第10話 恐怖!女の嫉妬妬みパワハラKさんとRさん
これはアパレルのアルバイト時代のお話です。
私は正直当時は、お洒落でもないですし、身長168センチの体重74キロで決してスタイルもよくありませんでした。
しかし八頭身で腰の位置が高く、脚が長く見え身体のバランスが良かったのと、その時の店長が母子家庭のヤンキーな方だった為、私も母子家庭だった事もあり、たまたま御採用していただけたのだと思います。
もちろんご採用頂いた後は、学生アルバイトとはいえお店の歩くマネキンとなるわけですから必死にダイエットをして一年で十キロ近く落としました!
そんなアパレルのアルバイト。出勤して二日目に店長に呼び出され、そのショッピングモールの冊子のモデルを頼まれたのです。他にも読者モデルや可愛くてお洒落な先輩方はたくさんいるのに驚きました。
店長からは、「やっぱり洋服って背が高い人が着た方が映えるし、今回うちのお店の推したい洋服はあやえるに似合う感じだから宜しくね!」と、言われました。
そのままあれよあれよと撮影し、冊子が出来るとお店には「冊子のお洋服残ってますか?」と、来店されるだけでなく、お客様からお電話も入り、他店や製造会社に追加発注するほどでした。
これが読者モデルKさんの逆鱗に触れてしまったのかもしれません。休憩時間もチュッパチャップスしか食べないストイックな方でした。
自分の読者モデルのお仕事はもちろん毎回このショッピングモールの冊子モデルも彼女がしていたそうです。
後日、店長がお休みの日にバックヤードに呼び出され、
「あの撮影の日、私親戚の家に行かなくちゃいけなかったの。だからあやえるはね、たまたま私がいなかったからモデルやらせてもらえただけなんだからね?替え玉だからね?調子に乗らないで」と、言われました。
……調子に乗ってないし、むしろもっと痩せて可愛くあのお洋服を着たかったくらいだったのに。
その後も、店長がいない日は「あやえるみたいな太っててセンスのない子はお店に出られると困るから」と、バックヤードでの在庫管理等を黙黙とさせられました。
そしてもう一人。Rさんの場合。
RさんとKさんは言わば、うちのお店のカリスマトップ店員でとても仲も良かったのです。
しかしKさんは恋人がいなく……むしろ出来ないらしく、「友達がいれば最高だし!」と、よく仰ってました。他の先輩方も「Kさんは、友達を優先するタイプだから」と、やや気を使っていました。
Rさんは、契約社員のアラサーで本当にセンスの塊の様な方でした。お洋服に合わせてメイクを変える為、絵の具のパレットの様なアイシャドウパレットをいつも持ち歩いていました。しかし不倫とセフレの二股を掛けていていました。
……それって“掛けていた”じゃなくて、“掛けられていた”のでは?
しかもRさんはよく「セフレからも不倫相手からも“カラスの死体みたいなスッピン”て、言われるんだよねー」と、自虐をしていました。
お二人とも独身で実家暮らしのアラサー。土日もお二人はご友人の結婚式でお休みしたり、お店のドレスを買っていました。
そんなある日、皆で飲み会をしていた時に「あやえるって彼氏いるの?」と、いう話題となりました。
「います。」
「嘘でしょ?!いなさそうなのに!写真とかあるの?!」
「あ、はい。」
と、携帯のプリクラの写真を見せました。
今も復縁してお付き合いして頂いてるのですが……本っ当にイケメンで優しくて素敵な彼氏様なんです!私の自慢は、素敵な母と彼氏様と友達に恵まれてるって事だけだと過言ではないくらいです!
案の定、他の先輩方から「めっちゃイケメンしまゃん!」「藤原竜也に似てる!」「夢物語のタキツバの翼くんじゃない?!」と、かなり騒がれました。後日、早番の時にシレッと彼氏様がお店に迎えに来てくれた時もかなり騒がれました。
それを気にRさんからも目を付けられた私は、出勤する度に
「あやえるの服装は今日は○点!ダサい格好して売り上げも取れてないんだから、店の服は制服でもあるんだし服買いなさいよ!」と、言われました。
そして、「あやえる数値とってこいよ!」と、罵倒してくるのに、Rさんより数値を取るとバックヤードに呼び出されて「テメェ。調子乗ってんじゃねぇよ」と、お腹ではなく胸を本気でパンチされてました。
別の作品でもこの件は取り上げましたが、十代で本当に世の中は理不尽 だと悟りました。
その後、店長が変わり、さらにヤンキーで怖い方だったのでそのまま私は、アルバイトを辞めました。
実は先日Kさんを地元の駅で見かけたのですが、相変わらず歩くマネキンの如く、地元には不釣り合いなくらいお洒落で派手で輝いていました。
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