第15話 クレオール

「まず、君たちはどういう関係性なの~?」


(どんな関係性って言われても・・・こいつらが勝手に入ってきただけだし。)


「うぎゃぁ!うがっ!」


ゴブリンたちが起きだしたようだ。


「へぇ?ふ~ん。で、こいつら何言ってるの~?」


(俺の方見られても・・・)


ゴブリンの言葉を解さない男。


「ここって、緑壁の森だよね~?同じ森でも地域によって言語が違うのかな~。方言にしては違いすぎるし~。」


「がっ、うぎゃ~?」


着ぐるみ男が突然唸り声をあげる。


(いきなりどうしたんだ・・・怖いんだが。)


「ぎゃっ、ぎゃっ!ぎゃぁ。」


「うぎゃあ~。うがぅ~。」


「なんだ、あっちの言葉も通じるのか~。それで、君たち無関係だったの?。で、このゴブリンたちによると、君はこの穴から出てきたとか~?」


「え?もしかして、会話できるんですか。」


「どうしても話さなくちゃならない時があってね~。覚えたんだよ~。」


「どういうこと・・・」


「それじゃあ、もっかい君に質問だ~。君の正体は、いったい何?」


「教えちゃだめだよ!」

「そうだよー!」

「いってもいいんじゃないかなー?」


ダンジョンコアたちも会話に参加してきた。


「もしかして、ダンジョンの主だったりするのかな~?」


「ごぎゃぁ?」


ゴブリンが会話の内容を聞きたがっているように見える。


「ぐぎゃあ~。うぎゃ~。」


着ぐるみ男が喋る。


「うぎょっ?うぎゃっうぎゃっ。」


「あはは~。笑われちゃったよ~。こんな弱い奴らがダンジョンマスターなわけないって~。」


「違うよっ!れっきとしたダンジョンマスターだよー!」

「まだできたばっかだけど、本物なんだぞー!」

「結局言っちゃったー。」


「そ~なんだ~。面白いよ。やっぱり、外には出てみるもんだね~。」


「君たちのお話を聞かせてもらったお礼。これが僕の正体だよ~。」


着ぐるみ男が、着ぐるみを脱ぐ。アイデンティティの危機だ。


「角が・・・ある。」


「うん。そう、僕はダリア王国の建国期からの功臣、ダミダミクの末裔なんだよ~。」


「だ、ダミダミク!?」


(誰だよ。)

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