第17話 大魔境
◆異世界生活四日目◆
いよいよ今日は大魔境を目指し
旅立つ日だ
昨夜は皆さん飲み過ぎたのか
具合が悪そうだな
其処で俺は
低位のライフアップポーションを
飲ませる事にした
礼司)「ハイ!皆さん
二日酔いの人は此のポーションを飲んで下さい!」
昨夜ワインを飲みながらDVDを楽しんだ人達は全員が飲んだ
てっ云うか
皆さん飲み過ぎですから
アイ)「これは凄い!
具合が悪いのが一気に吹き飛んだ!」
ヘン)「こっ此れは売れます」
アイ)「あ〜ハイハイ」
朝食は軽めの物した
ハムエッグにサラダ
ご飯になめこ椀に白菜の浅漬
アイ)「始めて食べる物ばかりなのに
美味いな〜~
このスープが腹に入ると
何故か腹の具合いが元気になる気がする
野菜サラダまでドレッシングで
特上の料理に変わるし
これを毎日普通に食べれる様に
ヘンデルには頑張って
早く輸入して貰いたいもんだ」
ヘン)「中央帝国の砂入りパン
萎びた野菜
塩味だけの料理は流石に飽きました」
皆んながウンウンと頷く中
俺は質問をした
礼司)「砂入りパン?」
アイ)「そうなんだよ
特級の小麦粉ですら砂が混ざってるし
野菜は半分腐れた様な感じで」
礼司)「自分達で作付けしないのですか?」
アイ)「やってはいるが
干ばつや冷害で余り収穫が出来無いんだ
それに南の方では採れてるらしいが
中央帝国が規制を行なっているので
こちらに入荷する時は値段が跳ね上がっているんだよ
北部の国々は同じく辺境領を抱えているが
何処も貧しいんだ
ただ流民の流入も多く
満足な保護政策も打て無いでいるんだ
まあその分帝国にも皺寄せが有り
帝国も品質自体良くなく
値段も高くなっているんだ
ただ塩や胡椒等は腐らないので帝国を通らず
遠回りで輸入が出来ているので
帝国よりは安く輸入が出来ているのさ
皆んなが嫌う帝国と云う所かな」
礼司)「悪質な国ですね」
アイ)「中央帝国から南は
強固な奴隷制度が有るからどうしても流民達は北部に集中するんだ
彼等だって奴隷は嫌だからね
勿論砂入りの小麦粉の改善を要求してはいるが馬の耳に念仏状態で
だから礼司殿にはどうしても期待してしまうんだ」
礼司)「分かりました
ポーションと食糧を先ずは頑張ります」
アイ)「今日はこのまま
ヘンデルと王都に向かい
礼司殿に便宜図る様に国王と交渉して来るから、上手く行けば後見人にも名を連ねて貰う心算じゃ
じゃからレイジ殿も宜しく頼む」
礼司)「分かりました
では北門まで俺が転移で送りますよ」
俺はプレハブに厩舎を収納して
新たに魔導馬橇では無く魔導車に改造された
自分のSUVを召喚した
召喚した理由は地球神様からクローラーを貰っていたからだ
此のクローラーは国産でなかなか優秀なのだ
その代わり値段も張る
同じ70が新車で買えてしまうのだ
ヘン)「本当に家が収納された」
アイ)「何じゃ此の魔導車は
馬が居らんぞ
此れで動くのか!?」
子供達は大喜び
姫様までSUVに乗り込んでしまった
今日は余り距離を走らないので
その旨を本人に伝えた
此の魔導車は魔導橇と同じく魔力補正が掛かっており雪道でも時速100キロ以上の速度が出せる
てっ云うかそれが本来の能力だけど
早速街道に転移門を出し
SUVを先頭に潜ってしまうと
瞬時に北門手前1キロに現れた
北門近くで姫様を降ろし
此処で一旦お別れだ
何故か子供達が別れを惜しみ
抱き合って泣いていた
女性冒険者達二人も降りて来て
お互いを慰め合う?なのかな?
オッ!女史組のスクラムか
若しかして人形仲間は結束が固い?
マル)「アルお姉ちゃん
また会おうね」
アル)「うん」
ミル)「だいちゅき」
アル)「ミルちゃん私も大好き」
帰りの転移門の出口は
大魔境の直ぐ近くに設定
現地の上空にドローンゴーレムが待機
その画像を目印に出口を設定したのだ
別れを惜しみながら俺達も出発した
アイ)「とうとう行ってしまったな〜
楽しかったな〜」
ヘン)「彼は不思議な少年ですな〜
全く違う文化を知っている」
キラスカ)「また直ぐ会えますよ
何と無くそんな気がします
うちの女供もレイジ様には夢中だし
姫様まで結構な影響を受けてる様子ですね
まあそれも仕方が無いか」
アイ)「それにとんでも無い事実を
儂は数多く知ってしまった
あの少年は世を変える存在なのかも知れんのう~」
ヘン)「同じ事を考えておりました
ガデイア儀は国王陛下にお見せするので?」
アイ)「見せぬ訳にはいかんだろ
勿論二人きりの時に見せるさ」
神眼が指定した目的地に到着した
此の場所はレンラキア大陸東部の東部大陸の北部中央付近になる
此の小高い丘陵地帯が俺の本拠地に
なるのだそうだ
何故丘陵地帯かと云うと
街道の脇の土地は
夏場になると水没してしまうらしい
詰りは泥炭湿地帯なのだ
とっ云う事はピートモスなのだ
一度乾燥させて煙の匂いを確かめたい
若しかするととんでもないお宝に化ける可能性が有る
さて此の目の前の広大な丘陵地帯の奥に
俺の屋敷を建てるらしい
なのでもう暫くはプレハブ暮らしだ
神眼)『南側の前庭は全て薬草庭園になります』
礼司)『それって結構広く無い?』
神眼)『需要が有り美しい薬草を持って来ます』
うわ〜~旧帝大+1真っ青でしょう
これで家康の盆栽が有ればマンマじゃ〜ん
将来学校になってしまうとか?
神眼)『新たな情報ですが
何ですかそれ?』
礼司)『下らない事だから
心を読まないでよ』
神眼)『成程!
最後の将軍慶喜様の没収された
徳川幕府の遺産ですか』
礼司)『ケイキ様の持ってた遺品は
殆ど皇居に有るんだ
でも殆ど見せた事が無いので
残念ながら殆ど枯らしてると思うよ
それに以前横流し品の器が出てたけど
今の持ち主が多分ローム層に埋めて
時代着けしてると思うな
なので消えたお宝だな』
神眼)『貴重な文化遺産なのにですか?』
礼司)『残念ながら
俺の祖国は失敗を隠すんだ
奴等は給与だけは不平不満を言いながら
色々な手当てを自分達で開発するんだよな
四年前何んか15億以上の文化遺産を枯らし
二年前には再度同じ奴等が2億また枯らすし
たぶん嘘半分で被害は40億は優に超えてるだろな、そして枯らしたリストを絶対に出さないと来たもんだ
アイツ等一度死んだ方が良いし
任命した奴等も死んだ方が良いと思うよ
けど中々死なないんだな之が
何せ普段から検診ばかりで
色々と早期発見されてしまうんだ
それに下手に市民が国宝級を持ってると
因縁を吹っ掛け取り上げてしまうんだ
オマケにそれに対する法律も有り
泣き寝入りするしか無いんだよな
なので刑事事件にも成らないと云う寸法さ』
神眼)『だとしたら
持ち主は隠してしまうのでは?』
礼司)『うん
普通に隠してるよ
話しは変わるけど
遺産と云えば古代魔導帝国の遺跡をたくさん発見してるみたいだね』
俺達は念話をしながら
尚も屋敷の建設予定地を目指した
神眼)『一応掘削して
スパイゴーレムを送り込んでいます
今の所軍の施設、図書館、銀行等を発見していますが
軍の施設からは飛空船を幾つも発見しています』
礼司)『それが神眼が言ってた
例のブツだね?』
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