第2話 新たなライバルの誕生?!
あれから一ヶ月が経ち、2人はAランクになっていた。
どのくらい上達したのだろう。
スマホでランク別ランキングを見てみる。
修平は8位、さやも同率8位という好成績を修めていた。
隼人さんのランキングも気になったので見てみることにした。
やっぱり凄い。SSランクでしかも1位だ。
しかし、そのランキングはいつもと雰囲気が違っていた。
SSランクは今まで隼人さん1人だったのに一人誰か増えていたのだ。
誰だろうとその人の詳細情報を見てみると、モンカト歴はたったの1年だった。
1年半やっている自分たちでさえまだAランクなのに凄すぎるし早すぎる。
まるでチート能力の持ち主の様だ。
すると、隼人さんが合流した。
「あ!隼人さんだ!早くこっち来てください!」
急いで隼人さんを呼ぶ。
このことを早く伝えたかったのだ。
「どうしたの?2人とも。何かあったの?」
「何かあったの?じゃないですよ!コレ見てください!」
修平はスマホの画面を隼人さんに見せる。
「ん?これはランク別ランキングだけど。どうかした?」
「SSランクの所に1人増えてるんですよ!隼人さん唯一1人だったのに!」
「あぁ、その事か。2人は2位の子知らないんだね?」
「知らないです。逆に隼人さんは知ってるんですか?」
さやは隼人さんが知っている人物と気になった。
「知ってるも何も、俺の妹だから」
「えぇー!(2人)」
2人はキョトンとする
まさかの隼人さんの妹だったなんて、というか隼人さんに妹が居たとは思いもしていなかった。
「隼人さんって妹がいたんですね。てっきり1人っ子だと…」
「まぁ、まだどこにも公表してないからね。妹の存在なんて。今から会う?」
「え!会えるんですか?なら会いたいです!」
2人は目をキラキラさせながら隼人さんの向こう側を見ている。
「ほら、噂をすれば」
「お兄ちゃーん!」
「明海!こっちこっち!」
「ん?」
さやがこちらに来る女の子の顔をよく見ると見慣れた顔に見えた。
明海が隼人のそばに来るやいなや2人は大声で叫んだ。
「あぁ!(同時)」
「明海!?」
「さや!?」
「おや?2人とも知り合い?」
「知り合いも何も親友です!」
2人は小さい頃から一緒にいる親友だ。
高校生になった今でも放課後などに仲良く遊んでいる。
「2人って親友だったんだな。俺知らんかった」
「まぁ、修平含めて3人でいることなんて無かったし」
「ともかくこれからよろしくです!」
「よろしく!」
「あ!バイトの時間だ!遅刻しちゃう!行くね!」
時計を見るなり慌て始めた。
「行ってらっしゃい♪気を付けるんだよ」
「明海ってバイトしてたんだ。てか、この世界にバイトってあったっけ?」
「つい最近バイト制度ができたんだよ。2人もバイトしてみるといいよ。新しい発見があるかもしれないしね」
「バイト…考えてみようかな」
「じゃあ、あとでまた合流しよう」
「はい!(同時)」
明日は隼人さんと3人でアキレウスを倒しに行く約束をしている。
初めて行くので足でまといにならいか心配だが隼人さんとなら大丈夫だろう。
今日中に準備万端にしておかないと。
2人はギルドへ向かうことにした。
「なぁ、ギルド来たけどどうすんだよ」
「ゴルグ行きたいの。確か討伐依頼来てたと思うし」
「え?あいつ行くのかよ。ちょー弱ぇからつまんねぇじゃん」
「まあそう言わずに」
さやが無理やり俺を連れていこうとする。
「ゴルグ」とはゲームの中でも最弱で初級者が倒すようなモンスターだ。
だから俺はあまり行きたくなかった。
しかしそこは仕方なくさやの言うとおりについて行くことにした。
「すいません。ここにゴルグの討伐依頼が来ていたと思うんですけど、掲示板に貼られていなくて。もう誰か受けちゃいました?」
ふつーなら簡単なクエストは掲示板に貼られている。
しかしさっき見たらそこに貼られていたはずのクエストが無くなっていた。
「どうでしょう。こちらで調べてみますね。」
カタカタカタ。クエスト嬢がパソコンで調べる。
「誰かが受けちまったんじゃねぇの?それならさっさと上級のに・・・」
「あっ。ありました!」
「あったんかい!」
風邪で神が飛んでしまったのだろうか。まぁクエストが残っていたので一安心だ。
「てかなんでこのゴルグのクエスト受けんの?いつもなら避けてんのに」
ゴルグなどの下級キャラは討伐しても今の俺たちのランクならほんのわずかしか経験値が貰えない。だからいつもそんなクエストよりも上級クエストを受けていた。
しかし今日はいつもと何か違うようだ。
「実はね、デイリークエストってあるでしょ?今日のやつはね、オールクリア報酬がコレになってて。」
「コレって、いい装備のやつじゃん!俺それ欲しかったんだよ。隼人さん持ってたし。でも高かったから諦めてたんだよな。」
「そうだったんだ。でもよく見てみて。『×2』ってなってるでしょ。修平にもあげようかなって。1人で2個も要らないでしょ」
「さすがに1個で十分だもんな。でもいいのか?俺が貰っても。」
「隼人さんはもう持ってるし、修平じゃないとやなの!修平に使って欲しくて・・・」
なんで俺じゃないといけないのか不思議に思ったがこれ以上聞かないことにした。
「で、なんでゴルグに?」
「デイリークエストがあとゴルグ討伐だけなのよ。今日のは2人だけでも行けるクエストになってたし」
「そういう事か。俺はもうデイリークエスト終わってるからな。いくらでも手伝ってやるぜ」
「ありがとう。てかもう終わったの?早いね」
「まぁな。薬草採取ばっかだったし。後は1人で行ける小型モンスター討伐くらいだった」
大体いつも2人は昼に集合している。
そのためデイリークエストは1人で出来るものは午前中にあらかた済ましてしまうことが多い。
「じゃあ早速行こう。早く終わらせて隼人さんのところ行かなきゃでしょ」
「そうだったな。急ごう」
2人は急いでクエスト場へと向かった。
「俺は前から攻めるからお前は後ろな。挟み撃ちだ!」
「OK!いくよ!」
「おりゃー!いけー!!」
バタン。ゴルグは倒れた。
「やったー!倒した!」
「これくらい楽勝楽勝♪」
クエストクリアとなり村へ戻ると門のそばで隼人さんが待っていた。
「あれ?隼人さんどうしたんですかこんな所で。これからクエストですか?」
「いや、俺が暇になっちゃって君たちを探してたんだけど見当たらなくって受付嬢に聞いたらゴルグ討伐に行ってるって聞いてね、ここで待ってたんだ」
「そうだったんですね」
「修平。デイリークエスト終わったから報酬受け取りに行かないと」
「あ、そうだったね。行こう」
「隼人さんはここで待っていてください」
2人は隼人さんをギルドの入口で待たせ、報酬所へと向かった。
「デイリークエスト報酬受け取りに来ました!」
「ハンター証見してくれる?」
「はい。どうぞ」
三蔵おじさんはパソコンにさやのハンター証をかざした。
きちんと認証された。
「待っててな。裏から取ってくるから」
少しすると担当の三蔵おじさんが装備を2セット持ってきた。
「はいこれね。今日もお疲れ様」
「ありがとうございます!」
2人はロッカーへ向かった。
「着れたか?俺は着れたぞ」
「着れたよ」
隼人さんがこの装備を着ている俺らを見たらとても驚くに違いない
俺はそう思った。
2人は隼人さんの所へ戻る。
「どうしたの?!その装備。俺と同じやつ…」
「今日のデイリークエストの報酬で手に入れたんです!たまたまオールクリア報酬がこれで」
「写真撮ってもいい?妹に送りたくて」
「いいっすよ」
3人は横に並んだ。ぱしゃっ。
「後で2人にも送っておくよ」
「ありがとうございます」
2人はまたギルドへと歩き始めた。
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