第31話

(ここは……? 痛っ……)

 

 肩が痛む。痛みで思い出す。あの日、何が、あったかを。


(そうだ、私、刺されたんだ……。……?)

 

 右手に、優しい温もりを感じた私は、手元の方を見る。

 そこには私の手を握ったまま、寝ている、蓮の姿があった。

 蓮は一体、いつから、こうして居たのだろう。

 私は、どれくらいの期間、眠ってしまっていたのだろう。

 ずいぶんと長い間、眠ってしっまっていたような気がする。

 その間、ずっと、蓮はそばに居てくれたのだろうか?

 想像しただけで、心が暖かくなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る