2020 Season:Winter
Episode.4-0 プロローグ
冬。
生命が耐え忍ぶ季節。
ずっと俺じゃない誰かを目指してきた。
誰かの願う姿に、皆が望む姿になろうとした。
そうすれば、それがいつか価値となって自分の糧となるからと。
そう信じて、耐え忍んできた。
冬が終われば春が来て、生命たちが芽吹き、忍耐から解放されるのだと、皆は言う。
ならば、その春はいつ来るのだろうか。
閉じ込め続けた何かが叫ぶ。
殺し続けた何かが嘆く。
――苦しい。いつまで待てばいいの?
――息ができない。いつまでこのままなの?
――辛い。いつまで……
その声も全て沈めて、今日も俺は笑う。
みんなが望む俺になるために。
たとえ、心が粉々に砕けようとも。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます