お題:ロボット
画面内で二人のキャラクターが対戦する。
「うっ、くそっ!」
少年が操作する格闘家はその焦りが投影されたかのように攻撃を何度も外してしまう。
「……」
それに対し、少女の操るロボットは正確無比に攻勢を続ける。不用意な攻撃はしっかりガードして反撃。相手が守りに入ったら即座に投げ。あっという間に体力バーがなくなり、決着がついた。
「また負けたァー!?」
「やった」
「ちくしょう、喜んでるっぽいのに無表情じゃねぇか……ロボットかよお前……!」
少女は表情を少しも動かさず、また同じキャラクターを選択した。
「やらないの?」
「やる!!! 次こそ勝つ!!」
数分後。
「だぁああああ!!」
「やった」
「くっそもっかい!!」
肩を怒らせてコントローラーを握り直す少年に、少女が尋ねる。
「……楽しい?」
「あん?」
「私とゲームしても楽しくないって、みんな言うから……」
「知るか! 敵ってのは強い方が勝ったとき嬉しいんだ! 何回負けたって俺はお前にかぁーつ!!」
「……たのしみ」
少女は手加減をせず、少年は愚直に挑み続ける。
笑う日は、いつ来るものか。
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