第2話 爆薬大剣と竜
オレ達はこの日属性うさぎ(雷)を倒し受付に戻ってモンスター進化チャートを確認した。
するとそこには竜の文字が浮かび上がっていた。やはり、噂は本当だったらしい。
翌日、オレ達は万全の装備で、竜に挑むことにした。
属性竜ではなく、幼竜であろうと当たりをつけているが、オレ達のありったけの
装備と道具を持ってきている。
オレはいつもの爆薬大剣でなく、装填数1発の手動装填型、いわゆるロマン型を今日は持ってきている。
予備の爆薬も2つある。
竜というのは人を見くびっている。なので、追い詰められそうになって初めて本気を出そうとする。
なので、その本気を出した時にオレのロマン型が火を噴いて一気に型を着けるって戦法だ。
オレ達は竜と対峙する。
体長4m程ある。幼竜だ。攻撃は他の2人に任せて、オレはなるべく幼竜の攻撃を
爆薬を使わずに大剣で潰していく。
15分程経っただろうか、幼竜の目が血走ってきた。そろそろ、本気になってくるだろう。
オレの出番なわけだ。
オレは手順を決めている。まず、オレは今までの15分で、幼竜の脚に何度か
大剣をたたき込んでいる。その際、少しだけ幼竜の脚が流れたのを確認済みだ。なので
脚にお見舞いしてやれば、確実にダメージが入るだろう。そして、爆薬の装填を済ませて、2発目を幼竜の顔にお見舞いしてやる。この2発目は刃とは反対側を向けて、爆発の噴炎を浴びせてやる。
そして、幼竜の視力を奪っている内に最後の予備の爆薬を装填して、
最も当たりやすい幼竜の胴体へお見舞いしてやるという流れだ。
よし、やってやろう。
胸のどうきが高鳴ってきた。
「たまんねえな」
要所ではいつもどうきが激しく高鳴ってくる。何回経験しても、それは変わらない。
オレは幼竜がいよいよ本気になろうとする、その前を見計らって、幼竜の脚へ1撃目を入れた。
目視でなく、大剣から伝わる感触を確認して、トリガーを引く。
腕が持ってかれるかと思うような、大爆発。予備の火薬が何発あろうが関係ない。
オレの腕が3発しかもたん。
オレと幼竜が同時に吹っ飛ぶ。幼竜がいよいよ本気になることだろう。
さて、どうやって顔にお見舞いするか。今の一撃で幼竜はオレを一番警戒するだろう。
だが、幼竜は、今、片脚が痺れているだろう。オレは真正面から直角フェイントを入れて
、幼竜の顔に爆薬大剣の刃とは反対側を叩きつける。
その突如、幼竜の顔の前に耐物理の魔方陣が浮かび上がる。
無駄だ。オレの目的は噴炎を浴びせることだ。
魔方陣はそれ程大きくなく、噴炎が幼竜に浴びせられた。
「よし!」
幼竜は目をつぶっている。
オレはとりわけ慌てないように、いつもより遅い動作で、慎重に最後の予備の
爆薬を装填し、幼竜の胴体へ斜め後ろから斬りつけた。
幼竜の胴体に僅かに爆薬大剣の刃がめり込む。その感触を頼りに、オレはトリガーを引いた。
幼竜の体が沈み込んで、オレも爆発の勢いで失神してしまった。
気づいたらオレは、医者にペンライトの光を当てられていた。
「大丈夫ですか?」
「はいっ!大丈夫です」
オレは威勢良く条件反射で返事をした。
「おう、よかった、勝ったよ」
「おう、そうか」
気を利かしたパーティーメンバーが簡潔に教えてくれた。
そうか勝ったか、、、。よかった。
オレは役目を果たしたことに安堵した。
「それで、皆無事みたいだな。よかった。うん。」
パーティーメンバーの目をよく見てみると、その瞳にはやり遂げた
充実感が漲っている。
「うん!」[うん!」「うん!」「うん!」
オレはとりあえずみんなと、充実感を噛みしめ合った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます