第4話

「ねえねえ」と彼女は話かけてくる。私達はすでに着替え終わり、二人はなんと反応したらいいのかわからず、私はなんとなくさっぱりした物が食べたいと伝えた。仕方がないいよね、奴隷として売られ、目の前で痛い思いしてきた人たちを見てきたのじ自分の買い主はこんなにも普通の家族のように接して来られたら逆に怖い。私だって…


「コレは将来期待できそうな”バベルの塔”ですな」


とアイナが男の子の方を見て言っている。あんたどこ見て言ってるんねん。


「ズボンの上からもわかる…コレはミーナが喜びそうだ」


本当にどこ見て言っているのか気にしないようにしよう。確かに全員同じ部屋で着替えていたがそんな服の上からまじまじ見てフムフムと言っている方が怖いわ。


「で、何食べたい?」


と彼女は男の子と女の子に話を聞く。そして女の子はちょっと引き気味で美味しければ何でもいいと答え、男の子はお腹いっぱい食べれればいいと答える。


「じゃあ、さっぱりしていてお腹いっぱい食べれて美味しいところ…高級レストランかな?ここ内陸だから…うーんそうだね、あそこでいいか」


と私達の要望を聞いてなにか思い当たる店でもあったようだ。


「じゃあ行くよ!」


と彼女が右手をグーで掲げながら部屋を出ていく。私達は黙ってそれに従う。


十分ほど宿を出て歩くと彼女はここだよと言って少し重そうな扉を開けて入っていく。この建物自体は周りの木造建築の建物と大差ない。釘などで板を貼り付けたりする方式の建築だ。彼女の後に続き私達も店の中に入っていく。彼女は私達が全員入るまで扉が閉まらないよう抑えていてくれた。建物の中に入れば奴隷の私達が入っていいのか不安になるようなお店だった。入り口横には奴隷待機室なる牢屋まであった。


「いらっしゃいませ、何名様でしょうか」


接客の狐耳の女性の人はそれを言うと軽く頭を下げてくる。


「四人だよ」


「かしこまりました。奴隷をお連れの場合はあちらにお入れ下さい」


そう、私達は人数としてカウントは普通されない。でも彼女は普通に人数としてカウントしている。コレでさっきまで来ていた奴隷服のままであったら確実にあの牢屋の中だろう。まあ、一部の物好きは常に自分の周りに美少奴隷女侍らせたりさせてリるのも居るから、そういうのはどうなのだろうか。ただ、全体的に奴隷の待遇が悪いわけでもなく所有者がモノ扱いしていなければ基本普通の人扱いされる。宿もそうだ。奴隷として扱われるのであれば、外の物置に入れられる場所があの宿にもある。が、彼女は普通に私達と相部屋にした。だから、私達の待遇は基本持ち主次第と言うことだ。


「行くよ」


彼女は上機嫌で店員に案内された席に着く。それに続くように私達も席に座る。そして本当に要望とおなじような内容のレシピを目にする。建っだし、どれも肉だ。わずかに川魚物があるがどれも値段が倍以上になる。あまりにも内陸過ぎて魚系は希少なのだ。後は魔獣・魔物系とモンスター系の肉。コレは討伐難易度と個体の平均サイズで値段が変わってくるのでなんとも言えないが、討伐がBを超えると正直6千マフを一皿で超えるものもある。絶対私達が頼んでいいようなものでは…


「決まった?」


私達は当然まだですとしか言えない。


「アイナさんは何を頼むのですか?」


「グアンテアミスプの味噌煮セットかなー」


なんと一食3万マフするのを注文するそうです。

討伐ランクAであり、出現率が少ないグアンテアミスプは基本魔力が溜まって湧き出ることが多い個体で、六本足の巨大な体でカバのような見た目をし、普通は最低でも魔石を2つ魔石を取り出すのが表面の皮膚の硬さゆえに難しい魔物。

討伐できたとしてもなかなか魔石が取り出せず、その前に消滅してしまうことが多いため、余計に値段が跳ね上がる大型巨体で、複数の魔石の持ち主をなんとなくで注文しようとしている彼女はとてもお金持ちだと感じました。


「あ、あの特大ハンバーグセットとプチハンバーグ頼んでもいいですか?」


「いいよ」


と男の子の方が食べたいものをあっさりと笑顔許可をする。


「私は川魚の集いのさっぱり風味でお願いします」


「わ、私もそれで」


私ともう一人の女の子はおんなじ物をとなった。そう言えば、服を買った後文字読めないとか言っていた気がする。


「じゃあ、頼むね」


といって彼女は接客の子を呼び注文をする。もちろん金額はその場払いだ。


十分程で私達の料理が、更に五分ほどで彼女と男の子の料理が届く。私達は遠慮しないで先食べて良いと言われたので黙って先に食べていた。その間。ずっと彼女が目を目を輝かせながら私達を見ていたのは正直怖かった。


食べ終われば私達は久々の食事に大きな満足感を抱いていた。正直奴隷になってしまった時点でまともな食事を食べられる可能性は殆どなかったからだ。


「美味しかった?」


彼女の問に私達は肯定する。


「遠慮はしなくていいんだよ?あなた達は奴隷であっても奴隷では無いのだから。奴隷でない人たちとおなじなんだから」


といって私達の頭をナデナデしてくる。


その後私達は宿に戻り体を部屋備え付けのシャワールームで洗い流し、部屋に戻る。馬車での移動中は基本奴隷商を出るときに渡された古着を濡らして体を拭くか、小川で軽く体を流すぐらいしかしていない。なので牢屋に入っていた後、体を洗われた以来しっかりと体を洗った。


「今まで聞かなかったけど、名前どうしたい?」


彼女はニコニコと私達に聞いてくる。奴隷は店頭に並べられる前にかならず名前を忘却させられる。それが奴隷契約の基礎となっている。ただそれも持ち主次第で契約を少しいじれば名前を思い出すこともできる。


「名前思い出したい?」


彼女はベット胡座を書いて座っている。そして両手を後ろにして体を支え、頭を左右にフリフリしながら質問してくる。もうここまで来るとかなりフランクに接してしまうようになっている。


「私は適当に名前付けてもらっていいですよ。私の場合は家族も知人も全員殺されてると思うので」


「え?あ…そう。じゃあ取り敢えず名前は保留でいい?」


「いいですよ」


というと彼女はどうしたらいいのかなーという顔で斜め上を眺めて居る。そしてすぐに考えるのをやめたのか残り二人にも同じ質問をする。しかし二人も名前は思い出さなくて良いとのことで保留になった。ちなみに彼女には一応私を呼ぶときはアイナさんと呼ぶようにと言われた。なんでも一応かなりの役職持っているから形だけは大切にとの事だ。


「じゃあおやすみ。明日は一緒に朝食食べようね!」


と言って彼女は魔法でアイテムを持ち歩いているのだろう、赤紫色の裂け目を指先でクルっとやったところに作り出し、毛布を取り出して即睡眠してしまった。私達はそんな彼女を見届けると起こさないように自分たちが結局選んだベットに入って寝ることにする。ちなみにアイナさんは入り口入って右手の一番下のベットだ。私はその斜め上。男の子が私の反対側となっていて私の下にもう一人の女の子がいる形だ。そして…


「や…り女の子は…生…一番…むふ」


斜め下にはおじさんのような事を言っている変人が居たのだった。



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朝、私達はアイナさんとご飯を食べて今後の旅の消耗品購入と称して大量の服とタオルをかわされた。私達女二人は完全に着せ替え人形にされていたが、男の子の方は力試しと称してどのぐらいなら安定して持てるのかを確認させられていた。ちなみにアイナさんの魔法のアイテム入れことアイテムボックスは服とかちょっとした小物なら入れられるとのこと。毛布が小物とは?となるがアイナさんいわく小物らしい。


結局買ったのは塩漬けや干し肉、ワイン。後は樽など。ワインは一樽購入してアイナさんがスっと持ち上げた。意外と力ある?そして私達は基本服を持ち、男の子が消耗品。これからまた馬車の旅が始まる。

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