第40話 来客

落下していくダリア王とミルグリア。


「うわああああああああああああ!」


「陛下、あれが魔王です。」


模造品が壁に張り付いている。


「アアアアアアアアアア!」


「いやじゃっー!」


ダリア王とミルグリアが減速する。

ミルグリアが風を起こしながら壁に手をつく。


 ズサアアアアアアッ


「地面が見えてまいりました。」


「……本当にわしが倒すのか?」


ダリア王がミルグリアを見る。


「はい。」


魔王、私の倒し方など知る由もないだろうに。


「やみをきりさくひかりのやいばよ、われにちからを。」


「……流石です。」


あれは、勇者が私の角を切り落としたときの……


「でやあああああああ。」


ダリア王が模造品に駆け寄る。

剣を持っていないというのに何をするつもりだ……?


「アアアアアアアアアアアアアア!」


模造品はダリア王の姿にようやく気が付いたようだ。


「そいっ!」


ダリア王が地面をけり、模造品の頭上へ

そして、私が切られた方の角とは逆の角を


 ボキッ


折った。


「アッ。」


「アアアアアアアアアアあああああっ!い、痛いいいいいいいい。」


あまりの痛みに模造品に正気が戻る。


「陛下、どうぞっ!」


ミルグリアが瓶を投げつける。


「あああああああ!貴様ら、貴様ら許さんぞおおおおおおおお!」


「わしがっ、まおうをたおすのじゃっ!」


瓶を投げつけられたダリア王。

光り輝く。


「はざまへとされ。」


「おおおおおお、おお?」


模造品の姿が消えた……

もしや、これは……


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