『エターナルはこの社会にいてはいけないものだ』
そう聞かされていた真一は、クラスメイトの荒木早苗がエターナルとして連れて行かれたことに、触れないようにしていた。
奴らは無限に増えて、地球を食い尽くす、人類の敵だからだ。
真一の頭の中がエターナルの少女の事でいっぱいになっているとは、誰一人として気づいていない。
「私の仲間が近くに居るの。私達の伝言板に、この納屋の場所を書いて来てほしいの」
真一が思いを寄せる少女が、優しげに問いかけてくる。
これ以上かかわってはいけない――。
「荒木早苗さんの事を知ってるかな? もし、荒木さんを見たら、警察に言うんだよ」
立派な制服を着た公安が、探りを入れるように問いかけてくる。
でも、荒木早苗はそんな化け物では無い――。
「違う、お前らが悪い。お前らは癌だ、社会の癌だ」
エターナルは、際限なく増殖をし、資源を食い尽くす、この世から撲滅せねばならない者達。
これは夢だ。悪い夢だ――。
「こんな事になってすまなかった。彼女は僕たちの希望なんだ。そして君もまた希望……」
お前達に関わらなければ、家族は厄災に巻き込まれなかったのに。
なぜ私達を巻き込んだ――?
何か、重大な秘密が隠されている。
この世の中の事をいろいろ知らなければ。
だから。逃げない、僕は逃げない。
自分が強くならなければ――。
生と死、希望と恐怖が交錯するディストピア・ファンタジー、ここに開幕!!