第13話 監視系隠れマウンティングK店長
これは、私がインストラクター時代にお世話になっていた女性店長Kさんのお話です。
彼女は、高校卒業とともにOLさんとなり、ビリーズブートキャンプと踏み台昇降で十キロの減量に成功したそうです。それでインストラクターに転職わをされた、と仰っておりました。
人の痛みを知り、自らの成功体験もあり本当に優しい方でしたが……彼女は、そんな過去のコンプレックスがあるからか、恐ろしいまでのマウンティング女子だったのです。
Kさんは、ご年齢を重ねて太れたお客様の事だけではなく、道行く人を見ながらも、
「ねぇ。あやえるちゃん。なんで人って平気で太れるんだろうね?ちょっと体重増えたり、身体のラインが崩れた時に気がついて立ち止まれないでぶくぶく太ってさ。そうやって生活習慣病とか肥満とか身体に痛み出てさ……。国の税金を平気で圧迫しててさ。世の中に迷惑をかけてるってなんでわからないんだろうね。」と、口癖のように言っていました。
そんなKさんの趣味は、SNS等でいわゆる港区系女子の投稿を見る事だそうで、投稿をわざわざ検索して、投稿を見て「“可愛いパンケーキ食べてる私が好き”って感じがなんか見ていて痛々しくて、笑えてくるんだよね。」と、仰っておりました。
私も、港区ではなく千葉県ですが、お休みの日にひとり映画からのスタバからのサマンサタバサやアースミュージックアンドエコロジー等でお買い物をしてSNSに投稿してましたし、むしろその為に働いていた時期もあったので、Kさんに「あ、私もそのキラキラ系女子ですよ」と、お話してました。
そして、とてもお綺麗な方なのですが、筋金入りの腐女子でもありました。
黒子のバスケという作品を強く進められたので、「どんなお話なんですか?」と、質問したら「黒子くんと黄瀬くんがお付き合いするバスケ漫画」と、言われました。
また、「いくらアニメや漫画が好きでも、それにお金を注ぎ込むヲタクってどうなの?虚しくならないの?」と、仰ってました。
また他の日に、「あやえるちゃんって映画好きだよね?○○観た?」と、言われたので「あ、明日お休みなので観に行こうと思うんです。」と、お答えした所、「本当?私、公開初日に観に行ったんだけど。」と、休憩時間をフルに使って、あらすじとネタバレとオチまで全て話されました。
……正しく、アボーン!!!!!
そんなKさんとは退職後も何度か女子会に誘われたのですが、誘ってくれているのに何故か私がわからない話を他のメンバーに話だし、その他のメンバーが私に気を使って説明をしてくれる、というパターンでした。
……むしろ私いなくてもいいんじゃないかな、と不安になってしまいましたが、他のメンバーの方からご連絡頂いたり、またKさんからもお誘い頂くのです。
現在Kさんは、インストラクターをご退職し、再びOLさんに転職されていました。
Kさんは以前、「ゴムのボトムスは太っていく事に気がつけないデブの履くもの。」と、言っていたのに、再会したKさんは会う度に毎回ガウチョパンツ。
そして、ガウチョパンツなのにガウチョパンツ越しにわかるくらいお尻が大きく下がっておられましたし、現在も再会の度にお尻が大きく下がって来ております。
更に最近のSNSの投稿は、女性向けアイドルゲームのそのぬいぐるみを連れての旅やお出掛けの投稿やグッズ購入の投稿……。
Kさんが、あれだけディスっていた全ての新境地に、正しく沼の如くハマっているのです。
Kさんに一体何があったのでしょうか?
しかしKさんのSNSは、とても幸せそうなので良かったです。
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