっ、となる男子たち。忍も。

男子A「今日は俺たちの番なのに」

男子B「どうする?」

男子C「言ってやろうぜ、俺たちの場所だって」

男子B「でも2組のケント」

 サッカーしている2組男子の中心にいるケント。乱暴そうな少年。

男子B「あいつすぐ暴力振るうからヤダな」

 ウっとなる男子たち。

男子A「中津なら…」

 頼りになるリーダーを思い出す。

男子C「ゆみみ、中津は?」 


●8

ゆみみ「給食当番だから遅れてくるって」

(ロングキスグッドナイトも)

忍「じゃあ僕が2組の子と話してくるよ」

 と平然と。

男子A「え、忍が?」

 とちょっと驚く。

忍「ちゃんと話せば大丈夫だよ」

 と2組男子の方へ走り出す。

忍「ねえ──」

 とケントに声をかける。

 話してる忍とケントたち2組。わらわら集まってくる2組の生徒。

 なんか文句言われている風。なんとかわかってもらおうとつとめて笑顔の忍。

 遠巻きにハラハラと見守る1組男子とゆみみたち。

 と、そこへ中津とロングキスグッドナイトがやってくる。

中津「ん? どうした?」

中津「あれっ? 俺たちの場所が」

男子A「それがさ……」

男子B「いま忍が2組のケントと」

ロングキスグッドナイト「え、忍が?」「お前ら、忍ひとりに行かせたのかよ」

 といきり立つ。


●9

(だだっ)

 と駆けだすロングキスグッドナイト。

 あっ、と言う間もなく残される中津とゆみみ。

ロングキスグッドナイト「忍っ、大丈夫か?」

 と駆けつける。

忍「ロングキスグッドナイト……?」

ケント「ああんっ?」

 と会話が遮られる。

ロングキスグッドナイト「なんだお前ら」

 と割って入って忍を庇う。忍、えっ、と途惑う。

ロングキスグッドナイト「ここは1組が使う場所だぞ!」

ケント「はあっ?」

ケント「なんだ女のくせにでしゃばってきて」

 不穏な空気。

ロングキスグッドナイト「なんだとはなんだよ!」

忍「ちょっ、ねえ、やめてよ」

{せっかくまとまりかけていた話がコジれる……}

 とロングキスグッドナイトをなだめようとする。


●10

ロングキスグッドナイト「お前ら忍に文句つけてたのか?」

 と2組の男子たちに凄む。

ケント「うるせえな、お前はこのザコチビの保護者かよ」

ロングキスグッドナイト「なにいー?」

ケント「……ははあ」「さてはお前、こいつのことが好きなんだろー?」

■大

ロングキスグッドナイト「……!!」

 まっ赤になったロングキスグッドナイト

 恥ずかしさと怒りに震えるロングキスグッドナイト。

ケント「だいたいお前らの場所だとか、勝手にそんなルール…」

忍「いや、だからその交代で使うルールをいま説明…」

 とふたりが交渉を再開しかけて


●11

■大

ロングキスグッドナイト「忍をバカにすんな!」

 テレを誤魔化すように平手打ちする

(ぶーん!)

ケント「うわ!」

 かろうじてかわす。空振り。

 迫力ある動きがわかるレイアウトにしてください。

ケント「……てめー! いきなりなにすんだこのオンナー!」

ロングキスグッドナイト「なんだこのオトコー!」

 お互い食ってかかって一触即発。

忍「やめてっ」

 と止めに入ろうとする

ケント「すっこんでろ!」

 とドンと押す。

ロングキスグッドナイト「よくも忍を!」

 怒りの頂点。でも美少女。

「くらえ!」

 悪い仮面ライダーみたいにロングキスグッドナイト、飛び蹴りを放つべく跳躍。


●12

■大

忍「だめっ……」

(どかッ!)

 ケンカに巻き込まれる忍、ケントとのあいだに入ってロングキスグッドナイトの飛び蹴りを顔に受ける。ライダーのようにのびやかで美しい飛び蹴りでおねがいします。

 ロングキスグッドナイトの動きは美しく迫力あるいっぽう、割って入った忍の顔にヒットする間抜けな空気、両立する画面に仕上げてください。書き文字もポイントだと思います。

みんな「あっ!」

■小

 アッとなるロングキスグッドナイト。しんじられない。やってしまった。

■小

 あんぐり口を開けるケント

■小

 ふらっ、となりながらかわいく鼻血ブーする忍。鼻血がふわっとした軌道を描く。点描とか?

 間抜けた感じ。


●13

 バターン! と倒れる忍。

ロングキスグッドナイト「し、しのぶ!」

 慌てるロングキスグッドナイト。

 あっけにとられるケント

忍「いったあ…」

ロングキスグッドナイト「……ご、ごめん!」

 狼狽えながらかがんで忍の介抱しようとする。

ケント「お、おい、お前大丈夫かよ…?」

ケント「保健室行った方がいいんじゃないか?」

 とオロオロして根のひとの良さを見せる。

忍「ケンカなんか」「しないでよ……」

 と痛い顔をおさえながらロングキスグッドナイトに。

ロングキスグッドナイト「だ、だってあいつがお前の事をバカに……」

 心配げに。

忍「僕が話をするから」

 と制するように。鼻血がボタボタおちる。深刻な感じではなく面白いかんじで。

ロングキスグッドナイト「わっ、血が出てる!」


●14

■大

忍「だって僕、ロングキスグッドナイトがぶったりぶたれたりしたらイヤだよ」

 言って聞かせるように。痛みで涙があふれているが哀しいとかエモーショナルな感じではない。鼻血がまぬけ。

■大

 ロングキスグッドナイト、ドキ! キュン!


 ここの彼女の気持ちを描き手がどう解釈するかしだいどういう表情になるかは問われるとこだと思います。

 ここがどういう気持ちだと思って描くつもりなのか、聞かせてください。


●15

ロングキスグッドナイト「う、うん、わかった……」

ゆみみ「先生呼んできたよー」

 駆けつけるゆみみとコヤジュン。

 ギクっとするロングキスグッドナイトとケント。

ケント「オ、オレ知らねえかんな!」「お前ら勝手に…」

 とうろたえる。

コヤジュン「あらあら」「まあまあ」「どーしたのー?」

 忍とまわりのみんなを見回して。

ロングキスグッドナイト「あ、あの…」「わたしが…」

 と申し訳なさそうにしゅんとして正直に申し出ようとする。


●16

忍「子安先生」「事故です」

 涙目鼻血でもきっぱりと。

忍「ちょっとぶつかっちゃって」

 目を丸くして忍を見るロングキスグッドナイト。

コヤジュン「あら」「わあ、鼻血!」

 と忍の顔を見る。

コヤジュン「保健室いこう」「歩ける?」

ロングキスグッドナイト「わ、わたしが連れて行く!」

 と忍に付き添う。

ロングキスグッドナイト「忍、ごめん……」

 忍を見ながら、泣きそうな顔で反省するロングキスグッドナイト。

 苦笑いする忍。


●17

 アパート。外観。

忍{……今日は疲れた}

忍{もう、ちゃんとした物なんか作れない}

 と流しでカップに水を入れて。鼻の頭に絆創膏と鼻血を止める綿を詰めている。かすり傷。

忍{僕だってたまには手抜きするんだ}

 とガスコンロのグリルに水を張る。

忍{塩鮭をガスコンロのグリルで焼いて……}

 とスイッチをひねる。

忍{焼き魚は簡単だ}

 と換気扇を回す。


●18

忍{この家に引っ越した時、梨由子叔母さんが「子供だけだと危ないから電気調理器にしよう」って言ったのを}

忍{僕と京子が猛反対してガスコンロにしてもらったんだ}

忍{二口コンロに魚焼きのグリルがあるだけで料理の幅が全然違うんだもん}

 しみじみとガスコンロを眺める。

忍{ご飯に焼き鮭があれば何もなくてもいいんだよね……}

 と目をつむって腕を組む。

忍{……}{まあ、味噌汁くらいは作ろうか}

 と鍋に水を入れる。

忍{味噌汁は我が家定番の乾燥ワカメ}

 火にかけて。

 またちょっと考える忍。

忍{やっぱりもう一品作ろう……}

忍{冷奴かな}

 と冷蔵庫をあける。

<忍は手抜きに後ろめたさを感じると、ついつい品数を増やしてしまうタチだった>


●19

忍{あっと}

忍{でもこれはかんたんだし作りたてがいいから後回しにして}

 と豆腐のパックを開けて水を流しながら、

忍{もう一品つけあわせにナムル作ろう}

 とモヤシを冷蔵庫から取り出す。

忍{ゴマ油と醤油を大さじ1ずつ、塩少々、ニンニクすりおろし小さじ半分くらい}{全部混ぜる}

忍{ニンニクすりおろしはチューブのが楽ちんだな}{チューブなら1センチ}

忍{これでタレの準備OK}

忍{モヤシ一袋を洗って}

忍{熱湯でさっとゆでる}

忍{茹ですぎずに食感を残すのがコツ}

忍{水気を切ったら熱いうちにタレを和える}


●20

忍{次は冷奴}

忍{しめじをバラして、エリンギを薄切り}

忍{ニンニクひとかけをみじん切り……だけど今日はチューブのすりおろしでいいね}{2センチ}

 と小皿にとる。

忍{フライパンにバター大さじ2、豆板醤小さじ半分を入れて焦がさないように熱して}

忍{ニンニクとしめじとエリンギを入れたら強火で一気に炒める!}

忍{醤油大さじ1くらいまわしいかけて}

忍{切ってないお豆腐一丁を器に盛って}{そこに炒めたキノコをかける}

忍{できあがり}


●21

 食卓に並ぶ料理。料理の絵を大きく。オブジェクトの位置と大きさ考えて調整おねがいします。

 以下があって対面で食事するように並んでいることがわかるように。ナムルと冷奴は共有するおかず。

<焼き鮭>

<味噌汁>

<モヤシナムル>

<冷奴キノコソース>

京子「おー、焼き鮭」「これとご飯だけあればいいからおかずもったいないな」

忍{やっぱり同じこと思ってんだ……}


●22

京子「これは冷奴の新しいバージョンかー」

 と期待する。忍が大さじでグチャグチャにかき混ぜようとしている。オブジェクトの大きさ注意。

忍「スプーンでぐしゃぐしゃにツブしながらまぜてアツアツのうちに食べて」

 混ぜた冷奴。

京子「ところでちょっとまて」

 窺うようにじっと忍を見る。心配する京子。

京子「その顔どうしたの?」

京子「だれかにイジメられた?」

 と真面目な顔で問い詰める。厳しくも美しい姉。

忍「ちがうよ」

 即答。

忍「まあ、もめごとはあったけど、事故かな」

 つまらなそうに食べ始める。

京子「ほんとかー?」 


●23

 食事をしながら事情を聴き終わって。

京子「あははは!」

 大笑い。

京子「ロングキスグッドナイトの飛び蹴り見たいなあ」

忍「……すごい威力だったよ」

 

京子「あたしも忍くらいのときはよく男子ともケンカしたよ」

 と呑気に。

京子「いまだって男子とプロレスしても勝てる気がする」

 と男子と取っ組み合いするイメージを浮かべる京子。

 しかしイメージの中の男子は邪な思惑で京子に組み付いている。気高い女戦士のようにそれと戦う京子。

 参考画像の趣旨です。イメージ上の色気のある身体の描写や比率、技の正確さ、良い絵作り期待してます。手前でイメージしてい二人との関係の構図に気をつけてください。

忍「……しないでね」

 京子が感じてない危険を感じとる忍。


●24

忍「やっぱり、僕って弱くて頼りないと思われてるのかな」

 自分にがっかりしかけている忍。

京子「いやいや」

京子「わたしは忍を頼りにしてるよー」

 と本心からなぐさめる。

忍「もっと僕が大きければ良かったのに」

京子「そのままでいいよ」

京子「逆に忍がプロレスラーくらい大きかったらヒいちゃうなー」

 と武藤啓司(セクシャルターザンだったころ)のようなポーズを取っている忍を思い浮かべる。

忍「いっそウルトラマンくらい大きくなりたいよ」

 子供っぽくシノブトラマン的なイメージ。紅白帽を縦に折り返したみたいなのかぶって。

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