第2話
部屋についてから、猛烈な後悔の海に沈み死にそうな気分でいた。
なんで逃げたんだ、逃げなくても良かったのに。
一瞬だけみえた彼女のお母さんは凄く優しそうで綺麗だった。
オレのお袋はどんな人だったんだろう?
思い出そうとしてもよく思い出せない。
荒れ狂う親父から逃げ周っているうちに気づいたらはぐれていた。気づいたら施設、というときも何故か俺だけだった。
無事って分かればさ、落ち着くと思うんだけど、な。
普通だったら挨拶くらいするよな?
……とりあえず、謝るか
頭をポリポリとかきながら1人で納得する。
いつもなら、人に対してここまで悩んだりしたことがなかったことに全く気付いてなかった。ヒナタにだけは何故か嫌われたくないという気持ちが小さく芽生えたことにさえ気付かずにいた。無性に気になる存在に半ば苛立ちを感じていた。
しかし
『寝る!』
誰に宣言するでなく一言発して横になる。
ウルサイ、とでもいうかのように壁を数回叩かれる。
数分後、静かに夢の世界へと落ちて行った。
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