リトルアニマルスペースウォーズ

浅草氏(•×•)

第一章 旅立ちへ(1)

ある日の明け方、小鳥がさえずり、鶏がけたたましくさえずりだす少し前、猫の戒刀は彼が住んでいる農場の経営者、夏目和夫が与えてくれたキャットフードを頬ばっていた。その姿は、耳がたれていて、まるでお坊さんのような印象をうける。しかし座り方は独特で、片田舎のヤンキーのようだ。

要するに、戒刀はスコティッシュフォールドなのだ。戒刀はちょうど一年前、元の飼い主である、ガダルと呼ばれていた男の元から逃げてきたという過去がある。

そしてその隣では、灰色と黒の縞模様の猫、アメリカンショートヘアのコロンブスがむさぼるようにキャットフードを食べている。

こちらのコロンブスは見た目は清楚系の猫に見えるが中身は少々乱暴で、戒刀がなだめ役を買って出ている。

「少しは綺麗に食べたらどう?」

「いいじゃん。食べた感あるし。」

コロンブスはなおもむさぼるように食べていって完食。

「食べるの遅いな。」

「君と違って綺麗に食べるからね。」

「ふふっ」

コロンブスは戒刀相手にはそう怒らないようだ。

「もう一眠りするか?ほかのみんなが起きるまで時間ありそうだし、」

ほかのみんな、とはこの農場に居る動物たちである。

「ああ、そうだね。」

そうして2人は二度目の眠りについた。


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リトルアニマルスペースウォーズ 浅草氏(•×•) @asakusasi2525

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