初詣と偶然の出会い 10ヶ月目

年が明けて1月1日、私と雄貴、優芽、村下くんの4人で集まっていた。


集まっている理由は遡ること少し前、年末のことである。

私達4人はLINEのグループで話していた。



優芽:『もう1年終わりかぁー!ほんと、あっという間だね』


透真:『確かにな、一日36時間にして欲しいくらい早い』


優芽:『36時間あったら18時間くらい寝れるのに…』


夏美:『いや、それ結局起きて活動してる時間はほぼ変わらないじゃん!』


透真:『でも、正月が待ち遠しいなぁ…家でゆっくりゴロゴロしてたい』


優芽:『あんたは部活入ってないんだからいつでもゆっくりできるでしょ!

……あ!いいこと思いついた!この4人で初詣行かない?』


雄貴:『初詣?いつも1人で行ってるけど……』


夏美:『私はいいよ!友達と行くのって楽しそう!』


透真:『俺も時間空いてるしいいよ』


優芽:『じゃあ決まりだね!』



ということがあり、近所の神社に集まっていた。


「さっむーい!もう少し着込んでこればよかった」

「そりゃそうだよ、今日ちょっと暖かくなるとは言ってたけどまだ1月だもん」

そう言って優芽にマフラーを貸してあげた。


有名な神社ではないが、初詣となるとやはり人がそれなりにいた。

お参りをするために列に並ぶ、財布から五円玉を取り出そうとしたが運が悪いことに入って無かった。

ご縁がありますようにという語呂合わせからお賽銭に五円玉を入れるのが一般的なので、どうしようと思っていると、横にいた雄貴が五円玉を差し出してくれた。


「こんなこともあろうかと2枚持ってきてたから使っていいよ」


「ありがとう!」


順番が回ってきてお参りを済まし、優芽と村下くんがお参りが終わるのを待った。


「さて、お参りも終わった事だし…あれ、やりますか……」


「あれ、だな!」


優芽と村下くんはやけに気合が入っているが、何かわからなかった。


そんな2人について行き、場所に着くとやっと目的が分かった。


「なるほど、確かにこれは欠かせないね!」


「そう、これで1年の運が決まると言っても過言ではない……おみくじ!」


1人ずつ引き、4人で一斉に見ることにした。

そして、優芽が掛け声を言う。

「じゃあいくよ、いっせーのーで!」


掛け声と共に表を向けると……


「吉…なんとも言えない結果だなぁ」

良くも悪くもない微妙な結果だった。


「私は中吉だったよ!」


「おー!優芽、割といいじゃん!」


盛り上がっていると雄貴と村下くんがいないのに気づいた。


周りを見ると、少し離れたところに2人ともいた。

でも、少しどんよりしているような気がする。


「2人はどうだった?」

近づいて聞いてみる。


「俺は良かったんだけど、山之上が……」

村下くんが少し気まずそうに言った。


ふと、2人が手に持っているくじを見ると、村下くんの紙には【大吉】と書かれていた。

それを見て、おめでたいなぁーと思う。

次に雄貴の方を見ると……

【大凶】…………そう書かれていた。


「おみくじなんだから別に気にしなくてもいいよ!」


「そうそう!結局は雄貴の行動次第だから大丈夫だよ!」


優芽と私はすかさずフォローする。


「そうだね、ちょっと結んでくる」

そうは言ったが、結びに行く背中には哀愁が漂っているいうな気がした……………




雄貴が結び終わると神社を出て、少し話す。


「思ったよりすぐ終わったねー今からどうする?」

優芽がみんなに聞いた。


「俺はゆっくりしたいから帰る、遅くまで起きてたから眠たいんだよね」


「じゃあ私も帰ろうかな。バイバイー!お2人さんはご自由にどうぞー」


少し冷やかすように言って帰って行った。


「夏美はこれから時間ある?」


「えっ?時間?全然あるけどどうしたの?」


「なら、一緒に行きたいところあるんだけど来てくれない?」


「行きたいところ?どこに行くの?」


「うーん、それは行ってからの秘密……かな」

少し笑いかけながら私に言うと、歩き出した。

私は雄貴に付いていく、どうやら駅の方に向かっているようだ。





正月にどこに行くんだろう?と疑問に思いながらもそのまま付いていった。


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