第16話 始めてのカレー
室内はカレーの芳香に包まれていた
男性組には辛口
礼司と女性組には中辛
子供達三人にはカレーのお姫様
始めて食べる者は香りに釣られ口にする
「美味い!!」
「メチャメチャ旨いぞ!!」
「間違い無く天上の味じゃっ!!」
「生野菜も美味すぎる!!」
「何じゃコリャー!!」
全員話す事も忘れ喰い捲くった
護衛騎士達は最高五杯もお代わりをしていた
セバスチャンに訓練を付けて貰った者達だ
結構キツかった様でそりゃ腹も減るよな
アイガスト)「此れ程美味いとは
確かにヘンデルが申す通り天上の味じゃっ」
ヘンデル)「此れは売れます!」
アイ)「お主はそればかりじゃな
まあ〜確かに分かるが
まさか虫麦がこれ程美味いとは」
ヘン)「虫麦では無く米だよ
レイジ様が品種改良したらしい
まさに麦に変わる穀物だ!
銭の匂いがプンプンじゃっ!」
アイ)「お前ガキの頃よりも
輪を掛けてエゲツな〜〜」
礼司)「プッ!」
アイ)「女性陣はフルーツゼリーに夢中じゃ冬場にフルーツとは呆れるのう〜」
ヘン)「真冬に生野菜のサラダ
王宮でも此の野菜は無理かも知れん」
生野菜は地球でも高級品だった
物流が安定した現在だからこそ
今の価格なのだ
欧州では腐った野菜すらスープにしていた
大体山の上の国境線は物流の起点だったのだ
その流れで未だに国境線を挟み
売春婦達が多い地域も現存している
アイ)「先ず無理だろうな
野菜を揃えるだけでもキツいはずだ
それに此の黒いシュワシュワジュース
此れを是非持ち帰りたい
これは癖になる旨さじゃ」
礼司)「氷魔法を使える人は居ますか?」
アイ)「今回は居らんと云うか
氷魔法使い自体が居ないかも知れん」
礼司)「そうですか
ん〜何かアイデアは?………………
そうだクーラボックスだ!」
俺は車載するため幾つかの
クーラボックスを持っていた
勿論今回のキャンプにも使用していたのだ
それを十倍の数に複製すれば
コーラを持ち帰らせる事が可能になる
まあ冬場だから氷も溶け辛いだろう
とっ云う訳でカレーは大盛況だった
後は部屋割りだ
今は二階が6部屋しか空いて無い
申し訳ないが二人一部屋になる
風呂は大きめなので二人ずつ入っても大丈夫だ
全員に替えの下着にパジャマとバスタオル
そして歯磨きセットとタオルを渡した
後はセバスやカエデ達に風呂の使い方を説明して貰おう
風呂が終わったら大人の時間で
ワインでも出してやるか
勿論ワインも地球神様からの戴き物だ
今日はマルル達から文句を言われたけど
姫様と三人で寝て貰おう
俺は一人子供部屋の二段ベッドだ
風呂が終わりドローンゴーレム達が撮影してくれた大陸の動画を皆んなで見よう
皆んなで風光明媚な動画を見ていると
突然辺境伯が声を上げた
アイ)「ちょっ!ちょっ!ちょっと待ってくれ!大地が何故か丸く見えるのだが」
礼司)「エッ!
大地は丸いですよ」
アイ)「それだと滑って落ちるではないか」
礼司)「万有引力が働いているので
落ちる事は無いですよ
まあ〜此れを見て下さい」
俺はガデイア儀を出して見せた
礼司)「未だ中途半端で正確では無いですが途中経過のガデイア儀です
レンラキア大陸は概ね分かりましたが
他の大陸が未だあやふやなのです」
俺はガデイア儀を指差しながら
説明をした
礼司)「此処と此処が氷に埋もれた大陸で
北極大陸と南極大陸です
そして南半球の此の名も無きこの大陸には
人類が存在して無い様なのです
他にも大型の魔物や動物もいない様なのです
此の乾いた大地ですが
将来一大電気エネルギー産業の拠点になるかも知れません
そうなると莫大なお金を生み出す可能性が有ります」
アイ)「スマン
でんきえねるぎーとは何かね」
礼司)「昼間に見せた証拠動画の
パッドを動かす力の事です」
アイ)「将来でんきなんだかが
力の源になると云う事かね?」
礼司)「そうですね
たぶん魔素、電気、重水、原子力等が主要な力になって来ると思います」
原子力は放射性物質が殆ど出ないタイプを想定、詰りプルトニウムが出来無い核エネルギーで武器転用が出来無い物になる
アイ)「良く分からんが
それだけ変化し
時代は動いてると云う事だな」
礼司)「そうですね
今の様な奴隷文化は早く終わらせ
新しい時代に対応して行くべきと考えます」
アイ)「そうだな
儂も犯罪奴隷以外は反対じゃ
しかし驚いた
大地が丸いとは夢にも思わなんだ」
礼司)「そのうち宇宙船を開発しよかと
その時は一緒に行きましょう」
アイ)「宇宙船?」
礼司)「空の上に有る別の世界の事です」
アイ)「ほう〜
それは楽しみに待つとしよう」
一方子供達の方はと云うと
遊び疲れたのか入浴後ベットに入り
既に眠ってしまった様子だ
礼司)「姫様は寝た様子です」
アイ)「有り難う
あんなにも楽しそうな顔は
久しぶりに見た気がする
いつもは未だ起きてるのだが
流石に今日は疲れたとみえる
しかし此のワインも美味いな〜」
ヘン)「これも売れます
マルちゃん達が持ってる絵本も販売に回して欲しいのですが」
礼司)「一気に販売品が増えると
ポーションや薬に死病対応の方が遅くなりますので
そちらの方は追々と云う事でお願いします」
マルル達には字を教えるために
大陸共通語の絵本を造り渡しておいたのだが
その絵本が余りに美しく感じたのか
卸しをお願いされていた
勿論絵本は地球神様からの戴き物だ
そして此方の世界に合わせ錬成した物だ
兎も角先にレベルを上げ
素材になる魔物を狩れる様になり
海に行かなければならない
神眼)『兎も角魔境に到着次第
ホワイトダンジョンを先に造り
工場を建て食糧増産は
魔物やゴーレム達にやらせましょう』
礼司)『そうだな
でもダンジョンコアの魔素吸収が
結構遅れてる気する』
神眼)『もっと早く
大魔境に着いていれば』
礼司)『まあ〜無い物ねだりしてもな〜
アレもコレもとなれば歩留まりが悪くなる可能性だって考えられるぞ
兎も角神眼が考えてくれた新たなスケジュールで対応して行こう』
創造神様にお願いしていた
金に困らないが早速機能してくれている様だが手に余るのはもっと困る
ホワイトダンジョンと云うのは
創造神様が新たに考えた
物を生産する為のダンジョンだ
勿論ダンジョン内には魔物も居るが
彼等にとって戦う事よりも
生産する方が喜びを感じる性質に変えて有るので攻撃性は無いし
見た目の恐ろしさも皆無らしい
他の皆んなはドローンゴーレム達が作った
DVDに夢中だ
実はこのDVDは観光用でレベルは下げてある
肝心要な部分は削除された物なのだ
本来は薬草や素材、古代魔導文明の遺跡探索が主たる任務なのだ
要は俺が金銭に困らない様に作られている
遺跡も地下深くに隠された部分が有る物に関しては削除されている
早く気儘なぶらり旅をしながら遺跡探索を満喫したいもんだな
――――――――――――――――――――――――――――――――――
今は未だ
礼司達の前に現れてはいないが
何れ異常なカレーマニアの保護者が
問題行動を………
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