13. 女子力とは?
「お待たせ、ナル」
「……」
可愛い、超可愛い。お風呂上がりの唯奈マジ天使。
いつもと違って髪後ろにまとめられてるのとかもう最高。いますぐ抱きしめた──
「え?何?なんでそんなに距離とるの?」
「なんか気持ち悪いこと考えてそうだったから」
「い、いやぁ?考えてないよぉ?」
まじすんませんめちゃくちゃ考えてました。
というか……うん、やっぱりそうだ。
「そんなにまじまじみて、何?」
「唯奈さ、なんか髪ツヤツヤしてない?」
なんかそんな気がしたんだけど……やっぱり気のせいか?
「……最近、リンスもするようにしたからかも。」
あの唯奈が、リンス……?
今まで頑なに「必要ない、シャンプーで十分」と言って、パサついたり髪を俺や家族に梳かしてもらってきた唯奈がリンスだと……?
「ゆ、唯奈?お前ほんとに唯奈か?」
「失礼。私はただ、女子力の探求をはじめただけ」
ば、バカな!?
あの唯奈から『女子力』なんて単語が飛び出したぞ!?
いよいよ本当に、目の前の女の子が唯奈にそっくりな他人であることを疑う必要がでてきたな……
「お、おかしい、かな?」
いつもよりツヤのある髪をクルクルとしながら上目遣いに聞いてくる唯奈。あーもう可愛い、好き。
やっぱこの子唯奈だわ、うん、間違いない。
そして俺は、自信を持ってこう答えた。
「最高です!」
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