第8話何も無く

半年がすぎた。

啓はかなりのお偉いさんなのかもしれない。

携帯で調べたらすぐに出るのかもしれないが、

そんな事はしなかった。

それで何か変わる訳でもない。


いや、


もしかしたら、

変わるかもしれないと不安で、探さなかったのかもしれない。

啓は、私に聞かない。


何故、

4,000万が必要だったのか。


私も言わない。

聞かれたら答えるつもりだ。

でも、

啓は聞かないだろう。

そんな気がした。

私達は、会った頃から何も変わらない。

啓が、始めに言ったように、

女に興味無い。

その言葉の通り、何の進展もなく、暮らしている。

変わったのは・・・


私が啓を好きになった、


という事。

このままずっと一緒にいれたらそれだけでいい。

でも、こんなバカげた関係は、いつかは終わる。

分かってる。

でも、私に終わらせる権限はない。


私は


卑怯だ。



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