第7話 最近よくある人外→人間が嫌になってくる人外好きの愚痴。

 私はモンスターが大好きだ。


 ロボも大好きで友人とトランスフォーマーの映画も追っていた時期があり、デジモンも好きだった。遊戯王のモンスターも人型含めて好きではあるが。

 ポケモンも当然好きで狂ったようにポケモンシール集めては友人と交換してたのだが、大量に持ち込み過ぎてなぜか先生から呼び出しを食らったのも良い思い出。


 そんなこんなで昔から人間よりクリーチャーと呼べるような生き物達の方に愛着が湧く。キャラクターも人の姿でも人らしからぬ感覚を持っていたり、狂ったキャラクターの方が好きだった。


 動物は猫より犬や狼が好きなので自分で小説を書くならと、人狼の登場人物を中心に「人ならざる者からしたら人間社会はさぞ窮屈だろう」とそういう葛藤を描きたくて書き始めたのが「東の国の狼憑き」だった。

 最初から半人間なのをバラしてるのは「帯に最初から人間になるならなるって書いといてくれ」と小説や漫画を購入しては打ちひしがれる事が多かったので、つまりは逆張りである。


 じゃあ「ケモナーなのか」と訊かれると「微妙」と答えると思う。まぁ確かにモフモフ大好きだけど、ケモナーも種類があるから自分がどうなのかは今一分からない。

 とりあえずクリーチャー寄りの生き物が好きだという点だけ押さえておいて貰えれば。


 で、転生物が流行った当初、自分は喜んだ。理由はこれまでラノベだけとはいえ、人間オンリーだった主人公が減ったからだ。

 だが、書籍化された中身読むとすぐに「なんか違うな」という直感が走った。舞台が洞窟や森からすぐ人間社会に移っていったからだ。

 結局、有名どころ含めてモンスター転生は人間化路線が増え、大ダメージ食らう前に見るのを止めたのは正解だったと言えるかもしれない。

 ここで転生物においてクリーチャーやモンスターは愛すべき存在ではなく、単純に「他作品との差別化的な要素」でしかないことに私は物凄くガッカリしてしまった。ファンタジーがファンタジーたる由縁は、そこに生きるモンスターの存在じゃなかったのか。


 そして、その生態系に人間が入れば文化圏や生き方が違うのだから、亀裂が入るなんて私は当たり前だと思ってる。それを無理やり変えるのは、物凄く人間目線の話でしかないんじゃないか。

 人が現に人種や国ごとに生き方の違いで揉めているのだから、個人で仲良くする事が出来ても国丸ごと変えるのには限界があるだろう。

 まぁフィクション楽しむのにそこまでお堅い話は要らないにしても、「それだったら人間か人型の生き物のままでよくない?」と感じるモヤモヤがあった。

 いや、百歩譲って人間になるのは良いんだ。美女と野獣も好きだし、嫌いじゃない。ただ私は〝途中まで人間じゃない状態〟をやっといて〝人の姿が結局最強の状態〟になるのが凄く嫌なのである。

 さっきも書いたが、人間が主役じゃないのに結局人間主体の話だからだ。

 ソシャゲでモフモフ生物が美少女になったらとてもガッカリするのだが、アレと同じ事が漫画や小説の作品にもある。


 そこまで嫌なら見なければ良いだけなのだが、表紙やら触れ込みやら帯やらにこれ見よがしに「人外」とか「ケモノ」とかあったら自分はまず一冊買うのだ。


 で、後悔する。


 これの繰り返しで同じような事が重なると「返品したい」と思う事もある。カクヨム上位の転生物も似たような展開が出た瞬間に「またか」と読むのを切ってしまうくらいには苦手な要素だったりする。


 これには色々な反論もあるだろう。でも作る側としても読者側としても言いたいんだが、こういう方法で人外好きを釣るのは止めて欲しい。詐欺にあった気分になる。

 人間が居ないと売れないのは分かるんだが、出すならもうちょい丁寧に、売るなら最初から「ケモノ」で釣るやり方はしないで欲しい。

 これじゃあ購入層になりそうなとこの神経を逆撫でするやり方でしかないと思う。要素は別に悪くないのだが……。

 こういう意見が少数派だろうと予測できる事もあって、たぶんこれからも似たような作品は増えるかもしれない。


 だから自分としてはこれ以上、同士が自分と同じ思いをする事がないよう、願う事しか出来ない。どうか書く側の皆さん、クリーチャーやモンスターを扱うのなら覚えておいて欲しい。


 世の中には、クリーチャーやモンスターが美少女やイケメンに突然なってしまう事が嫌な人も居るのだと。


 以上、ささやかな愚痴でした。 


【補足】

 分かり難い部分がありそうなので、コメントで返信させて頂いた文章を写しておきます。

 私の書き方が紛らわしかったかもしれませんが、けも耳の生えた人とか、最初から「あぁそういう状態になるのね」みたいな感じなら私はまだ全然平気で(それも嫌なら最初の時点で見なければ良いだけなので)


 個人的に駄目なのが表紙や最初の流れで「獣の状態から人にはなりませんよ」みたいな展開を見せているのに、1話のラストなどで「実は呪われた人でした」「実は人間とのハーフでした」と言った「人外で期待させといて落とす」な作品とかなんですよね。

 ネタバレになるから仕方がないかもしれないんですが、帯や表紙のどこにもその人間状態の姿がないんですよ。サンプルにもありません。買って初めて「人になるんかい!」と気が付くせいで、詐欺にあったような気分になるんですよね……勝手に自分がなってるのですが。

 それでも、これも「1巻を買ってガッカリしても、そこで買うのを止めればいい」のでまだマシな方で。


 この話の途中でも書いてましたが一番「勘弁して欲しい」と思うのは「かなり長い期間人外状態で、物語の途中で進化したら完全に人にしか見えない姿になる」とかなんですよね。不便な体でどうするか、持っている能力で工夫する主人公が面白かったのになぁ……とガッカリする事もあります。

 しかしこれは話でも書きましたが「少数派の意見だろうな」と自分は思ってます。面白い作品はそれでも面白いでしょうから。


 そういう訳で、最近は魔物転生系と恋愛中心漫画で人外が出る場合は中々手を出し難いです。面白そうと思っても、一度そういう流れが出来上がると中々変わる事はありませんからね。

 上手く伝えられるか分からないのですが、需要がある形は様々ですのでいくら自分が苦手な要素でも、私が書いたものが全部「正しい意見」とは思いません。締めにも書きましたが、ささやかな愚痴以上にはならないでしょうから。


 ただ願うのは「人になるなら人間の姿は表紙に書いといてくれ……!」って事だけですね……それだけでたぶん事故はだいぶ減るので……。

 



 

 

 

 

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