特別編 修平の誕生日

今日は2月10日。

俺は昨日さやから、正午にギルド前の催し会場に来てくれと言われていた。

しかもその時間まで家を出るなと。

なにか俺に隠れて何かしているのだろうか。

そもそも今日は何かあったか?

すごく気になるが約束を破れば何されるか分からない。

ここはきちんと守っておこう。


「さや、こんなんで大丈夫?」

「はい!大丈夫です!」

「今日が修平の誕生日だったなんてね」

「今までロクなお祝いしかしてこなかったもので、修平にはこういう時こそちゃんとお祝いしておこうかと思って」

「プレゼントは決まってるんだよね。確か防具にするって言ってたよね?」

「そうです。この日の為に、良いやつ奮発しました」

「僕も良い武器を手に入れちゃったからね。それにする予定だよ」

着々と準備が進む。

早く正午にならないかな。なんて思っているとあと30分しかないことに気づいた。

「やば!あと30分!急がないと!」

「ほんとだ!急ピッチで仕上げないと!」

「そういえばケーキは?」

「あ!美里さんの所!」

今回のケーキは調理師の美里さんに頼んである。

「隼人さん!取りに行ってきて貰えますか?多分わかると思うので!」

「分かった。行ってくるよ!」

「お願いします!」

5分ほどで隼人さんが戻ってきた。

「隼人さん!ケーキをここへ!」

さやは置かれたケーキにロウソクを刺していく。

修平は16になる。

なので1と6の数字のローソクを刺した。

しばらくして正午を知らせる放送が流れた。

すると入口付近に目隠しをしている修平が見えた。

「修平!目隠しを取って!」

目隠しを外すと目の前に繰り広げられた光景に修平は納得した。

「そういえば、今日俺の誕生日だったな。こんな盛大に祝ってもらえるなんて嬉しいよ」

すると会場にいるみんながハッピーバースデーの歌を歌い始めた。

「ハッピーバースデートゥーユー♪ハッピーバースデートゥーユー♪ハッピーバースデーディア修平〜♪ハッピーバースデートゥーユー♪」

修平がロウソクの火を消す。

1発で消えた。

何かいいことがありそうだ。

するとさやと隼人さんが駆け寄ってきた。

「おめでとう!私からはこれ」

「僕からはこれを」

「え!?これ、高級装備に武器!?ありがとう!大事にするよ」

この後はみんなで机に並べられたチキンやケーキなどを食べた。

どれも美味しい。

その中でもずば抜けて美味しかったのは美里さんが作るバースデーケーキだ。

「美里さんのケーキ美味しい!やっぱり美里さんに頼んだ甲斐がありましたね!」

さやが美里さんのケーキを褒める。

「そんな、褒められるほどではないよぉ」

会場が笑いに包まれていく。

しばらくするとみんな食べ終わり、片付けに入った。

「今日はありがとね。さや」

「こっちこそこんなに盛大に祝えて嬉しいよ」

修平からお礼を言われるなんていつぶりだろう。

今日はとてもいい1日だったな。

明日からも頑張ろう。

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住む世界とゲームの中がごっちゃごちゃに!? 水見ミク @MizuyamaBonko

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