特定の個人同士が「何か糸電話っぽいもの」で繋がる世界、小学校時代の友人〝フミ〟と繋がった、ショウくんのお話。
何かです。なんらかの作品。いやジャンルにせよ要約にせよ、どうにもピッタリくる言葉がない感じ。一体なんなのだこれは……一応登録ジャンルとしては現代ファンタジー、またタグには「ボーイズ虚無」とあるので、きっと公的にはそのような作品であると言えると思うのですが待ってボーイズ虚無って何?(ボーイズ虚無です)(確かにボーイズ虚無だったと断言できる)(お願い信じて)
とんでもない作品でした。何がどうとんでもないのかは読めばわかりますし、それもわりとすぐわかると思います。出鼻からいろいろ全開な感じ。設定の奇抜さや独特の雰囲気に加えて、文章そのものもかなり挑戦的というか、滅茶苦茶にこちらを振り回してくる。おそらく親切さという面においては結構突き放した感のある作品の、その物語がでもここまで読めて(読まされて)しまう、そのこと自体がもう凶悪でした。何をされたのかわからないけど、とにかく凄まじいパワーを浴びせられたことだけはわかる。
内容はもう、はっきり難解と言っていいものだと思うのですけれど、恐るべきはそこからちゃんと物語を受け取ってしまっているところ。ドラマというかカタルシスというか、お話の展開に応じた感情の上げ下げがしっかりあって、もう本当に「読まされている」という感覚。ただただ圧倒されるしかなくて、もうどう感想を述べたらいいやら、皆目見当もつきません。私は何を見たのだ……。
衝撃でした。とにかく文章の力がすごくて、そしてそれ以外もたぶんすごい。それ以外にはどうとも説明のしようのない、出す技全部反則みたいな作品でした。すごかった……。