11. 幼馴染がネタ切れしてしまった
「いや!?ちょ!?ムリムリムリムリ!」
こんにちは、樹崎成羽です。
「はい、いっくよー」
シャー……
「おぉー。似合ってるー」
無慈悲にも開かれた純白のカーテン。そして、本心で言っているようには到底聞こえない褒め言葉。
今俺は、好きな女の子に命令されてスーツに着替えさせられています。
「ほんとに似合ってると思ってる!?ねぇ!?思ってないよね!?」
なんというか、目に輝きがないんだよね。
いやまぁ、いつも通りではあるんだけども……
「というかなんで!?なんで急にスーツ着せたの!?」
「まぁ、その、なんというか……ネタ切れ?」
ネタ切れ?ネタ切れって……
「まさか命令のネタ切れ!?そんなことある!?」
今まで色んな理由で色んな命令を受けてきたけど、まさか理由が『ネタ切れ』になるなんてね……泣ける。
「そもそも、じゃんけんで勝てないナルが悪い。」
「いいや!じゃんけんで勝つ唯奈な悪いね!」
あれ?なんか自分で言ってて意味わからなくなってきた?
「そこまで言うなら、ネタを提供して。」
「ネタの提供……?」
つまり、俺が唯奈の命令を決められるってことか?
そんなの、1つしかないだろ!
「俺と付き合っ──」
「却下」
ですよねー……
「ていうか、自分がされることを自分で決めさせるって鬼かよ。
なんなら地獄に落とされた方がマシだぞ……」
「それだ。」
唯奈は俺の愚痴を聞くなり何かを思いついたのか突然立ち上がると、目を輝かせてこう言った。
「ナル、地獄に落ちてみよう!」
……は?
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