セイカちゃん拐われ過ぎじゃね?(コン側の様子 その二)

コン視点



オレはモンスターに聞いた事をレイガ様達に話していたその時、上から何かが飛んで来た。


“バサバサ”

「何だ?逆行で見えない!」

「ホゥ、ホゥ」

「え、、、虹羽フクロウ?」

「ホゥ!<そうだ!>」

「え!僕が見た時はもっと大きかったよ!」

「それはあとで説明するよ。今はセイカちゃんの事を聞いてみるから」

「うん、ごめん。頼むよ、コンくん」

「セイカちゃんは?君が拐った女の子は何処?」

「ホゥホゥ~、、、<お前はあの子と似た気配がする。それに、あの子の匂いが微かにする>」

「オレ達はその子の友達で、その子を探してここに来たんだ!」

「ホゥホゥ、ホゥ<嘘ではないみたいだな。分かった、話そう>」


虹羽フクロウの話を聞くと、この近くに住んでいる人間達がセイカちゃんを近くの町まで送って行ったそうだ。

ちなみに、何でセイカちゃんを拐ったかも聞いて納得した。

セイカちゃんは気にしてないだろうからオレ達もそれを問題にする事はなかった。

(セイカちゃんを町まで送った人達に聞いた方が良いか)


オレ達はこの近くに人が住んで居そうな所を探して小屋を見つけた。

その小屋の近くの畑に人が集まっていた。

みんなで行くと警戒されるだろうから、オレだけで行って話を聞く事になった。


「すみません。聞きたい事があるんですが」

「、、、、誰だい?」

「オレはコンです。オレ達は居なくなった友達の吟遊科の女の子を探して居る所なんです。名前はセイカっていいます」

「、、、その子なら、近くの町まで送って行ったよ。本当は学園まで送ってあげたかったけどね」

「セイカちゃん自身が断ったんですね?あなた方の生活を思って。セイカちゃん、性格も行動もカッコいいから」

「そうだよ、あの子は本当にカッコいい子だね。歌声とかは綺麗なのに」

「歌声?セイカちゃん、歌を唄ったんですか?恥ずかしいから人前で歌を唄うのは嫌だって言ってたセイカちゃんが?」

「そういえば、そんな事を言ってたね。いつもは横笛を吹いてるけど、今は緊急事態だから歌を唄ってるって」

「緊急事態?」


ここで一番偉いのだろう女の人に話を聞いているとセイカちゃんは一度この人達にも誘拐されたらしい。

セイカちゃんには、町で会った男に悪いモノを貰ってしまったんだろうと言われたみたいだ。

そのせいか、畑が酷い状態だったらしい。

それを見たセイカちゃんが畑の為に歌を唄ってくれたみたいだ。

そのあと直ぐに町に向かったから気づかなかったが、小屋に帰って来ると畑の野菜達が元気になっているだけではなく、今までで一番上質なモノに育っていたらしい。

(セイカちゃんは悪性を浄化したみたいだな。まぁ、野菜達の質が良くなったのはセイカちゃんの歌声のおかげだろうけどね)


吟遊科または吟遊詩人の織り成す歌声や演奏する楽器の音には魔力を刺激する力があるらしい。

なので、その音に魔力をのせれば相手を混乱させたり、混乱した者を治したりする事が出来るのだ。

この世界には魔力がないモノは存在しないので、オレ達の作る音はこの世界の何かに影響をおよぼしているのだ。

なにが言いたいのかというと、セイカちゃんの歌声は畑の持っている魔力を刺激してしまいその結果、畑の魔力が綺麗になりそこで育てていた野菜達の質を上げてしまったのだ。

(まぁ、良いことなんだけどね。たまにその事に気づいた奴とかに狙われたりしなければもっと良いんだけどな~)


とりあえず、レイガ様達にあの人達がセイカちゃんを近くの町に送ったらしい事を伝えた。

するとレイガ様は近くの町に向かいセイカちゃんを追いかけると言ったので町に向かった。

かなりの速さで空を飛んで二時間で町に着いた。

(、、、、あれ?普通は歩いて1日くらいかかるはずだよね?、、、あれ?早くね?)


このあと、町や町の近くでセイカちゃんの事を聞いたり、悪性が濃かったので悪性の事も調べた。

この世界では今、悪性が色々問題になっているので、悪性の事を学園で習う事になった。

なので、みんな悪性の事は知っているのだ。

、、、何故、悪性が濃かったと分かったのか?

また吟遊詩人の話になるが、吟遊科または吟遊詩人は悪性を見る事は出来ないが、何故か感じ取る事が出来るのだ。


今は町を出て次の町に向かっている。

セイカちゃんらしき人が次の町に向かった事が分かったからだ。


「うわ!」

「え?」

「なんっ!」

「待っ!」


四人の慌てた声を聞いて振り向くと、四人が居た場所にゲートが発生していた。


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