37話 神界
屋敷内も白を基調としたアンティークで統一されており、
玄関脇の階段を登ってすぐの扉を抜けると、その室内には数メートルはありそうな長方形のテーブルに
テーブルの上座に
「あれ…!?あの子は…」
そんな中、
高校生ぐらいだろうかと
「ぐっ…!」
困惑する
「なにコイツ、弱っちい!ホントに
「いきなりなんなんだ!ふざけやがって」
あまりにも突然の事で
それに対抗するかのように赤毛の少女も苛立ちをみせる。
「なによその反抗的な態度は!礼儀ってものを叩き込んでやるわ」
猫の模様の入ったスカジャンに短パンを履いている赤毛の少女は、紅く尖った爪を身動きの取れない
その爪は人のそれとは比べ物にならないくらい鋭く、
しかし、赤毛の少女が腕を振り下ろす前に、白いパーカーを着た銀髪の青年が、彼女の腕を掴んで止めた。
「止めろ、
「チッ…」
「うちの者が失礼した」
そう言って、パーカーの青年は起き上がろうとした
「いやー、青春だねー」
正直、
「前座は済んだようだね?なら適当に掛けてくれ」
全員が席に座ったのを見計らい
「まどろっこしい挨拶は省いて、担当直入に言うよ。今日、
一同は声こそ挙げなかったが少なからず驚きの表情を浮かべる。そして、中には
「
「うーん。どうだろうね。人類の滅亡を先延ばしにするだけで、根本の解決にはならないと思うけど…。何もしないよりはマシかな」
「そんな…」
パーカーの青年は一転して顔を曇らせる。
「まぁ、いいじゃねえか。それより早く切り上げて飯にしようや。こちとら、今朝から何も食ってねえんだ」
白髪混じでアゴヒゲを蓄えた、渋い声の中年男性が席から立ち上がろうとする。
「そうだね。メンバーも全員揃ってないから、詳しい話しはまた今度にしようか。とりあえず、数日後の
「では
「すみません。親父に話があるんで部屋には後で行きます。とりあえず
「わかりました。
「ありがとうございます。助かります」
そう言って、
「今までの事も含めて、話してもらうからな」
意気込んだはいいものの、
「
「そもそも“
「何って神の住む世界だよ」
「一般人にも解るように話してくれ」
「そもそも“結界”が何かは解るかい?」
「身を守るもの?」
「イメージ的にはそんな感じかな。本来、
「ミズキん家やボーダレスの本拠地が別世界みたいになってるのも結界を張ってるからなのか?」
「いい質問だね。“結界”は今ある空間に
「ボーダレスの本拠地がある、この草原は結界より高位次元の“
「それで、いつ“
「まったくせっかちだね。早い男は嫌われるよ」
「うるせえ。ほっとけ」
「話を戻すよ。“
「やてまて!存在自体、疑わしいなら何で神が攻めてくるみたいな話をしてたんだ?」
「そもそも
「先刻、
「卑猥な妄想なんてこれっぽっちもしてねえよ!」
言葉では言い切った
「彼女の名前は
「予知はその出来事が近くなればなるほど鮮明に正確な
「結局、話が見えないんだけど…?」
「愚息でもわかるようにこれから説明するよ。
「オレがちょうど産まれた時か?」
「
「
「それで…その
「彼女は18歳までの命なんだよ。1週間後の19歳の誕生日までがリミットだ」
「マジかよ…。その
「それは、
「なら、そいつを祓えばいいのか?」
「事はそんなに簡単ではないよ。
「なら話は簡単だ。どうせオレにも協力させるつもりだったんだろ?任せろ」
「任せたいのは山々なんだけど、今の
「だったらオレ自身のことをちゃんと教えてくれよ!」
「その話しはまた明日にしようか。
「オッシャァ!俄然、やる気がでた。修行なら今からでもいいぜ」
「私が疲れたんだよ。悪いけど寝させてくれ。夜更かしは美容の大敵だ」
「いろんなことに無関心だと思ってたアンタが、美容には興味があったのか。気持ち悪いことこの上ねえな」
さっき
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