第2話
会場が騒然となっている。主賓客として出席していた国王陛下や大臣達は、慌てて医師を呼んだ。
だが、既に事切れていると診断された。
慌てて駆けつけた次兄が私を揺すった。
「セレンティア…しっかりしろ」
揺さぶり続けるので、私の頭は斯々ともげそうな程揺れていた。
《やめてーお兄様!頭がもげるから~》
ここでネタばらしをしよう。私は、実は死んでいない。『仮死』になっているだけで意識はある。痛みは感じないが目を閉じていても周りを見ることは出来る。何故なら、幽体離脱状態だから。
そんな訳で、私の体は王宮の霊安室に入れられた。
さて、此からが本番よ。私を冤罪で貶めた馬鹿共をとっち目てやるんだから。
《ふふっ、楽しみだわ》
「程々にね、セレンティア」
《えっ、私が見えるの~~~》
「うん、見えてるよ。残念ながら僕は霊感体質なんだ」
《霊感体質?》
「そう、人には見えない幽鬼が見えるんだよね。だから、僕は避けられている」
そう、呟くのは第三王子ラインハルト殿下だった。
《じゃあ、私の此からのする事は、黙ってて貰っても構いません?》
「いいけど、余り酷い事はしないでね。特に国が混乱する様な事はね。僕からの警告だよ」
《了解です。後フォローも宜しくお願いします》
「君、何気に人使い荒いね。まだよく知らない相手に次々と頼むなんて呆れるよ」
《使えるものは親でも使えって言うでしょう》
「全く逞しいね。まあいいけど、退屈しのぎにはなりそうだしね」
私は、内緒の協力者を得て、最初のターゲットに接近する事にした。
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