38話 猫又
「ん…んにゃ…!?」
「にぎゃぁぁぁ!!」
熟睡中であった
状況が飲み込めず辺りを見渡す
そして、悲鳴の主であろう赤毛の人物が部屋の壁際に寄り掛かり、震えながら
そこで
昨晩部屋の電気が分からず暗闇に包まれていたこと。ベッドがキングサイズであったためもう一人寝ていることに気付かなかったこと。そもそも、部屋を間違えていたこと。あらゆる偶然が重なり今に至る。
「ちょっと待て。昨日は疲れて…部屋も暗くてだな」
「貴様よくも!うちの純情を…!」
グレーのノースリーブに短パンを履いていた赤毛の少女は怒りで肩を震わせている。
「すまん。とにかく聞いてくれ!」
赤い猫耳。赤い爪。
体つきや顔は赤毛の少女のままであったが、まるで化け猫のような変貌を遂げた。
次の瞬間、赤毛の少女は
「ぐぉ!」
「ぶち殺す!」
赤毛の少女の怒りは収まるどころか、さらにヒートアップしている。
突き破られた部屋の窓辺から、態勢を立て直そうとしている
それに反応しようにも腹に重い一撃を喰らい、思うように力が入らない。
飛び掛かってきた赤毛の少女の両腕を掴み動きを止めた。しかし、彼女の鋭く紅い爪が
「あつっ!?」
突然、赤毛の少女の腕が発火して、おもわず
その隙をつき赤毛の少女は体をひねり、回し蹴りを
咄嗟にガードした
尚も赤毛の少女の怒りは収まらず、
「おいおい、いくらなんでもヤバいだろ」
何とか赤毛の少女を抑えようと思案を巡らす。
目の前の赤い化け猫を止めるべく、絶対的かつ圧倒的な
顕現されたそれは
金毛九尾はA樹海で死者の
今回、
一直線に突進してくる赤毛の少女の燃え盛る両腕を九尾の腕で掴む。赤と黃の
赤毛の少女の動きを止めたところで、
「待ってくれ!誤解なんだ。そんなつもりはなかったんだ」
「夜中に忍び込んでおいてまだ言うか!」
「だから誤解だっていってんだろ!そんな男勝りな性格しておいて、今更乙女ぶるなよ!」
「なっ…⁉お前…!」
赤毛の少女は激高し頬がいっそう赤く染まる。
激闘必至な状況を打ち消すように、気の抜けた声が両者の戦いを仲裁する。
「まったく、朝っぱらから何をやっているんだね」
“フラストレート・クールダウン”
赤毛の少女の額に下方向の青い矢印が浮かび上がる。直後、少女の動きが止まった。
「おい、
昨日、赤毛の少女に絡まれたところを仲裁してくれた
「だってコイツが…うちの純潔を…」
パーカーの青年は
「ほう!なかなかやるじゃないか。さすが
「おいおい、何を勝手に納得してんだよ」
「そんな
いつの間にか
昨日は呆けていた
「
「言い訳しないで、添い寝だって充分浮気だよ!」
「ぐぁ」
「あらら、昨日のうちに
「みんな、うちの愚息が迷惑を掛けたね。思春期に良好な男女関係が気付けず、彼は歪んだ方法でしか女性にアプローチ出来なくなってしまったんだ」
「それもこれも、私が躾をしてこなかったことが、原因だ。だから責めるなら私を責めてくれ」
「おいおいおい!そんな変質者を肯定するような弁明でこの場を収める気なら、直接、怒りをぶつけられるほうがマシだ」
「それに夜這いをするにしたって、オレも選ぶ権利はある…」
そこまで言ったところで
そして、再び
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