第10話「おこめちゃん焼き」

コンテ

https://www.pixiv.net/artworks/87159826




(擬音・吹き出し外文字)

「セリフ」

{人物モノローグ}

<ナレーション・モノローグ・解説>



◎モリモン

 森真矢子。京子のクラスメイト。16歳。

 茶髪の黒ギャル美人。

 小学校のときは白くて上品だったけど、すっかり下品に。


◎クボチー

 三久保沙紀。京子のクラスメイト。16歳

 ギャル。黒くはない。ショート。


◎まゆたん

 木下万結。京子のクラスメイト。16歳

 ギャル。黒くはない。



◎スッポン

 杉本美樹。京子たちと小中学校一緒だった。16歳。

 前髪で片目隠れている感じとか。困り眉(別に困ってない)。二重まぶた。鋭い目。無表情系。

 腕まくり。ロングタイトスカート。http://item.rakuten.co.jp/specchiopleats/000-003-09/ こういうシルエットとか。裸足にスニーカー。

 いにしえのスケバンスタイルでアバ女保育科をシメている。

 腹ペコ。


◎アバ女軍団

 家政科3年の白ギャルたち。ツケマ盛り×2。スカート極短。メスゴリラどもと言われるが、AKBくらいはかわいい子ばかり。

 性格はかなりキツい。凶暴。

 Aはリーダーっぽく。Bだけ二の腕たくましい感じで。


◎グランドゼロ

 ラウンドワン的な施設。



●カラー扉ページ

 タイトル


●1

アバ女の外観。

■大ぶち抜き。

(ザッ ザッ)

 と歩いているスッポン。昼休みくらいに遅刻してきた?

 中庭でスッポンとすれ違うアバ女のギャルたち。

「保育科の杉本だ」

「ちょづきやがって」

「タイマンじゃなきゃ負けねえし」

 とかザワつきつつ道を開けている。

 校舎の窓からスッポンを見ているアバ女Aに

アバ女B「あいつのさばらせていいの?」

 と無責任に煽る。

 いいよ、とは言えない立場上強がるしかないので、

アバ女A「あんなのいつでもツブせるよ」

 と内心勝てる気がしなくて、リアクションに困りながらも。

アバ女A「ほっとけし」

 おー、さすが、みたいにアバ女Aを頼もしく見るアバ女B。


●2

 放課後、教室。いつものメンツ、ボウヤだけトイレかなんかに行っていていない。

クリ子「今日のボーリングなんか賭けない?」

京子「セクシーの魂を賭ける!」

セクシー「勝手に賭けんなよ」

モリモン「なー」

 と声をかけてくる。

■大ぶちぬき3段くらい

モリモン「ウチらも今日グランドゼロ行くけどさ」

 とちょっと不機嫌そうな顔で近づいてくる。

 後にギャルい同級生、クボチーとまゆたんを従えている。

■小

京子「まじだ? じゃあモリモンたちも一緒に遊ぼうよ」

 と嬉しそうに。

■小

モリモン「つか、そうじゃなくてー」「ウチらのマネしないでくんね?」

 なんかムカついてる。

■小

京子「え」「……別にマネじゃないけど」

 と途惑う。

モリモン「ウチらがグランドゼロ行くって話してたの聞いてたでしょ?」

 確信してる。

セクシー「知らないよそんなん」「ナニそれ、くだらない」

 ハア? と睨みつける。

モリモン「ちっ」

 よそ見して舌打ち。感じ悪い。


●3

■小

クリ子「モリモン、なんでそんな突っかかんの?」

 とちょっと怒って。

モリモン「オイ、その呼び方やめろし!」

 キッとクリ子を睨む。

モリモン「ウチらと遊んでほしかったらもうちょっとレベル上げて来いよ」

 と見下したように見ながら立ち去るモリモンとクボチーとまゆたん。

京子「……」

 哀しい気持ち。

セクシー「森さんってあんたたちとおな中だっけ?」

京子「うん、小学校から一緒」

クリ子「あいつ昔は白くて大人しかったのになー」


 ラウンドワンのボウリング受付カウンター前。

ボウヤ「ボーリング1時間待ちだって」

 と受付を済ませてきて。

京子「んじゃ待ってるあいだ何する?」

 とクリ子、セクシーに。

 わいわい何か目当てのアトラクションのほうを指さしたりしながら楽しそうに相談している4人。

モリモン「ちっ」

 と苦々しそうにそれを見ている。

クボチー「森っち、時間までゲーセンで暇ツブそうよ」

 とクボチーとまゆたん。

■小

まゆたん「あ……」

 と別の方を見て顔色を変える。

■小

まゆたん「ヤバババ」

 とモリモンの腕にしがみつく。

モリモン「まゆたん?」

 とまゆたんを見る。


●4

■大

まゆたん「アバ女がいっぱい来てる」

 黒セーラー服のギャルがダーツコーナーにゾロゾロ10人くらいいる。

まゆたん「クボチー、前にUFOキャッチャーでとったぬいぐるみ横取りされたよね」

クボチー「うわー、ヤなこと思い出した~。テンサゲだよ~」

 と思い出して泣きそうな顔。

モリモン「なにそれ、ひどくね?」「そんなん絶対ゆるされざるよ!」

 とムカつく。

モリモン「あたしがいれば平気だって」

まゆたん「森っち頼もしい~」

クボチー「でも、ほら、森っち、別のフロア行こ」

 と笑顔をつくりながらもアバ女を恐れるように促す。

モリモン「ん……」

 とそれに従うように。


●5

■大ゴマ

 ロデオマシーンに挑戦するセクシー。

https://www.youtube.com/watch?v=w4_Lcw_wTs8


https://www.youtube.com/watch?v=Wn-OLnVlxp0


https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%AA%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%80%80%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%B3&num=50&hl=ja&prmd=ivns&source=lnms&tbm=vid&sa=X&ei=1uM0Vc2uEoek8QXrv4CgDw&ved=0CAYQ_AU

 乗馬でならした腕で見事に乗りこなしつつ、魅惑の腰つき。片手放し。

■散らしの小コマ

 揺れるセクシーの制服の胸

■散らしの小コマ

 伸びやかなセクシーの脚

■散らしの小コマ

 セクシーの括れたり張り出したりしている腰まわり

 セクシーの意図してないエロさに笑いつつも声援を送る京子クリ子ボウヤ。

 音ゲームが得意なクリ子。

http://08design1.blog.fc2.com/blog-entry-9.html


https://www.google.co.jp/search?q=maimai&num=50&lr=lang_ja&hl=ja&tbs=lr:lang_1ja&prmd=ivns&source=lnms&tbm=vid&sa=X&ei=G-U0Vci6JMzi8AXU5YGoDw&ved=0CAYQ_AU

(しぱぱぱぱっ)

 と背が低いので上のほうにギリギリタッチできる感じ。

 スゲーってなってる3人。


●6

 京子とボウヤのDDR(ゆにぞう)

https://www.youtube.com/watch?v=3BTU6I4Npfc


https://www.youtube.com/watch?v=pdB4OnZKvcQ


https://www.youtube.com/watch?v=TNz3VuxdO0U

 2人でステップを踏みながら。スカートのすそがひらひら。パンツ見えそうで見えない。

 かわいい手のフリも入る。

 一度筐体を下りて反対から上がったり。

■大

 画面も見ず、ピョンピョン跳ねて踏んでる京子とボウヤ。かなり練習してる。

 盛り上がってるクリ子とセクシー。

 ギャラリーができている。


●7

 フードコーナーの前。お米ちゃん焼きののぼりとパネルが出てる。

京子「お米ちゃん焼きだって!」

 と指さす。

京子「あ、でも買い食いすると忍が怒るしなー」

 と言いながら悩むような顔でカバンからサッと財布を出す。

京子「どうしようかなー」

 とカウンターの前で悩むような顔で財布から千円渡している。

ボウヤ「身体は全然葛藤してないじゃん」

 と呆れる。

セクシー「それ、米とどう関係あんの?」

 と、たい焼きを食べながら。

京子「そういやそうだね」

 と手にしたお米ちゃん焼きを見る。

京子「あっ!」

 とかじったお米ちゃん焼きを見て驚く。

京子「アンコだと思ったら」「お萩入ってた!」

 みんなフーンって感じ。


●8

■小

セクシー「ボウヤ、太鼓やろうよ」

クリ子「ウチらメダルゲームやってるねー」

 と別方向へ別れる。

■小

 メダルゲームコーナーにいるモリモンたち。

モリモン「あー、終わっちった。すっからかん」

 とメダルを使い果たす。

クボチー「まだ時間あるね」

 とケータイ見てる。

まゆたん「お金使いすぎた」

 メダルゲーム。JACKPOT(大当たり)画面。

 480000枚ゲット! とか出てる。

http://kazaaan.sega.jp/play.html


https://www.youtube.com/watch?v=YHNuMqIuHAg

こんな感じの。

 メダルゲームで大当たりを出したクリ子と京子。

クリ子「そろったーっ!」

京子「クリ子すごい!」

 画面を見ながら抱き合って喜ぶ。

クリ子「わははは! メダルがジャラジャラだー!」

 メダルがいっぱいのドル箱を積み上げるクリ子。

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%A1%E3%83%80%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0+%E3%83%89%E3%83%AB%E7%AE%B1&num=50&lr=lang_ja&hl=ja&tbs=lr:lang_1ja&prmd=ivns&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=GTs2Vd7qH5CC8gWJl4DIDw&ved=0CAUQ_AU

京子「お大尽さま、マハラジャさまー」

 とクリ子を拝む。

クリ子「さあさあ、メダルをやろう」

 とメダルをパッと撒く。

京子「きゃー、すてきー」

 とキャッキャ跳ねてる。

 それを見て舌打ちしているモリモン。

 それを近くの販売機でジュース買いにパシらされていたアバ女のギャルたちが見ている。

 おい、あれ見ろ、的な。


●9

■小

モリモン「栗山ー、ウチらにもメダル」

 とカップを持って突き出す。

 振り返るクリ子。

 その後ろでご注進に向かうアバ女のギャルたち。

■小

クリ子「……」

 ツーンっとそっぽ向く。

■小

クボチー「オイー」

 と迫る。

クリ子「ヤダよ」

 と澄ましてる。

まゆたん「いいじゃんかよ、ちょっとくらい」

クリ子「こっちは額に汗して一攫千金当てたんだ!」「メダルが欲しかったらちゃんとお願いしなよ!」

 とニヤニヤする。

京子「額に汗してたかな」

 と苦笑い。

モリモン「元はタダなんだからケチなこと言うなよ!」

 とムッとして。

京子「元はタダではないけどなー」

 とまた苦笑い。

モリモン「ナマイキチビ! よこせよ!」

 とドル箱に手を伸ばす。

クリ子「あたしのメダルにさわんな! ツケマ盛り×2黒ギャル!」

 と羽交い絞めにしようと捕まえる。


●10

モリモン「てめ! 根こそぎ持ってくぞ!」

クリ子「村に略奪に来たダークエルフかお前は!」

モリモン「略奪に来るのはオークだろ!」

 とつかみ合いでもみ合う。さすがに呆れて静観しているクボチーとまゆたん。

京子「モリモン! ちゃんと頼めばいいでしょ!」

 と2人を引きはがそうとする京子。

モリモン「その呼び方やめろっつってんだろ!」

 と京子に。その剣幕に目を丸くする京子。

アバ女A「なあケンカ?」

アバ女A「楽しそうじゃん」

 と後ろから声がかかる。

モリモン「アアンッ?」

 と睨みつけるように振り返る。

■大

アバ女B「あっ?」

 リーダーであるアバ女Aを中心に。アバ女の黒セーラーを着たギャルたちが凄んでいる。10人くらい。

モリモン「!?」

 ビビるモリモン。



●11

アバ女A「アアンじゃねえだろバカ」「オマエは虫かよ」

(バシッ)

モリモン「痛ッ」

 といきなり頭を平手で叩く。

京子{……アバ女}

まゆたん・クボチー{ヤバババ!}

 とビビリあがる。

アバ女B「すごいドル箱積んでるねー、ウチらにもメダル分けてよ」

 とドル箱を見ながらクリ子に凄む。ビビりながらも無言で睨みつけるクリ子。

モリモン「……なにあんたたち」「関係ないっしょ」

 と涙ぐみながら強がって睨む。

まゆたん「ちょまっ」

クボチー「森っちヤバいって」

 と慌てて止めようとする。

アバ女B「なにツッパってんだブス」「おまアバ女ナメてんのかよ」

 とモリモンに顔を近づける。

 恐怖で固まって動けないモリモンを囲むアバ女家政科軍団。

アバ女B「あやまれよブス」

アバ女C「ナニこいつ黒ェー、ウケる」

アバ女D「この焼き方そうとう気合い入ってますよ?」

アバ女E「あやまれっつってんだろ!? なんか言えよ黒ギャルセンパイ」


●12

モリモン「……スイマセンでした」

 とうつむいて泣きそうになりながら小さい声で謝る。

アバ女C「はあ? 声ちぃせえよ」

 と顔を覗き込む。

 モリモンを嬲るように髪を触ったり、肩を押したりしながら嘲笑う。

アバ女B「オラ、黒ギャル、お前AVかよブス、コラ」

アバ女C「ちげえよ、こいつダークエルフだろ」

アバ女D「ダークエルフの姫騎士だ」

アバ女A「ウケる「くっ、殺せ」とか言いそう」

 そのやり取りを見てる京子とクリ子、何か言いたげだがちょっと震えている。

アバ女C「ダークエルフ狩るとなんかの鎧の素材になんの?」

アバ女B「そんじゃコロすかオイー?」

 とモリモンの髪を掴んで引っ張る。

モリモン「やっ、いたっ、やめて…」

 まゆたん、クボチーが下を向く隣で、京子とクリ子が毅然と立ち向かう。

京子「はなしてよ!」

クリ子「もう謝ったじゃん!」

アバ女A「ウケる」

 と顔をゆがめて笑う。


●13

アバ女A「んじゃメダル全部よこせよ」

 とドル箱に向かおうとする。

クリ子「ヤダ!」

 と手を広げて立ちはだかる。

京子「やーめーろー!」

 とモリモンの髪をひっぱるアバ女Bを引きはがそうとする。

アバ女B「お前さっきっからウゼーんだ」

 と京子のほうを振り返る

アバ女B「よ」

 突然アバ女Bの視界いっぱいに京子のシマパンが迫る。

アバ女B「お?」

 京子、飛びついてアバ女Bの頭を太ももで挟むように肩に乗る。

 そこからひねって肩車体勢になろうととする予備動作。

(すとっ)

(ぐいっ)

アバ女B「お?」

 ぐるんと世界が回転することに呆気にとられる。

アバ女B「おおっ!?」

(ぐるん ビシッ!)

 となにがなんだかわからないうちに見事に回転エビ固めが決まる。

 パンツ丸出しのアバ女B。かわいいバックプリント。

クリ子「ワン!」「ツー!」

(ザッ)(バン バン)

 と滑り込んでカウントを取る。

https://www.youtube.com/watch?v=tqbUTTjr-pY

 入り方と極まったときのフォールとられてる方の頭の位置が違いますが、最後の体勢はこんな感じです。

 アバ女Bの頭の位置は京子の股間の前に後ろ頭が当たるように、顎が自分の胸にグッとくっつくように首が前に折れ曲げられてます。肩車した形から京子の下半身とアバ女Bの頭と肩と腕の接触のしかたはほとんど変わってません。

 似たようなモーションの技、かける側の身体の向きが逆のパターンです。↓

https://www.youtube.com/watch?v=U9daw57pLHQ



●14

アバ女B「だあっ」

 とツッコむように京子のフォールを返す。パンツ丸見えで顔真っ赤。

京子「わ」

 ひっくり返される。

 クリ子も「スリー!」と言いかけて「ス…」と残念そうにスカしてズッコけるように仰向けにひっくりかえる。

アバ女B「フザケンナーッ!」「ナニ飛びつき捻り高角度前方回転エビ固めカマしてくれてんだコラァ!!」

 と恥ずかしさで火を噴きそうで調子がくるって怒る。殴りかかるような勢いで立ち上がる。

 後でアバ女の後輩が「センパイ、パンツかわいい…」とか萌えてる。

 スッポンの足もと。くるぶしまでのロングスカートの裾からのぞく素足にスニーカー。

(ザッ)

スッポン「今のはスリーカウント入ってたんじゃない?」

アバ女B「アアッ?」「2.9だコラァ!!」

 とその声に振り返る。



●15

■大

スッポン「京子とクリ子じゃん」

 スッポン登場。

(ザシャアッ)

 車田漫画っぽく煽りで。

アバ女A「うっ、保育科の杉本……」

 動揺するアバ女。

京子「スッポン!」

クリ子「スッポン助けて!」

スッポン「センパイ、このコら私の友達っス」

 とアバ女Aに近寄る。

スッポン「お願いですからイジメんでくださいよ」

 と顔を近づけて凄む。


●16

アバ女A「……杉本ぉ~」「保育科の二年が家政科の三年に指図すんのかヨ?」

スッポン「頭下げてんスよ、センパイ」

アバ女A「だ、誰もがテメーにビビってるなんて思い上がってんじゃねえぞ……」

スッポン「ハァ?」「それって私が怖くないってことスカ?」

アバ女A「うっ…」

アバ女B「ブスがシャシャってんじゃねえよ!」

 と横からシャシャり出てスッポンの肩を掴む。

■大

(ゴツッ)

 とスッポン、アバ女Bの襟をつかんで頭突き。アバ女Bの顔にスッポンの額がめり込む。

■大

(!?)

 驚くアバ女一同。

(がくっ)

 と膝をつくアバ女B。鼻血がぼたぼたっと落ちる。


●17

■大

スッポン「「ブス」って一回言うたびに魂のステージが下がるんだよ」

 と見くだして啖呵を切る。

スッポン「……で?」「私が怖くないんスね?」

 と再びアバ女Aの顔を覗き込む。

アバ女A「……いや、ちょ、あの……」

 と目を泳がせて狼狽える。

 後にいる他の家政科のアバ女も視線を落としてビビり上がる。

 アバ女Bが手をついて上体を起こす。

アバ女B「……ま、…てよ…」

■小

 京子がハッと息をのむ。

アバ女B「こンのブス~~……!」

(パチンッ)

 と膝をついたまま垂れた髪の隙間から怒りの目をのぞかせて、折り畳みナイプを開く。

スッポン「根性あんのはわかったけど」「あんた、また魂のステージが一つ下がったよ」

 と冷ややかに笑うスッポン。


●18

セクシー「セクシーカッター!」

(バシっ)

アバ女B「だっ」

 と突然セクシーの手刀がアバ女Bのナイフを持つ手を叩き落とす。

 手から落ちるナイフ。

■小

(かんっ)

(からからからーっ)

 フロアに落ちて滑るナイフ。

■小

ボウヤ「おっとー、あぶねー」

 と拾うボウヤ。

■大

 セクシー登場。ワイドショットの構え。

京子「セクシー!」

アバ女B「うっ」

 と打たれた手首をさすりながらセクシーを見上げてひるむ。

 セクシーのメガネの奥が見えない。なんか電磁波出してる雰囲気。

アバ女A{こいつ……}

 焦り顔。

<「こいつはヤバい……!」>

<セクシーを見た瞬間、アバ女の荒波に揉まれた彼女たちは独特の嗅覚でそれを察知し、一斉に警報が鳴りはじめた>


●19

 モリモンが泣いているのをアゴでしゃくりつつ、

セクシー「……森さんが泣いてるけど? ケンカ?」

 とアバ女Aを見て目を細める。

(ぎくり)

 となるアバ女A。

<セクシーの鋭い眼力は一瞬にして敵のリーダーを見抜き、すぐさま狙い撃ちを暗示した威嚇へと移る>

セクシー「ケンカすると痛いし怪我するからヤダなあ」

(ちゃり)

 とドル箱からメダルを掴みながらちらりとアバ女Aを見る。

 チラッとスッポンのほうを見るアバ女A。背後にアバ女軍団。みんな内心狼狽えている。

 しれっと薄笑いを浮かべているスッポン。怖い。

アバ女A「あ~あ、バイブス下がった」

 とシラケたように装って。

アバ女A「みんな行くよ」

 とプイっと引き上げるアバ女A。その後をついていくアバ女軍団はふりかえりつつ。


●20

クリ子「スッポン、さすがー」「頭突きして痛くね?」

 とスッポンに。

 自分の額をなでるスッポン。ん? そうかな? みたいな。

セクシー「あのアバ女の子、誰?」

ボウヤ「スッポン」「小学校からの友達」

 泣いてるモリモンを京子がなぐさめる。

京子「モリモン大丈夫?」

まゆたん「わー、森っち~」

クボチー「こ、怖かったよ~」

 モリモンにかけよる二人。

スッポン「え、あれモリモンなの? 顔違うんだけど」

 とモリモンの方を見る。

クリ子「アイメイク盛り×2だし」

スッポン「つーか京子、ハラへったわ」

スッポン「ひさしぶりに忍の料理食べたいんだけど」

京子「え?」

忍「え?」

忍(呼んだ?)

 虫の知らせ? ズべ公軍団襲来の予感にピンとくる忍。


(つづく!)

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