おまけの魔女の物語
98話 ツイネタ1
≪お題≫
クロコさんには「言葉が見つからなかった」で始まり、「月が綺麗ですね」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字)以内でお願いします。
#書き出しと終わり
https://shindanmaker.com/801664
【飛べた魔女はただのお月見】
言葉が見つからなかった。忘れてたのだ。こんな大事な行事を。
「なんという事なの」
私は嘆き後悔した。
「どうした?」
「だんご三兄弟に顔向けできません。春は花見、秋になったら月見。一年通して団子なのに。異界では絶対外せぬ行事だと歌にまでなってるのに!」
「本当かそれは?」
「本当です。私が嘘をつくと思っているのですか?!」
「食べ物に関してはするだろ」
……否定はしない。でも歌は本当だ。異界には一年中酒を飲むための言い訳ソングもあるのだ。きっと団子中毒だってあるに違いない。そして私は団子中毒だ。思い出したら食べたくて仕方がない。
こうなったら強硬手段だ。大丈夫、皆で言えば怖くない。きっと、この言葉は団子のためにあるのだ。
「月が綺麗ですね」
よし。今日もいい日だ。団子にしよう。
◆◇◆◇◆◇
≪お題≫
異界渡りの魔女と王子のお話は
「こんなところで、どうしたの」という台詞で始まり「また必ず会えると知っているから」で終わります。
#こんなお話いかがですか
https://shindanmaker.com/804548
【飛べない魔女の寸劇】
「こんなところで、どうしたの? 冷えてしまうわ。さあ、こちらへ」
私は寒がりな彼女をテーブルに連れて来た。
先ほどまでの温かい部屋から出て来た彼女は、冷えると心を固く閉ざしてしまう。そう。大切なのはタイミング!
「没収」
私がいそいそと椅子に座ると、隣の王子様から無情な言葉を吐かれた。そんな。
折角ここまで彼女を苦心して連れて来たのに!! 王子は悪魔なのか?!
そんな事を思っても、王子派無情にも彼女を連れ去っていく。
「いやぁぁぁぁ。マルゲリータちゃんっっっ!!……うううう。必ずまた会えると知ってるから」
「その台詞何度目だ。くっそ。何度目の浮気だ?ああ?」
今日も口の悪い王子が何やら騒いでいたのだった。
◆◇◆◇◆◇
≪お題≫
異界渡りの魔女と王子は『指を絡めて踊らないと出られない部屋』に入ってしまいました。
30分以内に実行してください。
https://shindanmaker.com/525269
【飛べた魔女と○○の部屋】
ある日王子と見知らぬ部屋に閉じ込められた私の前に、とんでもない手紙が置かれていた。
『指を絡めて踊らないと出られない部屋』って何?! というところもそうだけど、それを30分以内に実行とか酷すぎる。
「踊るだと?!」
私はその言葉に戦慄し、思わず叫んだ。
「……経験は?」
隣の王子も難しい顔をしている。だよね。豚とダンスとか、無茶振り過ぎる。
「腹踊りを少々」
「いつ、どうして、誰の前でやった?!」
私の過去話に妙に食いつくけれど、今大事なのはそれではないはずだ。
「まあ、それは置いておいて、社交ダンスはやったことないです」
というか平民に社交ダンスなど不用なのだ。できるはずがない。
「よし。三十分あればなんとかなるだろう。練習するぞ」
キラキラと輝く笑顔で言い放つが、どう考えても何とかなる数字ではない。そして王子との練習……地獄が垣間見えた。
「ひぃぃぃ。休憩は?」
「三十分ぐらいすぐだ。全力を出せ! 力を合わせて踊りきるぞ」
待って。豚とゴリラの体力の違いを思い出して。
力は合せれても、体力は合わさらないから! 『オラに元気を』なんていって他人から体力を貰えるのは、漫画の世界だけで、現実は自分の筋肉分の体力しかないから!!
こうして、部屋からは魔女の悲鳴が響き渡り、三十分後腰が痛いと嘆く魔女とイキイキした王子が部屋から出て来て、王太子が狼狽えるのだった。
◆◇◆◇◆◇
≪お題≫
カラオケで100点取らないと出られない部屋に閉じ込められた異界渡りの魔女と王子について創作してください。
#出られない部屋
https://shindanmaker.com/491752
【異界渡りの魔女の地獄】
再びよく分からない部屋に王子と一緒に閉じ込められた悪い魔女ですこんにちは。
閉じ込められた部屋には、テレビ画面とマイクが2本。とっても見覚えのあるお部屋だ。
「……えっ?」
「……は?」
テーブルの上に置かれた、新たなる指令。
それにはカラオケで100点を取らないと出られないと書かれている。しかし、このカラオケマシーン。どう見ても異界の物で、異界語が書かれてる。
「異界の言葉、王子しゃべれます?」
「読み書きはできるが、しゃべるのは無理だ」
「ですよね」
異界に行く事のない王子は、異界語をしゃべる必要はないのだから覚えてなくて当たり前だ。それより、読み書きできるようになっているという事の方が恐ろしい。スペック高っ。
「つまり100点目指せるのはお前だけだ」
「延々と私だけが歌って聞かれるとかなにその罰ゲーム」
一人カラオケならまだしも、もう一人いて聞かれ続けるとか……しんどい。豚への虐待案件だ。
「いつもノリノリで一人で歌ってるだーー」
「ひぃ。聞いてしまったのですか?!その記憶抹消してください。叩いたら消えますか?」
「お前との記憶は何があっても消さない」
「どや顔で立ち聞きの言い訳をしないで下さい」
確かに家事をしている時とか口ずさんでしまってるけど。そこは聞かないふりをしてやるのが優しさじゃないの?!
その後、私は部屋から出たら絶対この話題に触れないという条件でアニソンを熱唱したのだった。めでたしめでたし。
◆◇◆◇◆◇
【◯◯部屋はただの能力】
私は最近起こる怪事件について頭を悩ましていた。
「最近、凄い不可思議な現象が起こってませんか? ◯◯をしなければ出れない部屋に入れられるとか。王子、落ち着いてますけど、原因知ってるんですか?」
「ああ」
王子も悩んでいると思ったら、意外に普通だ。しかも原因も知っているらしい。なんだと?!
「まさか王子の能力ですか?!」
「いや、兄上の能力だな」
「えっ? 王太子?」
想定外の名前が挙がって、私は首を傾げた。はて。王太子に能力をかけられるほど恨まれるような事なんてした――してたわ。ブラコンな王太子の大切な王子独占してるわ。
だからさっさと城に帰れといつも言っているのに。
「兄上は二人の人間が揃えば、条件つきでしか出られない部屋に人を入れることができる能力を持っているんだ。但し、条件は兄にも決められないランダム形式で、中の様子も見れないらしい」
「……やっぱり嫌われているんですかね」
まあ、仕方がないとは思うけれど。
でも王子が私を構うのが嫌なら、ちゃんと引きずってでも城に連れて帰ればいいのに。
「違うな。あれは気を利かせてるつもりだ」
「はあ?!」
何処をどう見れば、あれが気づかいになるのか。嫌がらせ以外の何もでもない。
「どうやら、いつまでも俺らが結婚しないからの実力行使みたいだ。でも神が兄の求める条件を出すと思えないんだよな……R18は無理だろ(ボソッ)」
後半良く聞こえなかったが、これだけは言える。
「やめさせて下さい」
「あっちが根負けするまで諦めろ。俺にも無理だ」
そんな。王子にも無理なんて、誰にも無理という事じゃないか。
最悪な王太子の気づかいに、私は頭を抱えるのだった。
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