第9話
「いらっしゃい、はやいね」
冒険者の館の主はレリックと言った。
「レリックさん、何か良い依頼はありますか? 」
翔かけるが訊くとレリックは台帳を調べた。
「これなんか良いんじゃ無いかな? 」
そういって一枚依頼票を抜き出す。
「ゴブリン退治か、悪くないな」
レイシアはそう言って頷いた。
「じゃあ、この依頼をうけるってことでいいですか? 」
「ああ」
「それじゃ、おねがいしますよ」
レリックは地図に丸をつけた。街を出た街道沿いの洞窟が目的地だ。
「それじゃ、行ってきます」
翔とレイシアは冒険者の館を後にした。
「ゴブリンって強いんですか? 」
翔がレイシアに訊いた。
「盗賊とどっこいどっこいかな 」
レイシアは答えながら地図を眺める。
「今日中に始末をつけられると良いな」
翔とレイシアが門を抜け、街道をしばらく行くと人食い薔薇に馬車が襲われたいた。
翔は慌てて剣を抜き、人食い薔薇を切り倒した。
人食い薔薇の魔石を吸収させると、伝説の剣の形状が変わった。
薔薇の鞭 LV1
攻撃:20
魔力:30
特殊効果:全体攻撃
「やった、全体攻撃ができるようになりました」
翔は嬉しそうに言った。レイシアは驚いた。
襲われていた馬車に乗っていたのは、オクの街の貴族、ライアンだった。
「ありがとうございました。危ないところを助けて頂いて」
ライアンはそう言ってからレイシアの顔をまじまじと見た。
「おや、ミスティ王国のレイシア様じゃありませんか、このたびはおめでとうございます」
「おめでたい? 」
レイシアはむっとして答えるとライアンは言葉を続けた。
「ミスティ王国のミシェル様とウィンディ城のミケーネ王子の縁談が決まったとか」
「なんだって!?」
レイシアは信じられないと言う表情で大声を上げた。
「ごぞんじなかったのですか? 」
ライアンは驚きつつも、独り言のように続けた。
「城を出て武者修行に行くという話でしたから、情報も入りにくかったのかもしれませんね」
レイシアは唇をかみしめた。
「レイシアさん・・・・・・」
翔はレイシアの表情から悔しさと惨めさを押し殺しているのを感じた。
「翔、今は依頼の途中だ。ゴブリンを仕留めに行くぞ」
レイシアはそう言うとロッドを握りしめた。
「はい、レイシアさん」
翔達はゴブリンの洞窟に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます