第11話 恐怖!女の嫉妬妬み第二弾Iさんの場合
これは、私がインストラクター時代。結婚し異動した店鋪のIさんのお話です。
彼女は、そのお店がオープンしてからずっといるスタッフで、私の母と年齢の変わらない年上の方でした。
異動する際に他店のスタッフから「何故かあの店鋪に行くと皆音信不通になって辞めてしまう。」と、噂では聞いていました。
実際に配属されて納得しました。
何故オープンからずっといるはずのIさんが、店長でも店舗リーダーにもなっていないのか。
まず、もうお店が無法地帯だったんです!お客様同士のコミュニティももちろん大切です。
しかし本来運動する場所なのに、お客様達は筋トレマシンをよそ見をしながらお喋りをして運動をしていました。効果は出ないし、何より危ない!
注意やお声掛けをするも「あやえるコーチ真面目すぎ!」「というか私達がお金払って来てるんだから好きにやっていいじゃない!」と、むしろ逆ギレされる毎日でした。
なのに、「全然痩せない!」「あやえるコーチ!私太ったんだけど!効果ないじゃん!お金出してるのに!」と、他のお客様対応をしていても、営業活動から戻ってくても次々と色んなお客様に個別カウンセリング等と頼まれる日々。
一方Iさんは、そんなお客様と普通にお喋りしているのです。
……これは、まともなスタッフやお客様なら皆、辞めたくもなりますよね。
しかもIさんは、とても理不尽でした。店舗配属の二日目に「あやえるちゃん。お客様の名前まだ覚えてないの?」と、言ってきたのです。
さらに、「自分より年下でただでさえ人手不足てであやえるちゃんと二人でお店やらなくちゃいけないのに、本当に負担なんだよね。」と、言ってきました。私はカチンと来てその日から毎朝七時に出勤し、五百名近くのお客様カルテの名前と年齢だけでなく、ニーズや持病等まで全部暗記し、お客様のサポートをしました。
しかしIさんの嫌がらせは続きました。
だんだんとお客様から信頼され、お店の雰囲気も良くなって、運動に集中したり、お店の営業数値も上がってきました。
少し自慢話になってしまうのですが、当時、全千五百店舗中、プロテインの売り上げトップ十位に入る事が出来ました。
しかし、昔ながらの無法地帯の環境が好きだったお客様から私は更に嫌がらせや嫌味を言われるだけではなく、無視などをされる様になってもいました。他のお客様達からは「怖いよね」と、心配される程でした。
『わかってくれているお客様がいる』『営業数値にも、お客様の成果にも結果は出ている』と、思っていつつも流石にメンタルが削れ、心が折れて来た時にIさんに相談してみました。
するとIさんは、「じゃあ私がお客様達に聞いてきてあげるね!」と、お客様達に聞きに行ってくれたのです。
あ、これで何か変わるかも!と、私は嬉しくなりました。
やはりオープンからいるスタッフ。そして母と年齢の近い方だもの!やっぱり頼りになるんだな!と。
しかし、やはり現実は残酷でした。何やらお客様とIさんは大笑いをした後、コソコソと話だし、そして気まずそうにIさんが戻ってきて
「あやえるちゃんの眼鏡が気に入らないんだって。まー確かに、その眼鏡似合ってないよねー」
と、笑いながら肩を叩かれたのです。
……ドカーン!!!!!
その後、私は店内で、「私の事嫌いでも!運動する事の大切さは忘れないでください!運動を嫌いにならないでください!」と、AKB48総選挙の前田敦子さんの様な発言を店内に響かせたのを今でも忘れません。
更には、出勤してバックヤードの端で隠すように見えない様にジャージに着替えている私にIさんはよく下着を覗いてきて「可愛い下着つけてんじゃん!これで毎晩、旦那を誘惑してんの?やだ!ヤラシー!」と、セクハラ発言してきました。
同性でも、同性だからこそ、嫌だなぁと感じました。
Iさんは、事実婚の彼氏様と同棲十年目でした。
そして糖尿病の彼氏様が、毎月通院の度に何故か、Iさんが彼氏様の病院の予約を電話で営業時間前にとり、しかもその後営業時間ギリギリまで「あ、病院の予約取れたからちゃんと午前の診療時間までに行ってね。お薬手帳忘れちゃ駄目だよ?」と、物凄いニャンニャンボイスで電話していたのです。
しかも彼氏様の方が早く帰宅しているのに、家事は全てIさんが行っていて、「あやえるちゃんと二人だけだから残業になる!」と、言われたので、次の日から退勤時間ジャストにタイムカードを押せるように営業時間の隙間を使って雑務や会議の資料等も作りました。
しかしするとIさんは退勤時間ジャストにタイムカードを押して帰られるはずなのにダラダラとお店に残っていて、むしろ私が先に帰宅させてもらう様になりました。
どうやら同棲の彼氏様とは寝室が別で、リビングにテレビがあるものの、彼様の部屋に別にテレビとパソコンがあり、あまり会話もなかったそうです。
毎日出勤すれば、そんな彼氏様の愚痴を朝と休憩時間と退勤時間に付き合わされ、更には花粉症だったIさんは少しでも体調が悪いと更に機嫌が悪くなり、かなり八つ当たりされました。
お昼ごはんもいつもカップラーメンで、だからそんなお肌も髪も心も彼氏様とも乾燥気味のカラカラなんだよ!と、大変失礼ながら、心の中で思っていました。
そんなある日、Iさんが急に
「私、あやえるちゃんの事が羨ましくてずっと虐めてたんだよね。これからも宜しくね!」と、言ってきました。
謝りもせず……わかりきっていた謎の突然のカミングアウト。
この発言が、私のメンタルの限界スイッチが押され、第一章にも書かせていただいた流れでの退職となりました。
……あぼーん!!!!!
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