第11話

「ウッワァァ〜ーー……✨😝✨✨」

 一斉に観客から大きな歓声が上がった。



ッてェ…、テメェ〜、ふざけやがってェ〜……😠💦

 よくもやりやがったな」

 兄貴が殴られた頬を押さえ僕を睨み返した。



「くゥ🤨💦」

 いつもならビビッていただろう。

 だが今回は逃げ出す事はできない。


 僕の後ろにはラブリがいる。


 生まれて始めて兄貴に反抗した。



「今まで、兄貴のやる事にケチをつけた事はなかった。勉強もスポーツも喧嘩も……

 何ひとつ勝てなかった。

 だけど、今度の事は許せない!!

 絶対に!!」


「はァ〜、なにィルーのクセしてェ」



独身フリーなら、セフレと好きなだけ遊んでも構わないよ!

 だけど結婚してヒカリがいるのに、勝手な振る舞いは許せないンだ」


「くうゥ、お前なァ」



「言っとくけど僕に殴られて感謝しろよ」


「はァ、何がだ」


「ラブリがマジで殴ったら病院送りだぜ」

 親指で後ろにいるラブリを差した。


 ラブリも顔を強張こわばらせていた。



「ぬゥ」

 さすがに兄貴も声を失った。



「いいか。二度とラブリを泣かせるなよ」

 僕は兄貴を指差した。



「さ、行こう。ラブリ!!」

 これ以上、この場所には居たくない。



 すぐに僕はラブリの手を引っ張り花火大会の観覧スポットから足早に離れた。






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