15話 嘘つきの正体
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僕に特別な力があったのなら
こんな事にはならずに済んだのだろうか、
そんな事ばかり考えるんだ。
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男から“ルナ”と呼ばれるその少女はそっと天空を見上げる。すると今まで降り注いでいた聖水の雨が止んだ。
視線を空からゆっくりと男へ戻すと、少女は何も言わずにどこかへ消えていった。
天空からは再び聖水の雨が降り注ぎ、それはまるで
湖の前に一人残された男は力なく、どこか儚げに天を見上げると目が眩むほどの眩い光に思わず顔を背け、しばらくその場から動けずにいた。
どのくらい経っただろうか。
天空の樹木は眠りにつき、聖水の雨は深い霧へと変わっていた。
地面が代わる代わるに青い光を放っている。
湖も、花々も木々もゆっくりと点滅を繰り返し幻想的な世界を創り出していた。
男の横顔も青い光に照らされながら、瞳には違う景色を浮かべていた。
そしてそのまま瞳を閉じると何かを覚悟するかのように左耳のピアスに触れた。
「さぁ、始めようか。
俺が終わらせる。」
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