第20話 二匹の仔犬

 

 昼食後俺達の本拠地造りがいよいよ始まる

神眼の指示で建設能力を付与した緑色戦闘ゴーレム1000体を召喚


礼司)『1000体召喚って

眺めただけでも凄い数だぞ

ヤッパこれって多く無いか?』


神眼)『いいえ

これでも少ないくらいです

我々も結界石設置に向かいましょう』


俺はマルルとミルルを引き連れ

護衛のセバスチャン、レイボン、エンリオと

結界石設置場所を目指し北上する事になた

本当はマルルとミルルはお留守番の予定だったのだが

移動用に召喚したゴーレム式魔導モービルに乗りたくて駄々を捏ねた

そんな可愛い姿に負けてしまい現在に至る

俺は自分が乗る魔導モービルを一旦収納

収納内で座席を改造

座席前部にミルルが座れる様に

座席後部をマルルが立ったり座ったりが

出来る様にして出発する事になった

※魔導モービル

異世界版スノーモービル


礼司)「よーし!出発だ!

森の中なので障害物も多い

最高速度は12キロで先導してくれ」

マルル達が居るので

此処は安全第一なのだ


マルル達は始めての魔導モービルが

楽しくて仕方ない様子

マルルは立ち上がり俺の肩に手を掛け

「楽しいのニャッ!!」とっ大盛り上り

ミルルも「たのちーー!!」とっ状況を楽しんでいる

今回は転移で移動しなくて良かったなと

考えていると

西の方から誰かが念話で俺を呼んでいる


礼司)『誰かが俺に助けを求めてるよな?』


神眼)『確かに

誰かが助けを求めています

気になります

行きましょう』


礼司)『とっ云う訳だ

セバス!先導してくれ!』


セバス)『了解しました

直ぐに向かいます』


礼司)「マルル!ミルル!

予定変更で違う場所に行くからな」


マル)「分かったのニャッ!」


ミル)「にゃっー!!」手を上げるミルル


助けを求める念話の発信源は

ドローンゴーレムが先に特定した様だ


神眼)『距離が200キロ以上離れています転移で行きましょう』


礼司)『せっかく魔導モービルを

マルルとミルルに楽しんで貰いたかったが

之ばかりは仕方がない』


ドローンゴーレムが指示した位置に

転移門を設置


礼司)「距離が有るから

転移門で行くぞ!」

とっ俺が声を掛けると

マルル達も状況を何となく理解した様だ


転移門を使いショートカットすると

巨木が乱雑に倒れ捲くっていた

「これは一体何が有った!」

俺は魔導モービルを一旦収納

マルル達を最後尾に俺とセバスが

少し離れて倒木を避けながら先頭を行く

小高い尾根を超えると岩山群が見えて来た

そして岩山に横穴が空いていた


礼司)『あそこの周りだけ雪が無く

青い花が大量に咲いているな

荒れて無いので若しかして結界か?』


その時上空に巨大な白い竜が現れ

旋回し始めた


礼司)『ウワーッ!!

竜だ!デカいな!』


神眼)『創造神様の眷属です

倒木で降りられないのかも知れません』


俺は倒木を収納してしまい

広い空き地を造ってから大きな横穴に入った

その時後方でズシンと鈍い音と振動がした

恐らく竜が着地したのだろう


穴の中には白い大型の犬が傷付き横たわっているではないか

白い犬は念話で俺に話し掛けて来た


白犬)『お呼び立てして申し訳有りません

使徒様のレイジ様にお願いが御座います

礼は表のミヤマヤマシャクヤクです

青花は効能が高く希少です

どうか二匹子供達を救って下さい

何卒宜しくお願い致します』


礼司)『別に礼等要らないけど

取り敢えず治癒魔法を掛ける』


俺は創造神様から貰ったエリクサーを飲ませ

白犬に向い治癒魔法を掛けた

すると白い巨大犬は眠りに入った


突然後ろから白い少女が

後ろから中に入って来た

若しかして竜の擬人化?


少女)『フェル!!

大丈夫かーッ!!』


礼司)『今治療を終わらせ眠った所だ

状況は随分好い

たぶん大丈夫だと思う』


少女)『仲間を助けてくれて有り難う

これから使徒様には何でも協力するから』


礼司)『いやオレ使徒じゃ無いけど』


少女)『エッ?』


礼司)『エッ?』


少女)『だって創造神様から

お世話する様に言い使ってるぞ

それにその魔力は

神をも凌いでいるぞ

神様だと普通に言われたら

普通に信じてしまうぞ』


礼司)『ふ〜ん

そうなんだ

ともかく怪我人には冷えが一番悪い

転移門で俺の家に帰るぞ』


少女)『イヤイヤ

ふ〜んって』


白犬を重力魔法で空中に浮かせ

毛布で簀巻きにすると

仔犬が二匹居たので籠を召喚し

バスタオルで包み空中に浮かせた


すると今度はバカでかい白熊が現れた

俺は白熊が大好きだ

近頃のフルーツ増し増しも美味い

分かるかな?


ミル)『あっ!クマちん!』


マル)『大っきくて可愛いのにゃっ!』


クマ)『普通行き成り出たら

ビビるだろ

或る意味恐がらない事にショックだぞ』


白熊さんには少女が

色々と説明してくれ

そして一緒に転移門を潜った


ヤマシャクヤクは白犬が居ないと枯れるらしいので

下の土も1メートル位掘り下げ一緒に収納した


プレハブに到着した所で

全員にクリーン魔法を掛け

全員家の中に入れた

クマさんは人化が出来無かったが

小さくなる事は出来たので

ミルルが抱き抱え一緒に入って行った


礼司)『チラッと見たけど

工事結構進んで無い?』


神眼)『現場は結界が張って有り

中の時間は20倍で進んでいます

だからだと思います』


礼司)『それは驚いたな

じゃっ何日で完成するの?』


神眼)『中の家具等も考えると

3日も掛かってしまいます』


礼司)『3日もって

たった3日で完成なんて普通に凄いから』



今日の夕食はワイバーンのステーキを出す事になった

何せ肉食ぽい人が二人も増えたから

もう一人の白犬さんは流石に無理だろう

俺はマルル達と一緒に

仔犬達に山羊ミルクを与える事にした

白熊さんも乱入したので四人で飲ませた


礼司)『男の子それとも女の子かな?』


白熊)『二匹共雌だよ』


礼司)『じゃっ雄は俺と白熊さんだけだね』


白熊)『何を言ってる

俺も雌だぞ!

それに名前はシルバだ!』


礼司)『エッ!?』


シルバ)『エッ!?』


礼司)「エーーーーーッ!!」


マル)「お兄ちゃん

急に大声、どうしたのにゃっ?」


シルバ)『失礼な奴だな

俺は正真正銘の雌だぞ

見たら分かるだろ!』


礼司)『イッ イヤ!

全然分からんし!』


どうやら聖獣さん達は皆さん

雌で生まれてくるそうな

実は日本で休みの日に良く行ってたスーパーに結構話をする店員さんがいたんだ

その人の男女の判断が俺には出来なかった

その人は何と声までも中間で

オマケに喉仏を見ても中途半端だった

失礼だと思い結局は聞け無かったな

なんて

変な事をつい思い出してしまった

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