39話 人ならざる者
他のボーダレスのメンバーが赤毛の少女を取り押さえその場は事なきを得たが、未だに少女の怒りの炎は燃え続けている。
昨日、会合が開かれた大広間に集まり、各自、朝食を済ませた。
屋敷の大きさは、
「ここかな」
そのまま屋根裏部屋に上がると、ただ広い室内の壁一面に書籍が丁寧に並べられていた。
「さっきは大変だったね」
「時間が無いんだろ?さっさとオレの正体を教えろ」
「相変わらずせっかちだね。
「い・い・か・ら、早く教えろ!」
「わかったよ。
「…?」
「
「君の母親の名前は
「母さんの名前は
「そうだお察しの通り、
しかし、多少は動揺していたのだろう。だから母親の死亡時期に疑問は持たなかった。
「ちなみに
「…命の
今まで母親のことすら知らされてなかった。怒りや哀しみ、不安、いろんなな感情がごちゃ混ぜになり
「命の
「
「くそっ!」
「
「確かに自宅で銃撃さたれた時も、めちゃくちゃ痛かった。あれは
「さて、
「その役割ってなんだ?」
「時がきたら話すよ。…おっと、だいぶ話し込んでしまった。残りの説明はまた今度にしようか。今日は部屋に戻って早めに休みなさい」
「勿体ぶるだけ勿体ぶって…勝手だな」
それだけ
どのような道順を辿ったかはっきりしないが、気が付くと
「オレ…一体、何してるんだろ?」
ここまで、ただただ巻き込まれ続けてここにいる。挙げ句の果てには人間ですらなかった。
金の装飾が施されたドアノブがゆっくりと回る。
しばし沈黙が流れ、
「いきなり常識では考えられないことがいっぱい起こって、頭の中がぐるぐるだったんだよ」
「今日、
「
そこまで話すと
「ハイ!私の今日の出来事は以上です。今度は
再び沈黙が流れる。
「オレさ人間じゃないって」
その言葉を皮切りに、
今までの出来事。これからの事。巻き込まれるがままに周りに流されていた事。何をどうすれば良いか見失っている事。
そして、
「私ね、
「覚えてないかもだけど、転校してきたばかりでクラスに馴染めずにいたとき、昼休みによく屋上で時間を潰してたの。その時、突然、
「突然、現れた?」
「たぶんね、
「そんなことあったか?」
「やっぱり覚えてないんだ。あの時言われた言葉に私がは救われたんだからね」
「えっ、オレ何て言ってたんだ?」
「それはね…」
「おい、かなめっち。いつまで寝てんだよ!」
活発な女性の声と共に赤毛の少女が部屋のドアを開けて入ってきた。
「お前!かなめっちにまで手を出しやがって」
赤毛の少女の怒りを鎮めるのに、再びボーダレス総動員で対応することとなった。
一段落つき再び親父の書斎へと向かう
部屋に入るやいなや
「やはり立ち直るには、私の
「どういう想像をしてるか知らんが、アンタが思っているようなことは何も無かったぞ」
「あれ…そうなのかい?
「まったくこのアホ親父は…」
「そんなことより昨日の話の続きだ。あんたがオレをどう使おうと考えているかは知らんが 、オレはオレのやりたいようにするからな!」
「オレの役割が…存在意義があらかじめ決められたものだとしてもオレの意思は誰にも曲げさせねえ。アンタのやり方、目的が気に食わなければ今までの分もまとめて反抗期として反発するからな!」
「取りあえずイヌガミだかの討伐には参加する。どのみち、
勢いよく
「立ち直ってくれたのはいいんだけど、
こうして
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