第24話「いろどり素麺」
コンテ
https://www.pixiv.net/artworks/87176972
(擬音・吹き出し外文字)
「セリフ」
{人物モノローグ}
<ナレーション・モノローグ・解説>
●1
■トビラ
●2
■
照りつける太陽。夏日の午後。
■
スッポン「あっち~~」
炎天下をダラダラ歩いているスッポン。大きなトートバッグ(水着や遊び道具が忍ばされている)と紙袋(素麺の大箱が入ってる)
■
大きめのショッピングセンターに入って行くスッポン。
●3
■
フードコートに続いている、ベンチとかいっぱいあるホールっぽいとこ。
スッポン「ふー、冷房効いてる~」
一息ついて涼しそう。襟元パタパタ。
■
京子「あ、来た来た」
買い物していた京子と忍、スッポンに手を振る。ナスやトマトの入った買い物袋。
忍「スッポン姉ちゃん!」
■
スッポン「しのぶー!」
破顔して手を広げる。紙袋とトートバッグを床に置きつつ。
●4
■
(ぱんぱんぱん)
新しいアメリカ人の挨拶。
https://www.youtube.com/watch?v=aiVntwhCJCY
https://www.youtube.com/watch?v=xztwQeZoBKs
■
両手を手をつないでステップ。0:56くらいな感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=Bpl2wQ4XYA8
■
(ぐーん)
両手を持って裏返って背を反る。
■
スッポン「ほれー!」
忍(わっはっはーい)
と忍を持ち上げて放り投げる。忍、美しい姿勢で背中を反って手を翼のように広げる。
●5
■大
二人(あっはっはっは!)
キングゲイナーのオープニングみたいに片足立ち前傾で手を広げるスッポンの上にすまし顔で同ポーズの忍が載っている。
京子{うーむ}
京子{悔しいけどもう絶対ついていけない……}
と見ている京子。
通りすがりのおばさんが「おー」みたいに拍手している。
■
京子たちのアパートへの帰り道。
京子「素麺こんなに持ってきてくれたんだ」
と忍が持つ紙袋から見える三輪素麺の箱を見て。
http://yoshida-mengyou.com/?mode=f5
■
京子「でもスッポンならこれくらい一人でもすぐ食べちゃうんじゃない?」
スッポン「もらいもんだし、みんなで食べたほうがいいじゃん」
歩きながら。
●6
■
京子「あっ、大葉買うの忘れた」
と袋をまさぐって立ちどまる。
■
京子「ちょっと買ってくるから先に行ってて」
と買い物袋を忍に渡して引き返す。
スッポン「あいよ」
■
アパートのドアの前。鍵を開けながら
忍「なにして遊ぶ?」
■
忍「なんか持ってきてるんでしょ?」
とスッポンのトートバッグを見る。
■
スッポン「へっへっへー」
と笑う。
●7
■
京子「あちちち」
と炎天下を汗かきながら走る京子。大葉を手にしている。
■
京子「ただいまー」
と、顔を赤くして舌を出しつつ帰ってくると風呂場から声が。
(きゃっきゃっ)
■
(お、やったなー)
京子「ん?」
と風呂場のドアを見る。
■
京子「なに?」「二人してお風呂入ってんの?」
とドア越しに問いつつちょっとムッとして。
京子{忍のやつ、あたしとは入らないクセに……!}
(バタン)
■
(ビューッ)(バシャっ)
水鉄砲の水が京子の顔にかかる。
京子「ぶわっ」
●8
■
水鉄砲で遊んでいたスクール水着の二人が京子を見る。忍は水中ゴーグルをしてスッポンに片足首をつかまれてぶらさがって笑っている。スッポンは風呂のヘリに片脚をかけて片足は水の中。
忍「おかえりー」
スッポン「暑いから行水してんだ」
ヘラっと笑う。
■
京子「あー」
ナイスアイデアみたいな。水がしたたる。
スッポン「京子も着替えてきなよ」
●9
■
競技用っぽい水着に着替えてきた京子。
http://h-mahoroba.net/wp-content/uploads/2015/04/%E7%94%BB%E5%83%8F%EF%BC%919.jpg
http://buyee.jp/item/yahoo/shopping/acqueen_jk-aj-05w
(ざばーっ)
京子「ナイアガラの滝!」
と湯船にざぶっと入って水をあふれさせる。
忍、湯船の外にくっついて背中に浴びる滝を楽しんでいる。
忍「うわーい」
■
京子「ちべたくて気持ちいー!」
忍「さすがに三人だと狭いね」
と入りながら。
スッポン「ギュウギュウだ」
とヘリに腰掛けて。
■
京子「同じ混んでるなら区民プールに行けばよかったか」
■
スッポン「私カナヅチだからさ」「足つかないところはちょっと」
苦笑いする。
■
京子「水鉄砲以外も色々持ってきてる」
京子「アヒルかわいい」
と湯船に浮かべた黄色いアヒルのオモチャをつつく。
●10
■
忍「潜水艦」
と潜水艦をおもちゃを持ち上げる。
京子「潜水艦と、これは戦艦?」
と浮かんでいる軍艦を指して。
スッポン「これは駆逐艦だな」
■
京子「???」
忍「戦艦とは違うの?」
スッポン「戦艦より小さくて速い船だ」
と持ち上げて見せる。
■
スッポン「これで「眼下の敵」ゴッコやるんだよ」「潜水艦と駆逐艦どっちがいい?」
と潜水艦と駆逐艦を両手に持つ。
忍「潜水艦!」
忍とスッポンが湯船につかり。京子はヘリに腰掛けている。
■
忍「潜水艦ってもぐってると敵に見つからないんでしょ?」
と潜望鏡だけ水面に出して潜水艦を潜らせる。
スッポン「そうだよ」
■
スッポン「でもこうやって」
「ピコーン ピコーン」
と駆逐艦を水面で動かして近づけていく。
忍「何の音?」
■
スッポン「音で潜水艦を探す装置」
「これを使うと潜っていてもどこにいるかわかる」
忍「え、そうなの」
●11
■
スッポン「ぼん、ぼん、ぼん」
「ぼかーん!」「どかーん!」
と忍が潜らせている潜水艦の上に駆逐艦を持ってきて水の中で手をぐっぱさせて爆発を表現。
■
スッポン「こうやって真上から爆雷落として潜水艦をやっつけられる」
スッポン「戦艦とかは普通の軍艦は潜水艦に弱いけど、駆逐艦っていうのは潜水艦をやっつける船だから潜水艦より強いんだ」
図解。
■
忍「逃げなきゃ!」
焦る忍。
スッポン「無駄だよ。駆逐艦のほうが速いしすぐに潜水艦見つけちゃう」
「ピコーン ピコーン」
■
忍「あーん」
困る忍。
忍「僕そっちがいい」
「今度は僕が駆逐艦やる!」
と潜水艦を差し出す。
スッポン「いーよー」
■
忍「潜水艦はどこだー?」
と駆逐艦を動かして。
■
スッポン「む、駆逐艦発見!」
となりきり。
●12
■
スッポン「急速潜航! ハッチ閉じろ! ベント開け!」
「ぶくぶくぶく」
「エンジン停止!」
と潜らせる。
■
忍「ぼかーん! どかーん!」
スッポン「この海底洞窟で息をひそめて、やりすごすんだ」
と風呂の中で立てた自分のひざ裏に潜水艦を隠す。
■
忍「ぼかーん! どかーん!」
夢中になって爆発を表現している。
スッポン「忍の駆逐艦はそろそろ爆雷が切れるんじゃないか?」
と真顔で。
■
忍「えっ」「じゃあ港に戻らなきゃ」
素直に。傍で苦笑している京子。
■
スッポン「ふー、行ったようだ」
「メインタンクブロー! 急速浮上!」
と潜水艦を浮かばせる。
●13
■
スッポン「お、敵の船だ。護衛がいないぞ?」
「ベント開け! 急速潜航!」
水面に浮かんでいるアヒルの船団を見つける芝居。
■
スッポン「魚雷1番から2番発射!」
指で魚雷の芝居。
■
スッポン「どっかーん!」「撃沈!」
アヒルを指で弾く。
■
スッポン「メインタンクブロー! 浮上!」
と楽しそうに潜水艦を浮かばせる。
忍「……」
楽しそうだなーとうらやましげに見ている忍。
■
忍「……やっぱり潜水艦のほうが面白そうだから替えて!」
と駆逐艦を差し出す。
スッポン「いーよー」
●14
■
忍「急速潜航!」
嬉しそうに潜らせる。
■
スッポン「さー、駆逐艦はもう爆雷満載だ」
「潜水艦はどこだ? ピコーン ピコーン」
「ぼかーん! どかーん!」
と容赦なく忍の潜水艦を攻撃する。
■
スッポン「ハハハ! 潜水艦はどうあがいても駆逐艦にかなわないのだー!」
わざとらしい悪役っぽく。
忍「あーん」「やっぱりそっちがいいー」
と悔しそうに。
■
スッポン「いーよー」「じゃあ交代」
京子{……見事に遊ばれているなー}
苦笑する京子。
■
水鉄砲を手に取ってかまえる京子、何かを見つける。
京子「うん?」
●15
■
京子「あっ、おこめちゃん!」
と風呂桶に入れられたおもちゃに紛れた空気で膨らませるおこめちゃん。
■
スッポン「それこないだの手ぬぐいのお返し」「あげる」
と京子に。
■
京子「ふー!」「ふー!」「あひふぁふぉー!(ありがとう)」
いっしょうけんめいふくらませる。
■
京子「♪おこーめこめこめー おめこめこー」
ふくらんだおこめちゃんを持ち上げて掲げて歌う。
スッポン「なにその歌?」
笑って。
京子「あたしが考えたおこめちゃんの歌」
●16
■
水着エプロンの京子。髪をバスタオルでふきつつ冷蔵庫を開けて。
京子{トマト冷やしてたんだ}
■
京子{トマト8等分}{ナスも縦に8等分}{オクラはヘタ取って輪切り}
と切る。
■
京子{シソの大葉も大雑把に刻む……}{夏はシソが欠かせないねー}{もりもり食欲がわいてくる}
■
京子{ナスはゴマ油でちょっと焼き色つけるくらい炒める}
と中華鍋で炒める。
●17
■
京子「あっち! 油はねた!」
居間。バスタオルで忍の髪を乾かしてやるスッポンが声に振り返る。忍、犬のように気持ちよさそう。二人とも水着のまま。バスタオルを下に敷いて座ってる。
■
京子{エプロンしてて良かったー}
とヒーみたいな顔でナスを皿に取る。
(ぴぴぴっ ぴぴぴっ)
■
京子{素麺茹であがった}
(ざばー)(もわー)
とザルにあける。
■
京子{スッポンいるから後でまた茹でるし、弱火でお湯沸かしておくか}
と水にさらしつつ考える。
●18
■
居間のテーブルで全員水着のまま。
<いろどり素麺>
山盛りの素麺を大きな器に。薬味に炒めたナスとオクラとトマトとシソがそれぞれの器に盛られている。
麺つゆの椀、小さめの丼(大きな椀)。
京子「麺つゆは大きなお椀で食べまーす」
スッポン「おー」
■
京子「ナスは味ついてないよ」
京子「オクラとシソはお好みで」
■
忍「僕全部入れよっと」
スッポン「そんじゃ私も」
●19
■
(ずぞぞぞっ)
と食べるスッポン。
■
スッポン「あー、油吸ったナスって麺つゆに浸して食べると美味しいねー」
とナスを取る。
京子「ウチはこれやらないと素麺が物足りないんだよね」
■
忍「シソの香りとトマトのちょっとすっぱいのとオクラの歯ごたえ」
忍「夏らしいね」
■
夜空に吊るした風鈴が揺れる。
(ちりちりーん)
●20
■
消灯して就寝。タオルケット一枚で寝ている二人。
京子「ねー、忍」
忍「んー」
■
京子「スッポンとなら一緒にお風呂入るの平気なのに」「あたしとはイヤなわけ?」
けっこうシリアスな表情。忍に背を向けて。
■
忍「えっ?」
■
忍「ちがっ、お風呂じゃなくて行水だし……」
と京子のほうに首をむける。
京子「お湯か水かの違いでしょっ?」
■
忍「……あれ、えーと?」
混乱する忍。
京子「忍はあたしの弟なんだからさー」
■
京子「たまにはあたしとも一緒にお風呂入ってよ」「「潜望鏡」してあげるからさ」
忍「……「眼下の敵」ごっこのこと?」
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