ゲイバー『アンロック』 4

 黎智が退店してからカウンター席に戻った純二と玄理は、一人で呑んでいた貴樹と再び合流した。

「お疲れ。まとまったみたいで良かったね」

 様子を見ていた貴樹が、戻ってきた二人に労いの言葉をかける。

「もう玄ちゃんが紳士過ぎて惚れ惚れしちゃったわ」

「はは、何それ」

 苦笑する玄理は残っていた気の抜けたビールを喉に流し込んだ。

「一杯おごるわよ」

「いや。今日は長居するつもりなかったから、今度おごって」

 帰り支度を始めた玄理に、貴樹が「帰るの?」と訊ねる。

「うん、明日早いから」

 支払いを済ませると、玄理は席から腰を上げた。

「玄ちゃん。結ちゃんのことよろしくね」

「任せといて」

 手を振った玄理はそのまま店を後にした。


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