36話 ボーダレス
なんとか機関の追っ手を撒いた
沈黙が続く車内で、
一言も言葉を発することなくうつむいる
「親父…これからどうするんだよ」
「そうだね。少々予定が狂ったが本来のプラン通り
「ぼーだれす?」
「私たちの組織は世の中の
「ずいぶん、ふわっとした活動内容だな。なら、アンタはその組織の命令で九尾を復活させたり、悪霊を生み出していたのか?」
「そう言えば、
「そんなわけあるか。機関の職員だって九尾討伐で何人も死んだって聞いたぞ。そんなことして何の得があるんだよ!?」
「それこそ、私の知るところではないよ。私を捕まえる口実でも欲しかったのかな。それと一つ付け加えると
今まで
「あの…」
今までうつむいていた
「確か
「こんな状況でどうかしたのかい、じゃないだろう。いきなりこんな事になって、どうもしてない方がおかしいだろ」
「ハハハ。それもそうだ」
「私はこれからどうなるんですか?」
「先程も言ったように、家に帰るのはやめた方がいい。
「それもこれもあんたのせいだろ。どうして今さらオレを迎えに来たんだよ?」
「それも含めて
納得のいかない
相変わらず周囲は民家もまばらで田畑が広がっているだけであった。
郡山家総本山まで繋がっている山沿いの
「さて着いたよ」
親父に促されるまま数分歩くと、目の前には崖の
「ここは昔、掘られた
立ち入り禁止の看板と侵入防止のチェーンが張られていたが、
「
怯える
「大丈夫」
どれくらい歩いただろうか、静寂が二人を包み込む。暗闇の中で
しばらく歩くと二人の前方に白い点が浮かび上がる。前に進むに連れてその点が広がっていき、白い光が二人の体を包み込んだ。
「…外に出たのか」
視界が開けると、あたり一面に草原が広がっていた。
「一体、ここは…」
しばし思考が停止して、風になびく草を眺めていると
「お久しぶりですね。お元気そうでなによりです」
「
「お元気そうでなにりよりです。それと年下ですから呼び捨てでいいですよ」
2年の月日を経た
「
現状を理解するのに精一杯な
それぞれ簡単な紹介を済ませ、
「それにしても、どうして
「ここで話すのもなんですので、屋敷の中ではなしましょうか」
一瞬、
先ほどまでは何もなかったが突如、西洋風の白い屋敷が出現していた。
「これ…学校の校舎ぐらいあるんじゃねえか?」
「これは夢。これは夢。これは夢」
驚く
「では皆さんどうぞ!」
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