｢えぇー！？あの花包さんが、女子力！？｣

｢そうなんだよ！まじで唯奈が可愛くてさぁ、もう100回くらいは惚れ直したくらいだ！｣

唯奈と温泉に行った翌日。

日比谷に昨日のことを話すと、日比谷は話の内容よりも唯奈が女子力を身につけ始めたことに強く反応した。

温泉の話が｢はいはいいつものね｣みたいな感じで軽く流されたのはちょっと気になったが……まぁ唯奈の女子力の話は誰だって気になるよな！

うんうん、俺も彼氏として鼻がたか──え？彼氏じゃないだろって？……その通りっす、すんません。

｢でも、なんで女子力？｣

｢確かに、それは気になってるとこなんだよなぁ｣

正直な話、今までの唯奈はどうやっても女子力と結びつかないような生活を送ってきた。

それは俺の『唯奈愛してるよフィルター』にかけても同じこと。

何かきっかけがあったとしか思えない……

｢というか、そもそも女子力ってなんだ？｣

｢女子の力だから……筋肉とか、かな……？｣

｢日比谷、それは違うと思うぞ……｣

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