第10話

「ここがゴブリンの洞窟か」

「はい、レイシアさん」

翔かけるはそう言うと、薔薇の鞭を構えた。

「行きますよ、レイシアさん」

「ああ」

レイシアもロッドを手にして洞窟の中へ入っていく。


「吸血コウモリだ」

翔は難なく吸血コウモリを倒した。

ゴブリンの鳴き声が聞こえた。

「そろそろですね、レイシアさん」

「ああ」


ぬかるんだ道を奥へ進む。

するとゴブリンが現れた。

「薔薇の鞭!」

翔の攻撃でゴブリン達に一斉にダメージが与えられた。

「氷の吹雪」

「レイシアさん、すごい!」

レイシアの唱えた氷の魔法で一気にゴブリンが倒れた。


ゴブリン達を倒し、魔石を手に入れた。

翔が魔石を伝説の剣に吸わせると、剣の形状が変わった。


ゴブリンソード LV2

攻撃;40

魔力:30

特殊効果:なし


「これなら前の薔薇の鞭の方が良いなぁ」

翔はそう言って、伝説の剣を前方にかざして集中した。

「そんなうまい話は無いだろう翔・・・・・・? 」

レイシアがそう言ったのと同じタイミングで伝説の剣は薔薇の鞭の形に戻った。


「すごいですね、さすが伝説の剣」

「ああ」

翔は嬉しそうに鞭を振り回した。

でたらめだな、とレイシアは呟いた。

ゴブリンはもう居なかった。


洞窟の奥には宝物があった。きっと今まで襲った馬車や人から奪った物だろう。

その中に一通の手紙があった。

「結婚式の招待状だ」

「ああ、ミケーネとミシェルの結婚式か? 一週間後じゃ無いか!」

レイシアの招待状を持つ手が震えている。

「レイシアさん、ミスティ王国に行ってみますか?」

「ああ・・・・・・」

レイシアは頷いた。翔は宝と手紙を持った。


「とりあえず冒険者の館へ帰りましょう」

翔は荷物を持つとレイシアと冒険者の館へ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る