第30話
「な、何で!? 何で、あんたが飛び出てくるのよっ。何で……。はぁ、はぁ、はぁ。あたしのせいじゃ無いからね。勝手に飛び出してきた、あんたが悪いんだからね」
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
いきなり、目の前に莉菜が現れて、そして、次の瞬間にはもたれかかってきて、今、俺の肩には、生温い、感触。
「嘘……だろ……おい……。嘘だよなっ。莉菜!……。莉菜!」
「れ、ん。けが……してない?」
今にも消え入りそうな声でそんな、ふざけた事を聞いてくる。
「なに、こんな時に他人の心配してんだ! 自分の心配しろっ」
俺は、莉菜を抱きかかえる。
「れんが……ぶじなら……良か……た………………」
「おい……おい?……しっかりしろって……。頼むから、おい……。頼むから!」
「速報です。先ほど、午後8時頃。東京都○○区の公園で女性が刺さされたと、警察に通報がありました。
警察によりますと、女性は肩部を深く刺され、意識不明の重体。
その後、病院へ搬送され、緊急手術が行われたものの、現在も意識は戻ってないとの事です。
現場にはアイドルグループ。キッド・ファクターのメンバー『須屋 蓮』さんも居合わせており。
警察の発表によりますと、須屋さんのファンによる犯行の可能性が高いとしてします。」
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