第15話 マルル達と姫様
その後ライドニック辺境領を辞する時
北門近くに有る屑鉄屋の前に放置された大型の鉄の塊が目に入った
礼司)『あれって
若しかしてアレじゃ無いのか?』
神眼)『間違い無くアレは活版印刷機ですねまさか現物が手に入るとは』
屑鉄屋)「オッ!兄ちゃん眼が高いね!
今日運ばれて来た古代遺跡の払い下げ品だ
結構な量の鉄が取れるぜ
今だったらたったの銀貨二枚の2万エル(2万円)だ!」
礼司)「買ったー!!」
北門は人の出入りも少ないので地代も安い
然し其処は
俺の興味を引く物が大量に山積みされる
雑品屋達の集まる場所でも有る
クズ鉄屋も規模がデカいが
荒物市場の様な野晒しの店もデカい
それが幾つも軒を連ねている
大抵が遺跡から出土したガラクタばかりだが
素材として見れば安くて量が多いのだ
いつか纏めて一山幾らで買い取ってやろう
だが今は人目が有る
余り俺の収納の容量だけは
知られたくは無い
辺境伯達は移動の準備のため
暫し時間を要したが
俺も印刷機を買う事が出来
姫様も合流したので
プレハブに向かう事になった
辺境伯と姫様と護衛騎士ニ名
ヘンデルと護衛の鋼の牙五名
俺を入れ都合十名だ
残念ながら冒険者ギルマスのドストルは
犯罪者処理のため同伴する事が出来なかった
ドストルは犯人達に向い「厳しく取り調べを行なう!」と吠え
犯人達は縮み上がっていた
ヘン)「人数が増えましたな」
礼司)「大丈夫です
ダイニングとリビングを繋げます
今宵は医食同源のオークカレーにします」
門を出て暫く走った所で
俺は転移門を出す事にした
転移門を出す合図を送ると
辺境伯やヘンデル達も始めての経験に
少し緊張気味だ
今回は先ず80キロを一発で決める予定だ
礼司)「それでは行きまーす!!」
結果は
無事成功した
神眼)『始めての長距離
成功しましたね
何れもっと長い距離を一瞬で移動出来る様になりますから』
ヘンデル)「驚いた
あの距離を一瞬とは!」
アイガスト)「全くだ
戦が変わってしまう!」
礼司)「未だ練習中で
此の距離は始めてだったんです
少しだけ自信が持てました」
アイ)「それにしたって
凄い事なんだぞ
もう少し誇っても罰は当たらん」
俺達はプレハブの中に入ると
マルルとミルルが飛び付いて来た
礼司)「あっ!
マルル、ミルル
ただいま〜
先ずはお客様にご挨拶だぞ」
マル)「いらっしゃいませにゃ〜」
ミル)「いらっちゃい」
ミルルはまた俺の後ろに隠れてしまった
ヘン)「随分と元気になりましたな
見違えってしまい驚きました」
礼司)「マルル、ミルル
こちらは辺境伯様の姫様でアルミス様だよ
自分達の部屋で一緒に遊んでおいで」
マル)「お姫様ならお姫様ごっこにゃ〜!」
礼司)「それは好いな
アルちゃん人形も造ってあげるよ」
マル)「アルちゃん行こうにゃー!」
マルルがアルミスの手を引いて
強引に自分達の部屋に連れて行った
どうやらセバスが連絡を入れていたのか
ダイニングとリビングを繋げられており
テーブルも繋げて有った
礼司)「移動用ハウスなので
狭いので申し訳ない
俺は先にアルちゃん人形を造りますので
お茶でも楽しんでて下さい」
俺はリバーサイドに腰をおろし
収納から某有名メーカーのミカちゃん人形を召喚し錬成で改造を加えた
その状況に興味を示したのが
鋼の牙の二人の女性メンバーとヘンデルだった
女性メンバーの名前はメリサスとモニヘル
二人は魔道師と僧侶
僧侶は回復術師の上位版で
毒に対する治癒能力も有しているらしい
ヘンデルは此れも売れますと大喜び
女性陣二人が目から嫌嫌光線を出しながら見詰めていた
礼司)「何だ?
メリサスさんとモニヘルさんも欲しいの?」
二人は何度も首を縦に振った
礼司)「じゃっちょっと待ってて
アルちゃん人形を先に渡して来るから」
アルちゃんに人形を渡すとピョンピョン何度も飛び跳ねながら悲鳴を上げ大喜び
そして三人でお人形で大盛り上りだ
此の世界の子供達は
遊びに飢えてるのかも知れない
因みに人形は地球神様から送られて来た物を複製能力で大量に複製した着せ替え人形だ
席に戻るとメリサスとモニヘルさんの顔を見ながら錬成で改造を加え
二人に人形を渡すと大盛り上りで
マルル達の部屋へ雪崩れ込んで行った
男性組は口をあんぐりだったが
次に何かを求める様に俺の顔を見詰めて来た
礼司)「エッ!?
男性陣も人形が欲しいの?!」
男性陣は慌てて首を横に振ったので
そうでは無い様だ
俺は暫し考えリバーシを思い出し
収納内複製で幾つか出し遊び方を教えた
二三回対戦すると
簡単なので直ぐに覚え夢中で対戦が始まった
話し合いは一体どうするの?
礼司)『楽しそうなので
まあ〜好いか』
神眼)『そうですね』
女子組にはメロンクリームソーダ
男子組にはコーラを出してやった
ヘン)「此の黒いシュワ水も売れます!」
すかさず対戦相手のアイガストが
アイ)「早ようせい!」
室内は驚く程静かだ
皆さん真剣に対戦してらっしゃる
まあ〜夕食には少し早かったので
まあ〜好いか
神眼)『地球産の
お酒も色々届いておりますよ』
礼司)『随分と地球神様も気前が好いな』
神眼)『クエストを引き受けたのが
相当嬉しかった様です
兎も角他にも色々届いておりますよ』
礼司)『それじゃ
早くレベル上げして海に行かないとな
でもアノ高校生達には頼まないのか?』
神眼)『皇城に缶詰状態で
毎日戦闘訓練の様ですが
多分一番の原因は
能力不足だと思います』
礼司)『奴等も大変だな〜~』
とっ俺は俺を見捨てた連中を
気の毒だなと1ミリくらいしか思わなかった
神眼)『特に食事の質が悪く
ノイローゼ状態の生徒や保護者達も居る様です』
礼司)『あの時
生徒達に混じってた大人は保護者達なの?』
神眼)『そうですが?』
礼司)『だったら親子して
最悪な連中じゃん
異世界は日本人を捨てるゴミ捨て場だな』
神眼)『でも後方に居た人達は
真面な人達に見えましたけど?』
礼司)『ん〜俄に信じられない
でも神眼の見立てだからな
暫くは様子見だな』
神眼)『その方が宜しいかと
流石に全員が全員クズでは無いと思います』
礼司)『それじゃ
監視強化の方向で頼むよ』
神眼)『了解致しました』
外は6時を過ぎ真っ暗状態だ
そろそろ止めさせるか
礼司)「ハイッ!
そろそろ夕食の時間ですよ
テーブルの上を片付けて下さいね〜」
渋々とっいった感じで
全員が片付け始めた
相当楽しかったんだな
いつの間にかセバスチャンも引き込んでるし
アイ)「イヤーーー!
久しぶりに夢中になれた!
この白黒は面白いな〜~」
ヘン)「此れは売れます!」
アイ)「お前は相変わらず
売り物にしか興味が無いのか?」
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我儘ですが
星が星いと願う今日この頃です
しかしなんちゅうか
星をイッパイ貰える人達って正直凄いな
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