29話 狼人間
「ちっ、何でよりによってこのドキュン女と一緒なんだよ」
「アンタさっきから何なの!私には
「姫なんて似合わない名前をしやがって」
「アンタの名前にだって
「なんだよ俺の名前知ってんじゃねぇか」
「うるさい。
「それより、そろそろヤツらとかち合うわよ」
「結界で割り出した位置情報とアプリを連動させているのか?すげぇな、いくらなんでも万能すぎるだろ」
「本部周辺の結界は護りというよりは、探知に特化してるから、いくら位置が分かっても対処できなきゃ意味ないわ」
「それもそうだ。ところで、今更なんだけど奴らの目的ってなんだ?」
「さっき
「転覆してどうすんだよ、獣聖会が代わりに日本を統治するってのか?」
「そんな生易しいものじゃないわよ。アイツらの目的は人類を野生に還すことよ」
「なんだよそれ」
「
「厄介な能力だな…人手不足の本部を物量で攻め落とす気か。機関も自衛隊に
「
「人員が少ないなら、あんな高層ビルなんていらないだろ」
「確かにね。でも、お陰で私は広い
「…っと」
敵の気配を察知した
“
その瞬間に大気が震える。
「人型が3人、犬みたいな奴が20匹ぐらいか…距離は100mを切っている。結構数が多いな。俺たちだけで大丈夫か?」
「何とかするしかないでしょ」
「とりあえずお前の
「仕方ないわね。仕留めるついでに私の
次の瞬間、巻き付けた髪が
「いくわよ」
“レーザービーム”
彼女の指先から数発の光線が放たれる。
光線は着弾点を中心に爆炎を起こし拡散した。
獣の悲鳴と肉が焼ける独特の臭いが森の中に漂う。
「すっげ…なんて攻撃範囲だよ」
想像以上の威力に
しかし、爆炎を逃れた
“
勢い良く飛び掛かってきた2匹の
「コイツらタフだな」
「もうっ!私、接近戦は苦手なのに」
“ビームセイバー”
収束した光は細長くなり、ピンク色の光剣と化した。
彼女は光の
「剣の扱いがなっちゃいない。このままじゃ、いずれやられるぞ」
「止まれ!!」
“
すかさず
「お前の
「うっさいわね、別にいいじゃないの。私はス◯ー・ウォーズが好きなの!文句ある?」
「いや…文句はねぇけど…」
「それより人型はどこに潜んでるんだ?目の前には
「アプリで確認してみる」
「危ない!」
同時に
しかし、黒い影の薙ぎ払いで双刀が砕け散り、
幸いにも
「いったー。なんなのよ…まったく」
「お前ら一体何なんだよ!」
目の前の
「ピンク頭。奥の手があるなら出し惜しみしなくていいぞ」
「ないわよ。あんたこそ、さっさと
「
「じゃあこういうのはどうかしら?」
敵に聞こえないように、
「面白そうだ。それに賭けるしかないな」
作戦を立てていると、獣たちが一斉に飛び掛かってきた。
“
「今よ」
“ホログラム・ボム”
「名付けて『合体技・群青ピンク』ね」
青だかピンクだか分からない技名を姫乃が叫ぶとと共に、食らい付かれた
その爆風に呑まれ、噛み付いた
しかし、その隙に2人の
「ヤバい!」
“
水の刀で、
もう一方の
“
次の瞬間、
そのまま、
「やめろ!」
「やめろ!
「大丈夫よ」
「おい、まさか自爆する気か!」
「やめろー!!」
「くそっ!また間に合わなかった。いつも俺は手遅れになる。こんなことなら
そんな中、爆炎の中から嫌味ったらしい声が
「あんたって、意外と
「お前…生きていたのか?」
「その頭…」
「うっさいわね。この技は自分が巻き込まれないように、周囲に同等のエネルギーをぶつけて
「数日もすれば元に戻るから、髪のことには触れないでね。なんか言ったら殺すから」
「わかったよ…。無事で良かった。…そういえば、あと一人、人型がいるはずだ。さっきは感知で捉える事ができたけど…」
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