第22話 犯人の捜索開始

 ◆異世界生活5日目◆


 朝になり起きて見ると

俺のベットに全員が寝ていた

そして仔犬のお母さん(フェル)も起きて

此方をずっと見詰めていた


礼司)『どうだ?

大丈夫かお母さん!』


フェル)『私の命までも

助けて頂いたのですね』


礼司)『当たり前だ

事後報告になるけど

一応治癒魔法とポーションを使ったんだが

大丈夫だったかな?』


フェル)『一度は死んでいた身

有難う御座います』


礼司)『礼なんか別にいいよ

子供達は皆んなで交代しながら

ヤギミルクを与えていたんだが

母乳は大丈夫そうか?』


フェル)『お陰様で大丈夫です

以後私が面倒をみてまいります

このまま此の場を使用して大丈夫ですか?』


礼司)『それが此の家は

移動用プレハブ住宅なんだ

あと数日で新たな家が完成するので

そちらに移動する事になるとは思う』


フェル)『承知致しました』


礼司)『ところで話しは変わるが

お母さんを襲った奴って

メガキングオークで間違い無いか?』


フェル)『ハイ!

間違い御座いません』


どうやら

明るい陽射しの有る所で出産しようとしてた所を行き成りだったらしい

詰まり誰かが行き成り転移で

キングオーク達を送り込んで来たようだ

若しやすると邪神が目覚めているやも

知れないと云う可能性が有るらしい


礼司)『なるほど了解した』


その後メガキングオークの捜索を

今日から始める事を話し

二匹の仔犬を寝ている母親の腹付近に戻した


おっ!

オッパイにムシャぶり付いたぞ

やっぱ匂いで分かるんだな


その後デッキに出て

ドローンゴーレムを100体複製

神眼が指示を出すと

360度に分かれ飛び立ち捜索が始まった


俺は朝食後結界石の設置に向かう予定だが

時短のため転移で向かう事にした

現地ではドローンゴーレムの映像から

転移地点を割り出し転移する予定だ

此れで行き成りメガキングオーク発見の報告にも即時対応が可能になる


ダイニングに行くと

既に皆んなが集まっていた

本日も毎度同じみの日本定食だ

今日はベーコンエッグだ

質素に見えるが栄養価は高い

マルルとミルルは訓練箸の影響か箸の使い方が少し上手になっている

ハクには木のフォーク

シルバには陶器のボールにぶっ込み飯だ

まるでロコモコ丼だな


礼司)「偉いな~

マルルもミルルも短期間で

箸の使い方が上手になってるぞ」


マル)「にゃ〜!♪♫」


ミル)「むふふっ♪♫」


フェルは病み上がりなので

モミジがぶっ込み飯を俺の寝室に届けた


ハク)「此のミソスープは美味いのじゃっ!あっさりした中に深い味が凝縮されておる」


礼司)「流石は分かってるね~

きちんと出汁を取ってるんだ」


ハク)「夜は酒も飲みたいの〜う」


シルバ)「ガウーッ!」


礼司)「何だシルバも呑みたいのか?

有るぞ!

でもハクとシルバが子供に見えてな

今晩からだしてやるが

呑み過ぎは駄目だぞ

でっどんな酒が好みなんだ?」


ハク)「どんな酒と言われても

妾は猿酒しか知らぬ」


礼司)「猿酒?」


ハク)「時々

ゴリエイプの上位種が造る酒じゃっ!

果実を使い木の虚の中に造るのじゃが

味は良いが香りが悪いのじゃっ!」


礼司)「なるほど

好みが分かった

風呂上りにフルーツ酎ハイを飲ませてやる

シュワーッとした喉越しの冷たく甘い酒だ

香りも好いぞ」


ハク)「誠かー!

楽しみじゃっ!」


シルバ)「ガウッ!」


その後引越しの話しになった

どうやらハクとシルバは俺達と一緒に暮らすらしい

まあイイけど

それでハクとシルバも薬草を育てているらしく傍に居ないとやはり枯れる様だ

共に希少な薬草らしい

とっ云う事で

今日最初の仕事は

ハクが竜に戻りハクとシルバの薬草を持ち帰る事になった


ハク)「育てると云うか

妾達の住んでる周りに

勝手に生える感じなのじゃが」


神眼)『地竜の魔石を採取し

ハクやシルバの魔素を吸収させ

多少離れる事が可能か

実験してみましょう』


ハク)『なるほどなのじゃっ!

成功すれば遠出が出来るのじゃっ!』


シルバ)『遠出が出来るイイな~

知らない所に行ってみたかった

DVDの世界を見てみたい』


礼司)『そうだな

色々な所を見れ無いのは寂しいモンだ

じゃっ取り敢えず先に引越しを片付けよう

先ずはシルバの洞窟からだな

シルバは此の場所を守っといてくれ』


俺は聖竜に戻ったハクに跨り

シルバの洞窟を目指した


礼司)『やっぱ速いな』


神眼)『レイジ様も直ぐに

飛べる様になりますよ』


ハク)『飛べる様になったら

皆んなで南に行くのじゃっ!』


礼司)『何故南なんだ?』


ハク)『南に行けば

見た事も無い

美味い果実が有るのだそうじゃっ!』


礼司)『そうなのか!

俺は

祖国日本の幻の果物をまた食べたい!』


ハク)『まぼろし?』


礼司)『あ〜ぁ

口に入れると王者香に近い香りがするんだ

そして甘くて旨いと云うか

旨過ぎる果物なんだ』


ハク)『妾もそれを喰いたいのじゃっ!』


礼司)『南に行く途中で

それに近い物が有るかも

因みに祖国では

イタビカズラと

種無しアケビと呼ばれていた

恐ろしく数が少ないんだ』


ハク)『ますます

食したいもんじゃっ!』


礼司)『イタビカズラ自体は結構有るんだが

果実だけは大量に実るのに

それがなかなか甘熟しないんだよ

五千個〜一万個に一個有る位かな?

アケビも大量に有るけど

先ず種無し自体が非常に少ない

そして香りが有っても香りにムラが有るんだ

俺も数個しか食べた事がない

真にまぼろし何だ』


神眼)『相当な強敵の様ですね

でもレイジ様には緑魔法EXと

ドローンゴーレムが付いています』


礼司)『そうだな

近縁種を見付けたら

自分の思う通りに錬成すれば好いし

発見はドローンゴーレムがしてくれるだろ

期待して待つのも良いな』


緑魔法の錬成はなかなか優秀だ

ウッドデッキで育てている

錬成したベリー類は粒が大きく味も好い

もはや別物と言っても問題無い


でもな〜やはりと云うか流石に

イタビカズラやアケビは無いだろうな〜

もし有ったとしたら

俺は確実にこの世界は

並行世界だと考えてしまうぞ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る