第2話勇者アラン
自然に出来た洞窟を冒険者達は入り得たいの知れないモノに襲われ命からがら逃げて来たが、一緒にいた冒険者の仲間一人が居ない事に気付き、ギルドに相談を持ち仲間を捜す依頼をお願いした。
依頼を受けた者達は、仲間が居なくなったという洞窟へ入り、依頼を受けた者も戻って来ない事もありギルドマスターは、この奇妙な出来事を城の王様に相談する事にした。
この不可思議な出来事は、城の王様にも耳に入り急遽冒険者の中で実力者である勇者を城に呼び寄せた。
勇者と呼ばれる者達は、身体の一部に勇者の紋章が現れると聞く、普通に生活をする中で突然身体が光り出し力が溢れ勇者の証である紋章が現れる。
勇者の紋章が出る者は、歳が五歳から十五歳と言われ今まで勇者に成った者達の記録だ。
そして、勇者に選ばれた者達は親元を離れ勇者として教育を受ける事に成る。
今回の奇妙な出来事で城から呼び出された一人の勇者が城の門を潜った。
金色の髪の毛が短くサラッと光る髪に金色の瞳、身体は鍛え上げた体つきをした身長190cm以上あると思われる端正な顔で、見惚れる程の勇者アランが城内に足を運んだ。
城内擦れ違う者達、特にメイドや城に訪れる貴婦人達の目をくぎ付けにするほど、廊下を歩き通り過ぎる勇者アランの姿に見惚れていた。
「王様、勇者が参りました」
「うむ、通すが良い」
「はい、王様」
一人の家臣が勇者アランの到着を知らせ王の間へ勇者アランを通した。
王の座の近くには王子がいた。勇者に興味があり父である王様に頼み側にいる事を願い出た。
勇者アランの姿が現れると家臣達が「おおっ!」と騒ぎ声を上げ、王様もその姿を見て驚き王様の側にいたルイ王子も、同じ男とは思えない容姿に頬を染めていた。
勇者アランは王様の前に膝を着き頭を下げた。
「勇者の命に寄り参上致しました、アランと申します」
「勇者アランよ顔を上げよ」
ゆっくりと顔を上げ真っ直ぐな目で王様を見る勇者アランに「うむ…」と声を出し「これはなんとも言えぬ容姿を持って居るの~っ、その姿で何人の女を哭かせたか…いや、女だけとは限らないとか?」
「父上、アラン様に失礼です」
「おおっ、済まなかった勇者アランよ気を悪くしたのであれば謝る」
「いえ、御言葉通りかと…」
「なんと!?」
「…っ」
勇者アランは王様に否定する事なく事実を告げ、それを聞いた家臣達は騒ぎ、ルイ王子は真っ赤な顔を見せ王様は声を上げ笑い出した。
「ハハハ、これは驚いた否定どころか事実として受け取るとは…それに正直者と見た!気に入った勇者アランよ今回の件をやり遂げた暁にはそちの願いを一つ叶えてやろう」
「有り難き幸せで御座います…」
王様は勇者アランに初めて仕事を与えた。
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