35話 急襲
幸いにも居間に向かう途中で
「
「とりあえず詳しい話は後だ!逃げるぞ!」
「止まりなさい!」
数百メートルほど進んだところで高圧的な女性の声が
目の前には迷彩柄の軍服らしき格好の女性と数名の兵士が軽機関銃を構えて、
「お前が
「おい!待てよこの子は関係無いだろ」
「
そんなことはお構い無しといった様子でら部隊のリーダー格の女性は
「関係あるかないかを判断するのは貴様ではない、我々だ。抵抗すれば射殺する!」
「ここは日本だろ。こんな往来で射殺?ホンキかよ!」
「
「でも…
「わかった。それならすぐそばの側溝にでも隠れてて弾が当たらないようにかがんでろ!」
「貴様ら何をコソコソと…無駄な抵抗は止めて投降しなさい!」
リーダー格の女は所持していた軽機関銃の引き金に手をかける。
「
「止まれ!撃て!」
リーダー格の女の合図と共に他の兵士も発砲した。
“
放たれた銃弾は
「やっぱり、ただの銃弾じゃないな」
弾は霧に衝突した時点で掻き消えた。
この2年間、
もう自分や周りの人間が傷つかなくていいように、護るための
弾道は目で見て反応できるものではない。
「バカな!この銃弾は対象の
「ご丁寧に説明してくれるんだな」
「くそっ…とにかく標的の
手早く取り巻きの兵士を殴り倒し気絶させる。
何発か防ぎきれずに
痛みを感じる理由が、自身を覆っている
気付けばリーダー格の女以外は地面に
「あとはアンタだけなんだけど…女を殴るのには少し抵抗がある…退いてはくれないか」
「くそっ!女とバカにされ引き下がる訳にはいかない。ここ周囲に私が結界を張っている。私を殺さない限り結界を破れないぞ。私の相手をしている間に隊長が駆けつければ貴様らは終わりだ」
「さっきからペラペラ説明しすぎだろ?そんなにすごい結界をあんたが張っているなら、あんた自身は身を潜め、その隊長とやらの合流を優先すべきだろ。そうしないって事は破られる可能性があるんじゃないのか?」
「くっ、貴様…!」
リーダー格の女は図星だったのか顔が真っ赤になり
「なんだ
突然、暗闇から現れた
「なんだと!?何故貴様がここに…隊長が処理にむかったはず」
「大丈夫だよ。君もすぐに隊長さんの元へ送ってあげるから」
「ひっ…」
女は恐怖に呑まれ顔をひきつらせていた。
“フラストレート・フィアー”
リーダー格の女の胸あたりに下向きの青い矢印が浮かびあがった。直後、女は泡を吹いて倒れる。
「おいっ、いったいなにを!」
「別に殺してはいないよ。彼女の恐怖心を
「まったく、
この
その事に言及しようか悩んでいた
「
「とりあえず逃げるよ。私を本気で殺す気なら機関がこの程度の兵士を寄越す訳がない。裏があるか、増援が来るまでの足止めかのどちらかだ」
「わかった。とりあえず
そこまで
「まて、だからキミは愚息なのだよ。この子も連れていく。
「それで、どうやって逃げるんだ?」
「近くに車を隠している。そこまで行くよ」
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