第7話 毬恵の想い

ある日の事。


雄と二人で出かけた別れた際の事だった。



「ごめん…雄…このまま付き合ってても友達以上にならない気がする…」


「うん、そんな気がしていたから。俺も、今日、言うつもりだったし」


「そうだったんだ…本当…ごめんね…」


「大丈夫。確かに、郁海ちゃんの事は好きだったんだけど、時々、このままで良いのかな?って思った時もあってズルズルだったかもしれない」



私達は付き合っていっていたものの恋愛に進展する事が出来ず友達としてやっていく事にした。




数日後。



「郁海…私……劉騎君の事……好きかも……」

「えっ?劉騎?」

「うん……」

「じゃあ告白したら?」

「えっ!?む、無理だよ!」


「えっ?でも、好きかもしれないなら今の関係を続けてでもゆっくり付き合ってみたら?気持ちだけ伝えた所でバチは当たらないよ」


「でも…」


「私も雄に告白されたけど、お互い話し合った上で最近別れちゃったけど、お互い後悔はしてないよ。むしろ、良かったと思える」


「えっ?」


「だって、人間って人各々な訳でしょう?合う、合わないはある訳だし、付き合ってみなきゃ分からない事もあるし…うまくいけば永く続く訳だし。自分達の人生なんだから後悔しないように楽しもう!」


「郁海…」

「ねっ!」

「ありがとう…郁海!」



その日の学校帰り、私達は⚪⚪第一高校に寄る。


毬恵は劉騎を連れて行き、私は先に帰る事を告げた。


帰り道、遠回りをしようと、私は以前の屋敷の前に来てはぼんやりとしていた。



「あの男の子…今頃、何処で何してるんだろう?何処か…会いたいって思っているのかな…?」



私は屋敷を後に帰る。





~ 劉騎 side ~



「…郁海…?」



屋敷の前から去る郁海の後ろ姿を見掛けた。




「…………」



「…佐久間…郁海…か…」





次の日。



「おはよう!郁海」と、毬恵。

「あっ!おはよう」

「昨日…フラれちゃった…」

「えっ!?」

「好きな人いるって」


「嘘!?同じ学校にでもいたのかな?ごめんね……余計なお世話だったかな?」


「ううん!大丈夫!知らなかったら、ずっと想い寄せてたから早く気付く事出来て逆に良かったと思う」


「そっか……本当…ごめんね……毬恵……」


「ううん!」




私達は話題を変え、他の話をしていた。
















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